平成28年6月定例会 本会議
◆小柳聡 皆さん,おはようございます。本日は参議院選挙の公示日ということで大変政治に関心が高まっているわけですが,我々市議会議員は市政の問題について全力投球で,また朝一番ということもありますので,爽やかに議論していきたいと思います。
まず1,公募区長のあり方についてです。
これは,昨日皆川英二議員も取り上げられました。しかし,非常に大事な問題だと思いますので,本日も引き続き議論していきたいと思います。
さきに区のあり方検討委員会の報告書が取りまとめられ,それをもとに今回執行部から短期,中期,長期にわたる検討課題の整理が出されました。そこで,今回は短期的な課題であり,平成28年中に決めなければいけない公募区長制度について議論していきたいと思います。
まず,導入当初について振り返ってみたいと思います。当初どういった目的でこの公募区長を導入されたのか,見解をお伺いします。
◎市長(篠田昭) 皆さん,おはようございます。小柳聡議員の御質問に極力爽やかにお答えしたいと思います。
区長公募については,自立する区役所に向けて,区役所の権限,財源の強化を図っていく中で,区政を担いたいという高い意欲を持って庁内外から選ばれた公募区長が,それらを効果的に活用し,高いマネジメント能力を発揮しながら,特色ある区づくりや地域の実情に応じた区政運営を図っていくことを期待して実施しました。
庁内公募の意味には,とかく受け身になりがちと言われる公務員の意識改革を促す意図もありました。これは,公募区長に先立って実施している公募校長,ここに庁内枠を設けたことと同じ問題意識です。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 続いて,導入には受け身の意識改革という目的があったわけですが,実際にその応募状況,また応募状況に対する評価についてお聞かせください。
◎市長(篠田昭) 公募区長の応募状況ですが,庁外からの応募が47名,庁内からの応募は3名,計50名の応募がありました。50名のうち,行政職員以外の応募は36名でした。
応募状況の評価については,年代,業種,幅広い方々から応募いただいたということで,公募区長への注目度が非常に高かったのではないかと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 注目度は高かったということですが,今回4区で導入されましたが,なぜ4区が選ばれたのか,その点についてお聞かせください。
◎市長(篠田昭) 4区とした理由ですが,新たな視点と発想で区政運営を行うことを期待しつつ,どのような可能性や課題があるのか確認するために,今回はモデルとして実施しました。
募集区については,区の成り立ちを踏まえ,合併市町村が中心である区として,秋葉区,西蒲区,旧新潟市が中心となる区として西区,合併市町村と旧新潟市が混在する区という位置づけで北区を対象としました。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 では,次に,今後の対応について議論していきたいと思います。
今,2年前の状況について確認させていただいたわけですが,10月1日に応募要項が出され,11月11日まで応募期間が定められていました。今後公募区長制度を継続するのかどうか,方向性をそろそろ出さなければいけない時期に差しかかってきていると思います。
現在,公募区長として3年の任期で職務に当たられている区長が4人います。そして,その中で庁外では2名の方から手を挙げていただいている状況です。また,仮にこの公募区長制度を継続した場合についても,検討する必要があると思います。応募要項がまだ出せないにしても,例えば採用枠があるのかどうかといった方向性を早目に示すことで,より多くの方から手を挙げてもらえる環境がつくれるのではないでしょうか。昨日の議論で秋ごろとの答弁もありましたが,改めてその点をお聞かせください。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) お尋ねの今後のスケジュールについては,昨日も答弁で申し上げましたとおり,現在公募区長制度の検証を行っているところであり,それらの検証結果を踏まえて秋ごろまでに公募区長制度の方向性を判断していきたいと思います。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 では,秋ごろには方向性を出すということですが,一番大事なのはその評価,検証をどう行っていくのかといった点ではないかなと思います。秋ごろに方向性を出すということは,それまでに当然検証も終えるスケジュール設定になると思いますが,実際どのように評価,検証を行っていくおつもりでしょうか。このタイトなスケジュールを考えますと,既にある程度どういった点について検討するのか,また例えば委員会のようなものをつくって検討することもお考えだと思いますが,その点についてお願いします。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) 公募区長制度の評価については,区政運営の進め方における影響を初め,公募区長へのサポート体制,庁外登用の評価など,さまざまな視点,角度から検証を行っていきたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 きのうもそのサポート体制の話があったのですが,実は先日大阪市を訪れて,人事課と現職の公募区長にお話を伺ってきました。大阪市は任期4年で,初めての公募区長制度導入ということもあり,うまくいったこと,いかなかったこと,さまざま出てきたと。そういう中で,公募区長制度の課題の整理,検証を半年間,計6回の場を設け実施し,そして今年度から2期目の公募区長をスタートさせました。大阪市の場合は新潟市と少し状況が違い,公募区長制度を継続する前提です。本市はどうでしょうか。まだ公募区長制度をやるかどうか,それも決まっていない。そして,今回モデル的に実施したので,大阪市以上にしっかりとした検証が必要ではないでしょうか。しかし,今の話では,具体的な論点やどういう方法でやるのか見えてきません。前回の応募要項が出されたのが10月1日です。先ほど申し上げましたが,仮に継続する場合は早目に方向性を出さないとなかなか手を挙げる方が減ってしまうのではないでしょうか。
