平成29年9月定例議会 議事録

小柳聡 民主にいがたの小柳聡です。通告に従い,一問一答形式で順次,質問させていただきます。
郷土の星,小柳改め豊山関が4勝7敗という崖っ縁の状況です。ぜひ新潟市民の皆様の熱い声援で,何としても勝ち越していただくことを祈念しまして,また私はこの一番にしっかり取り組んでいきたいと考えています。
今回のテーマは,行政のあり方の変化についてです。人口減少による税収の減少が予測されていますが,減少する税収とあわせ予算を削減し,町を縮小させるだけでは,この地域に未来はありません。しっかりと税収を確保し,市民が希望を持てるまちづくりを行わなければなりません。また,税収が減る一方,社会保障など市民サービスに必要な額は大きくなるばかりで,官だけで公共を担うのは限界を迎えています。そこで,官と民の役割も見直していかなければなりません。行政任せでまちづくりがうまくいった時代は終わったのです。
これからの行政の役割を考える上で,私は次の3つの考え方が必要だと思います。1つ,支出削減だけでなく,収入増も考えること。2つ,営業などスピード感が必要なものは民間に任せること。3つ,国と基礎自治体の関係を見直し,補完性の原則の徹底による自治体本位のまちづくりを行うこと。
午前中の伊藤健太郎議員の質問にもありましたが,私も民間事業者の皆さんが活発に活動できるよう支えていくことが私も行政の大事な役割だと考えています。こういった考え方に立った上で,本日は地方自治のあり方,具体的な例として空港運営,キッズウィークなどを題材として考えていきたいと思います。
初めに1,今後の地方自治のあり方についてです。
今,憲法改正に対して関心が高まっています。改正か護憲かという議論には私は反対です。改正への議論をタブーとせず,具体的なテーマの中で,実情に合わせ改正が必要なことについては議論を進めるべきというのが私の立場です。
そんな中,地方自治のあり方について憲法の中でしっかりと明記すべきとの議論が,国会の憲法審査会を中心に巻き起こっています。現憲法では,地方自治については4条文しかありません。住民自治,団体自治についても規定がなく,今の憲法のままでは不十分だとの指摘もあります。
また,特別自治市など,多様な都市制度についても考える必要があります。特別自治市とは,道府県と政令市との2層制の自治構造を廃止し,大都市が,現行制度で国や道府県の事務とされているものも含め,地方が行うべき事務の全てを一元的に行う新たな大都市制度のことで,横浜市を初めとする他の政令市が国に実現を求めている制度です。背景には,道府県から政令市へ権限,仕事は移譲されている一方,その仕事をする上での財政的な裏づけがなく,政令市が自分たちの予算で,つまり持ち出しで対応せざるを得ないこと,道府県との調整に手間がかかり,大都市がスピード感を持ったまちづくりができないことなどが挙げられます。本市を例にしてみれば,新潟市民が新潟県に県民税を払わず,その分を新潟市に市民税として納め,現在,県が行っている事務を新潟市が行うというのが特別自治市の考え方です。
この間,他の政令市が特別自治市を求めてきた一方,本市は特別自治市ではない第3の道を行くということで,新潟州構想を目指すと表明されていましたが,現在では事実上,新潟県・新潟市調整会議の仕組みを活用した二重行政の解消に一本化されました。あれからしばらく経過し,状況も変化しています。
以上を踏まえ,お伺いします。(1)として,地方自治の充実のため憲法改正が必要との動きについて,市長はどのように評価し,今後対応されるお考えでしょうか。また,他の政令市が求めている特別自治市について,どのようにお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 小柳聡議員の御質問にお答えします。
憲法改正により地方自治の多様なあり方の規定を求める各政党の動きについてです。
地方自治については,住民みずからが地域の課題解決を図る住民自治とともに,地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう,国からの権限や財源の移譲を進め,国の関与を最小限にする団体自治を確立することが必要と考えています。
国会において,衆参両院に憲法審査会が置かれ,現在,衆議院憲法審査会において,地方自治を含め,討議が行われていると承知しています。憲法改正の発議権を有する国会において,与野党で丁寧な議論が積み重ねられることを期待しています。
次に,特別自治市への考え方についてです。
特別自治市制度とは,現在,道府県が行っている事務も含めて,地方の事務とされているもの全てを一元的に担い,国と特別自治市だけで地方自治を完結しようという制度です。
基本的に,大きな力のある大都市における特別自治市制度を否定するものではありません。一方,地域それぞれにおいて課題や特性があることから,私はこれに対応し,多様な大都市制度を選択できることが理想と考え,平成23年に指定都市市長会の会長に立候補し,問題提起をしました。これが現在の指定都市市長会の多様な大都市制度の早期実現という提案につながっていると考えています。
なお,三大都市圏以外の地方都市では,本市を含め,県庁所在都市である政令市が県から抜けると,県が成り立たないのではないかという懸念もあるため,本市は特別自治市を目指さず,広域自治体である県や県内市町村と連携していくことが重要であると考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 憲法改正のところでは,あくまで国政の問題ということで,丁寧な議論を期待されるという御答弁でしたが,思い返せば,何年か前の衆議院選挙の際に,地域政党である大阪維新の会が,地域の課題を,なかなか地域だけではできないので,国政でしっかり課題にしてくれということで国政へ進出したと。結果的に地方自治法の改正,総合区という制度ができ上がったということが1つありました。
今回,夏の東京都議選で都民ファーストの会が大勝したわけですが,今,衆議院の総選挙の足音も近くまで聞こえてきているという話もあります。そういう中で,都民ファーストの会の流れが国政に影響を与えれば,新たな地方自治制度の創設になるような地域主権改革が進むということも期待されるのではないでしょうか。
市長から,多様な大都市制度を求めていくという話もありましたが,こういった今の流れについてはどのようにお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 我々首長,市町村長の中では,やはり地方の課題に一番精通しているのは地方の市町村長であると,その市町村長の意見がもっと国政にしっかり反映されるべきだというような主張をなさる方も数多くいらっしゃり,今の国会議員や,国会議員経験者の政令指定都市の市長の中でも,国会議員時代は地方のことをわかっていなかったというようなことをおっしゃる人もいるので,首長のさまざまな課題や悩みなどをしっかりと捉えて国政の場に反映させていくという,地域から生まれる政党の役割は一定あると思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今,市長から,地域のこと,地方のことをしっかり国政に伝えていくことが非常に重要だという御答弁がありました。こういった点についてもは,後でキッズウィークを題材にして触れたいと思います。
次に2,新潟空港の民間委託(コンセッション方式)の導入についてです。
この分野については,行政のあり方の変化に伴って,非常に飛躍が期待できる分野ではないかと考えています。
まず(1),新潟空港の現状,課題についての認識についてです。
新潟空港の利用者は,2002年の126万人をピークに減少し,近年は100万人を少し割ったあたりで推移し,利用者数は伸び悩んでいます。一方,ソウル便の増便,台北便の就航等に加えて,国の訪日誘客支援空港の認定を受けたことで,今後の利用者増も期待できます。
そんな中,アクセス改善,新幹線等の乗り入れを求める声に応じ,知事が新潟空港アクセス改善協議会を立ち上げ,近年になく新潟空港に注目が集まっています。県議会でも空港アクセスについて議論が進んでいますが,新潟空港の問題は,立地基礎自治体である本市のまちづくりとは切っても切り離せません。そういった観点から,本市として新潟空港の現状,課題についてどのように認識されているのかお答えください。