そういうことを考えますと,検証に残された時間は決して多くありません。例えば9月議会で議論していて間に合うのかどうか。現実的には難しいのではないでしょうか。私たち議員は,執行部の皆さんからの報告を聞くことが仕事ではありません。皆さんと議論させていただいて,そして一緒に市として方向性を出していく,それが私たちの仕事だと考えています。区のあり方,中でも自立的な区政運営に市長が本当に重きを置かれているのであれば,こういったことにならないのではないかと思うわけです。その点早急に体制の構築等を含めて進めていただきたいと考えますが,いかがでしょうか。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) 議員御指摘のとおり,早急に検証作業を進めながら秋ごろまでには一定の方向性をお示ししたいと思います。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 わかりました。早急にということですので,それを期待しながら,今回議論できるところを前向きに議論していきたいと思います。
次に,議論できる場の担保ということで,区のあり方検討委員会の報告書の中でこういった意見がありました。公募区長制度について,区自治協議会,行政,議会で検証する必要があるのではないかという意見です。また,市長も6月14日の全員協議会の中で,議会,市民の皆様の御意見をいただき,丁寧に進めていきたいと発言もされています。行政以外での検証の必要性について,どのようにお考えでしょうか。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) 公募区長制度については,区のあり方に係る課題の一つとして,区のあり方検討委員会からいただいた御意見も踏まえ,検証をしっかり行った上で議会の意見を伺いながら今後の方向性を判断したいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 区のあり方の中の一つの大事な要素ですので,この点ぜひ丁寧に進めていただきたいと思います。検証が一番大事になってくると思うわけですが,早急に,そして丁寧に進めなければいけないということが今はっきりしたと思います。
次に,具体的にどういった点について検証,検討すべきなのか,一般質問ですので,余り細かい点まではできませんが,柱として考えるべき点は,任期,そして外部人材の活用,この2点が大事だと思いますので,この点について議論していきたいと思います。
まず,任期についてです。
アとして,今までの区長の平均在位期間についてお伺いします。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) 政令市移行後の10年間で,40名の方が区長を経験されています。在位期間については1年から3年で,平均在位期間については2年となっています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 では,次に移ります。
公募区長制度が今までの区長と違う点として,任期,在任期間が挙げられます。今ほどお答えいただいたように,今までの区長は40名で平均して2年です。例えば赴任して1年目,地域の方に顔を覚えてもらう。2年目に顔を覚えて話せるようになったと思ったら異動してしまう。今の話は,区長とよく顔を合わせる,例えばコミュニティ協議会関係者の話です。その他の多くの区民の方は,残念ながら区長の顔が誰かわからないうちに異動してしまうケースが多かったのも現状です。
公募区長は,3年を任期として設定しています。3年が十分なのかどうかは議論が必要だと思いますが,少なくとも3年間は区長をやることがはっきりして,今までより長く区長として仕事をすることで今まで以上に地域との顔が見える関係ができつつあるようです。区長を役所内部の人事異動としてだけ捉えるのではなく,今までになかった区長と地域との顔の見える関係構築ができることは,分権型政令市実現のため,また特色ある区づくりや地域の実情に応じた区政運営のためのベースになると考えますが,この点についてはいかがお考えでしょうか。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) 区長が地域の方々と顔の見える関係を構築することは,重要なことだと考えています。公募区長については,任期を見据え,まちづくりや区政運営における方向性を地域の方々と共有することで協働の取り組みや区政に関する意見交換のきっかけとなるなど,一定の効果があったものと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 次に,今回の公募区長制度の評価の一つの側面として,今ほど申し上げた信頼関係が構築されつつある中で,地域の方の声としてはようやくこれからというのが私の認識です。この声は,成果とは別に考えるべきです。また,これは公募区長制度に限った問題ではありません。地域との信頼関係を重視し,区長の任期を明示することや規定を整備することが難しいのであれば,先ほど平均2年ということでしたが,2年より長く仕事をしていただくなど,人事異動の際に赴任期間を考慮するなど運用面での工夫が必要だと考えますが,この点はいかがでしょうか。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) お尋ねの件は,公募区長以外の方の区長についても任期を明示するという御趣旨だと思いますが,区長全員の任期を一律に定めることについては任用時の年齢の問題や任期中に他のポストへの任用が制限されるなど人事管理上の課題も多いことから,公募以外の区長については適性や区政運営の継続性などを見きわめながらこれまで配置を決定してきたところです。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 再質問ですが,今までいろいろな点を考慮して結果的に40名で平均2年ということですが,地域の課題等を考えた際にもう少し2年より延長したほうがいいと判断されれば2年より長くなる可能性もあると理解してよろしいでしょうか。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) 歴代の区長の中には3年を経験された方もいますし,その区の事情やその方の事情を含めて総合的に勘案することですので,2年と決めているわけではありません。たまたま計算すると平均2年ということです。議員がおっしゃったところは,そのとおりだと認識しています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 分権型政令市ということで,区長の役割が今非常に重くなっていると。地域の方から見ると,市長とお話しする機会は1年に1回まちづくりトークであるかどうかという中で,区長の顔が見えることは非常に大事ですので,ぜひこの点考慮していただきたいと思います。
次に,再応募の是非についてです。
再応募がいわゆる公募区長制度へ可能かどうかという法律の解釈の話ですが,仮に公募区長制度が継続された場合,任期は終わりだが,継続して公募区長として働きたいという希望を持った方がいた場合にこれが可能なのかどうかという話です。新潟市の前回の応募要項にはこの点について記載がなく,任期3年としか記載がありません。一方,先ほどの例に挙げた大阪市では,連続して同じ区で手を挙げることができないという解釈です。それが応募要項にも記載されています。これは,公募区長制度がいわゆる任期付法を根拠に制度化されていることによります。
任期付法は,専門的知識経験を有する者の採用を任期つきで行える特例法で,任期の最長期間を5年に定めています。本市は任用期間として3年を規定していますが,延長等について応募要項に記載はありません。ただし,任期付法で任期が5年に満たない場合には,採用した日から5年を超えない範囲で更新されることがあるとなっています。つまり今後取り得る選択肢は,①,任期を1年から2年延長,②,再応募を含めた公募区長制度継続,③,再応募は他の区で可能という前提で公募区長制度の継続,④,公募区長制度の廃止の4つです。
方向性については,先ほども検証を得た後ということで秋ごろになるという話でしたが,少なくとも法令の解釈についてはここで明確にしておきたいと思います。継続された場合,同じ区で再び手を挙げることが可能なのか,大阪市のように不可能なのか,任期付法をどのように解釈されるのか,見解をお聞かせください。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) 地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律の趣旨を踏まえれば,同一区での応募については難しいものと解釈されていることは承知していますが,まだその点について十分私どもも内部で協議していませんので,今後慎重に判断していきたいと思いますが,大阪市での解釈は承知しており,大阪市では同一区への応募を認めていないことも承知しています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 わかりました。これから内部で協議されるということで,人事の問題ですので,非常に難しいところだと思いますが,今後仮に継続された場合,こういった解釈の余地が生まれないよう,任期延長の可能性,また再応募についても応募要項等に記載するべきだと考えますが,いかがでしょうか。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) 一般的に応募要項については,応募される方がわかりやすくということが基本だと思いますので,必要なものについては記載していきたいと思います。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 では,次に,外部人材の活用についてです。
大阪市は,公募区長制度導入の意義を人材の流動性,多様性,内外の人材が切磋琢磨することによる組織活性化の3点を効果として挙げていました。
大阪市西区の例を紹介させていただきます。先ほど訪問してお話を伺ったのが大阪市西区の区長で,区長会議の会長もされている方です。民間企業出身の38歳,非常に若い区長です。民間と行政のかけ橋という意識を持たれ,区政運営に取り組まれ,多くの成果を残されています。例えば大阪市西区は南海トラフ地震の津波の浸水想定が出ましたが,場所によって津波の想定する高さがかなり違うという課題がありました。
そして,その課題に対して,日中一番地域内にいる子供たちにどうわかってもらうかということで区長は考えまして,西区はデザイナーが非常に多く,そのデザイナーとタッグを組み,出てきたアイデアが,子供たちは動物の高さであればイメージしやすいということで,津波の高さがわかるような動物の標識,キリンや象などをいろいろつくったことが評価され,グッドデザイン賞を受賞されています。
また,ほかにも民間での組織運営で,例えば数字を使った組織運営,それこそKPIですとか,月1回の幹部会議で必ず数字を持ってきなさいといったマネジメントもかなりされ,職員の意識改革が行われました。まさに外部人材がうまくかみ合い,そして内部と切磋琢磨できた事例だと思います。こういった事例の評価とあわせて,外部人材任用の利点についてどのようにお考えでしょうか。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) 外部人材任用の利点については,外部の視点や民間の経営感覚など,これまでにない新たな視点と発想で市政運営を担えることであり,幹部職員の公募制度を導入している大阪市では,課題もあるものの,公募で選ばれた区長や局長がこれまでとは異なる視点,あるいは発想で独自施策の推進に取り組んでいるとお聞きしています。公募区長制度の検証を行う中で,今後の外部人材任用についても検討していきたいと思います。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 次に,キャリア構築という視点での身分保障のあり方についてです。
先ほど確認させていただきましたが,任期付法は,あくまで高度な専門的知識を有する方を任期つきで雇えるという特例法です。一方,優秀な方に安心して来てもらうため,身分保障するべきではないかとの議論があるのも事実です。しかし,安定性を求めて外部の民間の方から応募があるのか,この点については十分議論が必要ではないかと考えています。
先ほどの例ですが,私が大阪市西区でインタビューした民間企業出身の方にその話をしたところ,逆に任期が決められていなかったり,身分保障があれば応募しなかったとおっしゃっていました。外部の優秀な方が一つのキャリアとして区長を考える場合,逆に身分保障がないほうが実は安心して来てもらえるのかなと感じました。身分保障,安定性という公務員の特色を強調するのではなく,新潟市のどこかの区長として勤めていただくことが,その方のキャリアにとって非常に有用なのだと,むしろアピールするべきではないかと考えますが,その点いかがでしょうか。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) 先ほど答弁させていただきましたとおり,現在さまざまな視点,角度から検証を行っているところですので,身分保障のあり方についても慎重に判断していきたいと思いますが,議員御指摘のとおり,シンクタンクの研究員などさまざまな経験や実績を積み重ねることでキャリアアップを図っていく職種もありますが,社会全体としてはまだそうなっていない中で,私どもとして優秀な人材をいかに確保するのかという視点を持って検討していきたいと思います。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 公募区長の最後の項目として,庁内への展開について考えていきたいと思います。
今ほどの議論で,外部人材,とりわけ優秀な民間の方を任用することで内部の方にもいい影響が出る可能性があることは確認できたと思います。しかし,これは何も区長に限った話ではありません。この手の話になりますと,懐疑的な見方をされる方が多いのも事実です。外部の方に任せて大丈夫なのか,外部の人に何がわかるのかと。
大阪市では条例改正を実施したので,幹部職員は原則公募になりましたが,今でもそういった批判はあるそうです。しかし,あくまで任用するのは市長です。選考委員会をつくり,適した方を採用する。大阪市も外部,内部それぞれから応募があり,結果的に内部の方がついているポストも多くあります。
例えば経済戦略局長は外部の方ですが,建設部局など大多数のポストについては選考を経た結果,結果的に内部の方がついています。やはり外部,内部,それぞれ適したポストがあるのではないかと思います。入り口で規制するのではなく,選考過程で適している方を採用すれば,むしろ期待される効果のほうが高いと思いますが,他のいわゆる部長職等幹部人材への公募制度展開についてどのようにお考えでしょうか。
○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕
◎総務部長(井崎規之) 熱意と高い意欲を持った職員が,みずから手を挙げて部長職へ応募することで積極的な施策の推進や職員みずからのモチベーション向上につながることが期待できますので,公募区長制度の検証結果を踏まえながら今後他の部長職への公募についても検討していきたいと思います。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 検討という話でしたが,庁外の方だけではなくて,市長もたびたびおっしゃっているように,庁内の方でやりたいという意欲ある方が責任あるポストについていただくことが組織にとってもいい話ではないかと思いますので,ぜひ積極的な検討をお願いします。
次に,子育ての観点からの公園のあり方についてです。
今回私がこのテーマを取り上げようと思ったのは,地域住民の方からの声でした。地域の公園の遊具がずっと使えないが,どうなっているのか。その後私も幾つかの公園を見てみましたが,公園には幾つもの黄色いテープがぐるぐる巻きにされていました。
また,個人的なことですが,私自身変化がありました。おかげさまをもちまして第1子が誕生し,かわいい我が子を見ていると目線も変わってくるものです。この子が外へ出られるようになったら公園で遊びたいなと,こんなことも思うわけですが,地域の公園を見てみると黄色いテープでぐるぐる巻きにされたブランコがあり,自分が小さいころよく遊んでいた公園は一見変わらない姿ですが,実は変わってしまっていた。子供が遊んでいない遊具は,どこか寂しそうにしていました。市長は事あるごとに,新潟市は非常に子育てしやすい町だと表現されますが,果たしてどうでしょうか。こういった問題意識から子育て世代の親の目線,また地域で子供を育てるという観点から,公園のあり方について議論していきたいと思います。
(1),遊具の現状についてお聞かせください。
アとして,公園数,面積の推移はどうなっていますでしょうか。
○議長(高橋三義) 大沢土木部長。
〔大沢藤雄土木部長 登壇〕
◎土木部長(大沢藤雄) 平成27年度末における公園数は1,609カ所であり,公園面積は約958ヘクタールとなっています。また,推移については,平成27年度末までの過去5年間の公園増加数は88カ所であり,公園面積は約76ヘクタール増加しています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 今,公園の面積として76ヘクタール増加しているとの話でしたが,次に遊具についてお伺いします。遊具に対してどのようにお考えか,また遊具の数がどれぐらいあるか,お聞かせください。
○議長(高橋三義) 大沢土木部長。
〔大沢藤雄土木部長 登壇〕
◎土木部長(大沢藤雄) 遊具は,公園の主要な機能であるレクリエーションの場の提供に欠かせない施設であるほか,運動能力の向上や創造力を養う機会を提供するとともに,集団での遊びを通じて社会的ルールやコミュニケーション能力を身につけることができるなど,重要な施設であると認識しています。このことから,公園の種別や規模に応じた特色ある遊具の設置と管理に努めており,遊具の総数は3,240基となっています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 そのうち使用できない遊具はどの程度あるのでしょうか。
○議長(高橋三義) 大沢土木部長。
〔大沢藤雄土木部長 登壇〕
◎土木部長(大沢藤雄) 本市の公園における遊具施設数3,240基のうち,現時点で把握している使用が禁止となっている遊具数は47基であり,割合では約1.5%となっています。事故を未然に防ぐ観点から定期的にパトロール点検を実施し,事故のおそれがある遊具などを発見した際には直ちに使用禁止措置を施しています。そして,使用禁止中の遊具については,公園愛護会や地域の皆様の御意見などをお聞きし,順次更新または撤去しています。今後も,遊具を初めとする公園施設の安全性の確保に努めていきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 数としては47基,1.5%ということで,私の実感とずれているなと思ったのですが,ちなみに地域的な偏りはありますか。
○議長(高橋三義) 大沢土木部長。
〔大沢藤雄土木部長 登壇〕
◎土木部長(大沢藤雄) 使用が禁止になっている遊具数47基の内訳としては,北区17基,東区1基,中央区3基,江南区3基,秋葉区22基,西蒲区1基となっています。数の多い秋葉区と北区においては,バリアフリー化に向けたトイレなどの改修を優先的に進めてきた影響が出ていると考えます。今後は,使用禁止の遊具が一定地域に集中することがないように維持管理するとともに更新に努めていきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 少し偏りがありましたので,ぜひこの点も考慮していただいて今後の整備を進めていただきたいと思います。
次に移ります。今申し上げたように,地域の声としてこういった遊具更新は確実にあるわけです。しかし,それがなかなか地域の声となり,各地域の区政運営に十分反映されていない側面があるのも事実です。人口減少社会にあって,子育て世代の声は今まで以上に行政から積極的に拾いにいくべきではないでしょうか。子育ての観点からの公園整備の必要性について,どのようにお考えでしょうか。また,そういったニーズ把握をもしされていればその点もお聞かせください。
○議長(高橋三義) 大沢土木部長。
〔大沢藤雄土木部長 登壇〕
◎土木部長(大沢藤雄) 公園は,子供からお年寄りまでの幅広い年齢層のレクリエーション活動,健康運動,自然との触れ合い,文化活動など多様な活動拠点となることから,計画段階からワークショップを開催するとともに近隣の保育園,幼稚園,小・中学校の児童生徒,保護者,教職員を対象としたアンケート調査を行い,多くの御意見を反映するように努めています。今後は,より安心して子供が育てられる公園の環境づくりに向けて,子育て担当部署との庁内連携を強化するとともに子育て世帯を初め幅広い世代の御意見もお聞きしながら取り組んでいきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 ぜひ積極的にその点お願いします。
今ほど確認させていただいたように,公園はかなりの数があって,更新が必要なものもかなりあると。こういう状況の中で,国もこの事態を深刻に捉え,公園施設の長寿命化に取り組み,今後の維持管理,補修,更新を計画的に実施すべく,長寿命化に関する指針を出して地方自治体の公園長寿命化計画の策定のバックアップをしようと動き出しました。そういった中で,本市でも長寿命化計画を策定されたと思いますが,それについての本市の考え方をお聞かせください。
○議長(高橋三義) 大沢土木部長。
〔大沢藤雄土木部長 登壇〕
◎土木部長(大沢藤雄) 本市の公園施設長寿命化計画は,施設の長寿命化を図るとともに維持管理予算の縮減や平準化を目的に,平成25年度に策定しています。本計画は,施設の安全確保を最優先に,遊具のほかに更新費用が高額となる建築物,土木構造物といった施設を対象としており,総数は4,193施設です。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 次に,その中で第一次計画を先に実施されたと思いますが,その対象の数,評価についてお聞かせください。
○議長(高橋三義) 大沢土木部長。
〔大沢藤雄土木部長 登壇〕
◎土木部長(大沢藤雄) 本市の公園施設長寿命化計画の第一次計画は,特に緊急の改築を要する遊具108施設を対象とした更新計画であり,事業については計画どおり平成27年度末をもって完了しています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 平成27年末で全て完了ということですが,次に,第二次計画は平成28年度から実行されると思いますが,今後の整備の見通しについてお聞かせください。
○議長(高橋三義) 大沢土木部長。
〔大沢藤雄土木部長 登壇〕
◎土木部長(大沢藤雄) 今後の公園施設長寿命化計画の第二次計画は,第一次計画の実施状況を踏まえ,中長期的な視点で平成37年度までの10カ年の計画としており,1,467施設の更新を予定しています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 では,次に移ります。
今後の計画について土木部長から答弁していただきましたが,議論しなくてはならないのは情報発信のあり方だと思います。今回いただいた声も,この公園の遊具はいつ更新されるのか全くわからないということで不安を持たれている地域の方からの声でした。国の指針の中にも地域住民等に対して情報発信するアカウンタビリティ確保の観点が必要であるとの記載があります。しかし,先ほど部長からお話があった第一次計画,第二次計画は公表されていないと思うのですが,こういったものの公表,また市全体でこれだけ多くの公園があってお金がかかるので,順番に計画的にやっているという取り組みも市民の皆さんに理解していただく必要があると思うのですが,その点についていかがお考えでしょうか。
○議長(高橋三義) 大沢土木部長。
〔大沢藤雄土木部長 登壇〕
◎土木部長(大沢藤雄) 市民の皆様への公園施設長寿命化計画の情報発信については,その概要やスケジュールを速やかに市のホームページに公表するとともに,夏に開催予定の新潟市緑化審議会での御意見を踏まえながら市民の皆様にわかりやすい情報を随時発信していきます。今後も引き続き,子育て世代を初め,誰もが安全で安心して利用できる公園づくりに努めていきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 今ほどの土木部長の答弁によって大変安心しました。地域の方にも,こういう計画があることをこれからしっかり伝えていければなと思っています。
最後に,クルーズ船誘客の促進についてお伺いします。
先月,新潟東港に大型クルーズ船,コスタ・ビクトリアが入港しました。新潟西港は,設備の関係で5万トンクラスまでの客船しか入港できません。近年クルーズ船の大型化に伴い,新潟港でも東港を整備し,今年度から14万トンクラスまで入港できるようになり,将来的には17万トンクラスまで入港できるよう整備する計画とのことです。人口減少が進んだ際に交流人口増加は大変有効なものです。
国のある試算によりますと,人口1人が減少した際,8人の外国人旅行者の増加で地域内需要の減少を補うことができるというデータも出ています。昨年6月に国は観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015を策定し,2020年に訪日外国人旅行者数2,000万人を目指すという目標数値も設定しました。2014年には1,341万人を記録していますので,この数字の目標達成も少し見えてきたのかなというところだと思います。
今月初めに民主にいがたの会派視察で福岡に行ってきましたが,クルーズ船が1日2隻寄港するケースもよくあるとのことです。こうしたクルーズ船誘客の動きを調べていく上で新潟にはニーズの把握の必要性と受け入れのための連携について改善が必要であることが見えてきましたので,まず現状を把握した上で今後強化すべき点について議論していきたいと思います。
まず,現状について確認させてください。
クルーズ船の誘客促進の受け入れの意義についてどのようにお考えでしょうか。
○議長(高橋三義) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕
◎都市政策部長(大勝孝雄) アジアにおけるクルーズ市場は,中国を中心に大きく拡大する予測が出ており,各船会社も大型客船のアジア配船を計画するほか,国は訪日クルーズ旅客を2015年の112万人から2020年には500万人まで引き上げる計画を示しています。日本海側の拠点を担う本市として,新潟港の拠点性向上は不可欠な要素であり,2020年の東京五輪を控え,訪日観光が注目される中,積極的にみなとまち新潟の魅力を内外に発信していく必要があり,クルーズ需要を取り込むことは2019年に開港150周年を迎える本市にとって,新潟港のさらなる振興や交流人口の拡大,地域経済の活性化を図る上で重要な取り組みであると考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 非常に重要な取り組みということを理解させていただきました。
続いて,受け入れ数,国別実績についてお聞かせください。
○議長(高橋三義) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕
◎都市政策部長(大勝孝雄) 昨年寄港したクルーズ客船は,日本船籍が5回,バハマ船籍が2回となっています。これに伴う乗船客の国別実績は,日本人が約1,300人,米英人を中心に約400人となっています,本年は,日本船籍,バハマ船籍,イタリア船籍それぞれ1回のクルーズ客船が寄港しており,これに伴う乗船客の国別実績は,日本人約900人,韓国人約2,000人,米英人を中心に約200人となっています。なお,本年はさらに日本船籍4回のクルーズ客船の寄港が予定されています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 次に,そういったクルーズ船寄港することでどういった経済効果があるか,今回コスタ・ビクトリアという非常に大きな船も寄港したので,そういった例を交えながらお聞かせください。
○議長(高橋三義) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕
◎都市政策部長(大勝孝雄) 経済効果ですが,一般的には乗船客のツアー参加や買い物に伴う観光消費,クルーズ客船の入港料,食料品や飲料水の購入に係る船の費用などが直接効果となります。本年4月13日の飛鳥Ⅱの寄港においては,乗船客のツアー参加に伴う観光消費として1人当たりでは1万円を超えるとのデータが得られています。
なお,今回のコスタ・ビクトリアの寄港についての経済効果については現在取りまとめ中ですが,乗船客約2,000人のうち約1,100人がオプショナルツアーで市内等を観光したほか,本市が手配したシャトルバスを利用して想定を超える約500人が万代シテイ及び古町へ向かうなど,町なかの誘客や消費に一定の効果があったものと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 今ほどクルーズ船が来ることで非常に大きな経済効果が期待できることが確認できたと思いますので,次に他の港湾との比較を通じてどうしたらもっとクルーズ船が寄港してもらえるか,どういった点を強化すべきか,この点について議論していきたいと思います。
まず,アとして,寄港増加要因についての見解です。
ことし初めに,国土交通省から2015年度のクルーズ船の寄港回数等の速報値について発表がありました。1位は昨年の横浜市を抜き,福岡市の博多港という結果になりました。回数は259回。その下に長崎港,横浜港がそれぞれ131回,125回と続いています。2014年度のデータを見てみますと,我が新潟港は5回でちなみに38位という結果でした。
また,増加のペースはどうでしょうか。博多港の2013年の寄港回数は35回ですから,2年で約7倍もふやしたことになります。一方,我が新潟港は2013年は5回。2015年も見込みで8ですので,微増です。こういった違いは何に起因するとお考えでしょうか,見解をお伺いします。
○議長(高橋三義) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕
◎都市政策部長(大勝孝雄) 昨年,クルーズ客船により入国した外国人旅客者は,前年比2.7倍の約111万6,000人であり,その80%が中国からの訪日旅客数となっています。これに伴って寄港回数は過去最高の1,454回となりました。特に九州,沖縄を中心に寄港数が伸びており,その理由としては中国におけるクルーズ客船の需要の特性から,地理的に行程が組みやすい博多港など九州地域への集中的な寄港が生じているものと捉えています,
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 次に移ります。
確かに地理的要因が非常に大きいことは間違いないと思います。しかし,そこだけに原因を求めても始まりませんので,ではどうしたらいいのかということを考えなくてはいけないと思うのですが,お客様,特にクルーズ船の場合,その船社が何を考えているか,このニーズ把握が必要ではないでしょうか。現在,どのようにニーズ把握を行っており,また現状どういったニーズがあると把握されているのでしょうか,お聞かせください。
○議長(高橋三義) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕
◎都市政策部長(大勝孝雄) ニーズ把握はクルーズ客船誘致において非常に重要なことと認識しており,新潟県と連携して国内の船会社,海外の船会社の代理店,船舶代理店へセールスを行うとともに,船会社などのニーズを含めた情報収集を行っています。また,全国クルーズ活性化会議や全国クルーズ客船誘致連絡会など自治体や港湾関係者で構成する全国組織に加入し,クルーズ客船の動向について情報収集に努めているほか,海外のクルーズコンベンションに新潟港の情報を冊子に掲載して提供しています。これまでのセールスでは,特に外国船会社において景勝地などの観光以外にその土地ならではの独自性を持った食文化や体験型観光への期待があると聞いています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 ニーズ把握は非常に重要ということは部長も認識されていると思うのですが,今ほど県との連携で展示会等に新潟港の冊子を置いているという話がありましたが,実際に展示会,商談会,海外,特にアメリカで行うケースがあると思うのですが,そういったところに新潟市もしくは新潟県としては職員は派遣されているのでしょうか。
○議長(高橋三義) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕
◎都市政策部長(大勝孝雄) 大きな船会社があるアメリカのマイアミ等への派遣は,今のところ県も市もありません。しかしながら,日本国内に代理店等がありますし,また国内のクルーズ船に関する専門の方々にいろいろお話を聞きながら,いかにそのニーズに対し地域が持っている魅力,ニーズに応えた商品情報を提供し,アピールしていくか,それが非常に重要だとの指摘をいただいています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 県も市も職員の派遣はしていないという話でしたが,博多,横浜は職員が直接現地に行っていると。この温度感は結果にも出てきていると思いますので,ぜひ来年度以降職員の派遣も積極的に検討していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
○議長(高橋三義) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕
◎都市政策部長(大勝孝雄) 今ほど議員からいただいた御意見も踏まえ,今後の検討課題として内部で議論していきたいと思います。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 次に,連携の必要性についてお伺いします。
先ほども県との連携という話がありましたが,クルーズ船の誘客で難しいのは多くの関係機関がかかわり,事を進めないとなかなか成果が上がらないという点です。港湾管理者は当然新潟県です。しかし,下船した観光客は,大型バスに乗り,近隣市町村をめぐることになります。また,新潟港発着のものだけではありませんので,他の寄港地との関係もあります。このように県さえも超え,連携する必要がクルーズ船誘客にはあります。その難しさの一方,先ほど御答弁いただいたように,経済効果の大きさは皆さん御承知のとおりです。そこで,連携の必要性,また実際どういった連携を今現在行われているのか,お聞かせください。
○議長(高橋三義) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕
◎都市政策部長(大勝孝雄) 新潟港へのクルーズ船誘客誘致及び受け入れについては,議員も言われたとおり,広域的,また地域内の連携が必要であると認識しています。昨年11月には本市が事務局となり,まずはそのクルーズ客船に関する情報と課題を共有し,連携して対策を協議,実施することを目的に新潟港クルーズ客船受入協議会を設立しました。当協議会には,港湾管理者である新潟県を初め,県内自治体のほか,地元商工団体や観光,運輸,金融など官民合わせて72の団体や企業が加盟しています。また,日本海側で複数の港が連携して船会社へ寄港をアピールし,実績に結びつけている事例もあることから,私どもとしても先行している福岡市を初め,今後誘致に取り組む東北,日本海側の自治体との連携を視野に情報収集や調整に当たっています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 今ほど県を超えて連携していくということと,県等と受け入れ協議会をつくられたとのお話もありましたが,例えば地元商業との連携の観点から考えてみますと,宮崎県の日南市では港での合同物産展,飲食屋台,また観光地の飲食店,土産店で使えるクーポン券つき周遊マップといった販売も行っているということで,市と商業関係者が一緒になって誘致を行っているということですが,こういったことについても検討するべきだと思いますが,いかがでしょうか。
○議長(高橋三義) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕
◎都市政策部長(大勝孝雄) このたび寄港しましたコスタ・ビクトリアに合わせて,実は新潟市においても先ほどの協議会の中で商工団体の方々ともいろいろ相談させていただきました。その中で,万代シテイについては,ハングルによるお店の集会マップ等を配布したり,また古町については新潟商業高校の学生がまち歩きガイドとして観光客にいろいろ新潟のいいところをお見せしたという市民レベルの取り組みを行いました。こういうさまざまな商業団体,市民レベルの取り組みは,本当に新潟の魅力をアピールする上でも今回大変好評いただいていますので,引き続き協議会の中で多くの団体とどのような取り組み,協力ができるのか,検討していきたいと思います。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 今ほどの御答弁で,市民レベルの取り組みが大事ではないかというお話もありました。
最後に,今後の市長のリーダーシップですが,県も最近は非常に前向きな姿勢になってきているようですが,政令指定都市として,これだけ恵まれた条件を持つ交流創造都市をビジョンに掲げている都市として,ぜひここは市長に音頭をとっていただき,今まで以上にリーダーシップを発揮していただきたいと思います。確かに港湾の管理者は新潟県です。ハードの整備は県かもしれませんが,ソフトについては今ほど受け入れ協議会等々お話があったように,今後も市が積極的にかかわるべきだと考えます。
博多港は港湾管理も福岡市,そして福岡市がまちづくり,観光と一体となってクルーズ船の誘客を行っています。
新潟港はどうでしょうか。今,受け入れ協議会で県と連携している話もありましたが,どうも私には県と市が二重行政ならぬ譲り合い行政をしているのではないかなと,そんな印象も持ちます。ぜひここはそういったところを脱却していただきたい。
また,宮崎県の日南市は市長みずから中国の船社を訪れてトップセールスを行い,成果を上げていますので,そういったトップセールスも含めて市長の今後の決意をぜひお聞かせください。
◎市長(篠田昭) 県と市の関係ですが,港湾などは県と市で力を合わせて役割をさらに大きく果たしたいと思っているのですが,残念ながら新潟州構想などには拠点性のテーマは,ほかの地域との関係もあるということで取り上げられない状況です。新潟県には,今後拠点性,活性化の追求について,より明確な方向を打ち出していただきたいと思っています。
そういう中で,コスタ・ビクトリアの初寄港については,東港の岸壁を客船対応に直していただいた効果が早速あらわれたと思っています。また,さらに超大型クルーズ船を入れられるように今後実施いただけるようなので,港湾管理者としての県の取り組みは評価できると思っています。ただ,残念なのは東港よりは西港に来ていただくと,新潟という町に来たという実感があると思いますが,東港の場合は一体どこに来てしまったのだとなりがちなので,一刻も早くバスにお乗りいただき,オプショナルツアーをお楽しみいただく。今回コスタ・ビクトリアでは,シャトルバスを利用される方が予測以上に多かったということもありました。これも理由などをしっかり調査して,より今後に生かしていきたいと思っています。
また,他県の港湾などとの連携については,県よりも市のほうがやりやすいと思っています。幸い私ども福岡市とは非常に良好な関係にあり,この3月だったでしょうか,福岡市長から新潟市のまちづくりを視察に来ていただいたと。そのときも港湾あるいは商工の関係職員が一緒にいましたので,新潟港と博多港の連携をより踏み込んでやっていただきたいと直接お願いしました。博多港については,これまで境港,舞鶴,敦賀,金沢,博多を入れた5港で連携する協議会のようなものをつくっていますが,そこにさらに伏木,新潟,酒田,秋田あたりまで延ばしていただきたいということを今後も意見交換していきたいと思っています。やはりネットワークをつくらないとなかなかクルーズ船運行が窮屈になりますので,ウラジオストクなども含めて新潟市が培っているネットワークを今後最大限生かすように取り組んでいきたいと思っています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 今ほど市長から非常に積極的な,また前向きな御発言をいただきましたので,市長に今後も音頭をとっていただきたいなと思いつつ,市長は6月2日の会見で県と市との関係は他県よりも薄いところは否めないとの発言もされているようですので,そこは新潟市長が音頭をとっていただいて,県との関係も良好になる,また拠点性も求めるということで,新潟市にとっても大変大きな話だと思いますので,ぜひ積極的に進めていただきたいということを申し上げまして,終わらせていただきます。(拍手)