○副議長(阿部松雄) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕

◎都市政策部長(大勝孝雄) 新潟空港は,この10年間で利用者数が約2割減少し,特に国際線は,平成19年度の約22万人から平成28年度は約11万人と,半分に減少しました。また,路線数も最盛期に比べ減っており,新潟空港の拠点性や地域経済にとって厳しい状況が続いています。
そのような中,新潟空港はことし7月に国から訪日誘客支援空港の認定を受け,今後,最大3年間,国際線の着陸料の2分の1以上の減免を初め,税関や入国管理施設,待合スペースなど空港施設の整備にも国の補助が得られるようになりました。
これを好機と捉え,2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたインバウンド需要の強化について,官民一体となって利用活性化に取り組み,認定効果を最大限に引き出す必要があると認識しています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 これから官民一体となって取り組んでいくというのは非常に前向きで,私も同意するところですが,一方で,危機感も同時に持たなくてはいけないと考えています。
国に拠点空港というのが幾つかありまして,前年度のデータが出ています。その中で,訪日外国人がふえたということで,国際線の利用者は前年度比110%にふえたというデータが出ているのですが,新潟空港の国際線の利用者は,ほかの空港が110%に対して89%ということで,約20%近い差が出ていると。要は,国全体の動きと新潟空港では違う状況にある,非常に危機的な状況にあると私は思っています。
例えば,お隣の富山空港の国際線の利用者は10万人です。新潟空港は11万人と。後背人口を考えても,かなりの危機感を持って対応しなくてはいけないと思いますが,そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕

◎都市政策部長(大勝孝雄) 議員から御指摘がありましたように,新潟空港の,特に国際便については伸び悩んでいる状況が大きな問題になっています。
現在,地方空港においても,国際線分野で伸びている空港もあります。その中身を見ますと,一番多く伸びている原因は,東南アジア,中国からのインバウンド需要の取り込みをしっかり進めているというところで,先方から需要があるところについては,例えば富士山を背後に控える静岡空港とか,先ほど出ました立山といった,観光ポイントを持つ富山空港など,そういうところを売りにして伸びている空港があると分析しています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 部長もかなり危機感を持たれていることがよくわかりました。
東アジア,東南アジア,香港便といった便については,今はどの地方空港も持っていて,そこがかなり国際線の利用者数を伸ばしているという実態があります。
新潟空港は,今までオンリーワン路線,ハルビンとかウラジオストク,ハバロフスクといったところで国際線の利用者が一定程度いたわけですが,今はオンリーワン路線ではなくなっているということで,国の全体の流れに合わせてやっていく必要があるのではないかということを申し上げまして,次に移らせていただきます。
(2),新潟空港のあるべき姿についてです。
今,御答弁いただいたように,課題はある一方,北東アジアの拠点都市として,また近年増加しているインバウンド需要を通じての新潟空港を活用したまちづくりは大いなる可能性があると考えています。本市が進める,整備・修理・重整備事業などを集積させ,新潟を航空機整備の拠点の町にするという,いわゆるMRO事業もその一つです。
空港の問題は広域的な課題であることは間違いありませんが,やはり立地自治体である本市が一番の当事者です。本市のまちづくり,成長にとって,空港をどう生かしていくかは大きな課題です。今,議論になっているアクセス改善はあくまでも空港活性化のための一つの手段であり,やはり考えるべきは,空港のあるべき姿についてしっかり議論を行って合意形成をすることがまず先ではないでしょうか。
立地自治体として,新潟空港の今後のあり方,新潟空港を生かしたまちづくりについてどのようにお考えかお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕

◎都市政策部長(大勝孝雄) 新潟空港は地方空港でありながら,早くからハバロフスクやソウルなど対岸諸国との独自航空路線が開設され,人的・物的交流の拠点として一定の役割を果たしてきました。しかし,議員からもお話がありましたように,航空自由化の波や社会情勢の変化などもあり,国際線の利用者数が減少しており,さらなる活性化に向けた努力が必要となっています。
訪日外国人旅行者を2020年までに4,000万人とする国の目標に対し,新潟空港もインバウンド需要を着実に取り込み,地域経済の活性化に生かすことが重要と考えます。さらに,空港利用者以外の需要にも着目し,例えば空港周辺地域を活用した新たな産業の誘致や雇用の創出を図るなど,ストック効果を発揮させることも重要と考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 次に(3),新潟空港の民間委託(コンセッション方式)導入への見解についてです。
これは,午前中に伊藤健太郎議員も質問されましたので,民間委託についての詳細は省かせていただきます。
ただ,考えなくてはいけないことは,今の御答弁にもあったように,空港を活性化させるためには航空路線の新規就航,増便が欠かせないと。では,そのための手法として何がいいのかというのが求められています。
よく例に出される仙台空港ですが,現在316万人の利用者を,2020年度には410万人にするということで民間の事業者から提案があって,それが採用されたという結果があります。また,非航空部門のターミナルビルは比較的収益の上がる施設と言われていますが,この商業エリアを3倍にすると。要はもうけられる,稼げる施設にするということもあわせて提案されています。
こういう民営化の流れですが,国では原則民営化という方針を出しています。その中で,羽田,成田,関西,中部といった大規模空港を除いた国管理の16空港のうち13空港で,もう検討している,実際に公募している,もしくは勉強会を具体的に立ち上げて導入に向けて進んでいるという状況です。全く動きがないのは,実は新潟,高知,松山の3空港だけです。
こういったことも踏まえまして,やはり私は民営化を進めるべきと考えますが,いかがでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕

◎都市政策部長(大勝孝雄) 空港の民営化は,民間の発想によるサービス向上や運営改善が期待され,空港の利用拡大を図る中で大きな効果があると考えられます。しかしながら,国の公表値によると,新潟空港の収支は13億円を超える赤字となっており,公的支援がなければ,民営化しても経営を成り立たせることは難しい状況にあります。
先ほどの伊藤健太郎議員の質問にも答えましたが,新潟空港においては,県,市,経済団体などで構成される新潟空港整備推進協議会が,空港の民営化について今年度から勉強会を設置し,他空港の先行事例を踏まえながら,今後さらに研究や検討を行うこととしています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 新潟空港は黒字が出ている空港ではないということで,公的支援がないと難しいのではないかという御指摘ですが,県の新潟空港の路線ネットワーク戦略2017の中間報告でもそのような記載があります。
しかし,現実にはそうではなくて,例えば富士山静岡空港は利用者数でいうと70万人,新潟空港より約30万人少ないと。羽田便がないので,なかなか収益が上がらない空港の一つです。経常損益が大体17億円のマイナスというところですが,現在,公募を実施しています。1次審査が終わりましたが,2事業体が手を挙げたということです。行政が考えている状況ではなくて,民間の皆さんというのは,空港事業だけではなくて,民間の皆さんの事業全体の中で収益が上がるかどうか,また,今の時点ではなくて,これから5年,10年先を見据えた上で収益が上がるかどうかということで判断して手を挙げているわけです。
なかなか手を挙げるところはないのではないかと行政のほうで勝手に判断することが,空港の発展を阻害してしまうと。民間が主役ですと先ほど申し上げましたが,それを阻害してしまう可能性もあると思うのですが,そのあたりはいかがでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕

◎都市政策部長(大勝孝雄) 言われるように,収支だけの問題だけで,行政の考え方で捉えるという考え方は私どもありますが,民間は目の前の収益の問題ではなくて,10年,20年先の投資計画を立てた中で,全体として事業が成り立つものであれば,そこにしっかり投資していくという考え方を持たれているようです。我々も,今,全国で進められていますコンセッション方式への取り組み状況や検討状況をしっかりと分析し,新潟空港においての可能性について分析していきたいと思います。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 しっかり分析するという話ですが,ゆっくり分析していては機を逃してしまう話です。今,13空港でやっているということは,事業体でやっていますが,日本の中で空港を運営できる事業体はそんなに多くないと思います。今の波が去ってしまうと,恐らく様子見ということも考えられますので,迅速に対応していかなくてはならない,研究していかなければいけない,結論を出さなければいけない分野になります。
先ほど,新潟空港整備促進協議会で4月に勉強会を設置したという御答弁がありました。スピード感が求められる分野ですので,この勉強会,今4カ月たっていますが,その間どういう議論があったのか。そして,今後のスケジュール感,いつごろまでに,結論ではないですが,ある程度の方向性を出すということで進めているのか,そのあたりの見通しもお答えください。

○副議長(阿部松雄) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕

◎都市政策部長(大勝孝雄) 新潟空港の民営化に関する勉強会の今現在のスケジュール感及び検討内容ですが,今年度に入りまして,4月にまず第1回目の勉強会を立ち上げ,行っています。
現在の作業状況ですが,現在は主に,次回の開催に向けて他空港の事例の情報収集と,そこにおけるさまざまな課題,メリット等の分析という形で,事務局の県が中心となって検討を進めています。我々も実務レベルとして,その調整作業の中で情報共有を図りながら,早期に第2回が開催できるように進めていきたいと思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 早期の次回開催に向けて本市としても動いていきたいという前向きな御答弁をいただきましたが,やはり6カ月たってまだ情報収集しているというのは民間では考えられないスピード感ではないかと思いますので,ここは本市としてもぜひ積極的に情報提供をしていただき,また,国土交通省に担当のチームがありますので,そこに来ていただければ恐らく,民営化を行っている空港の事例,メリット,デメリットといったものも含めて全て教えていただけますので,ぜひスピード感を持って進めていただきたいと思います。
次に(4),空港拠点化のため,今後本市が担う役割についてです。
新潟県・新潟市調整会議では,港湾の拠点化については県と市で協力していく旨確認されています。第1回の新潟県・新潟市調整会議の後の記者発表でも市長から,県と市が一体となってうまく進められていると,それによってまた国が協力してくれているというような趣旨の発言がありました。
一方,空港の拠点化については新潟県・新潟市調整会議では議論されていません。空港の利用促進については新潟空港整備促進協議会で議論することになっており,本市もその一員ですが,その中には県内の市町村,関係者,かなりのメンバーがいます。しかし,その中で空港をどうするか,今後のあり方について実質的に議論された様子はなかなか見受けることができません。
新潟空港の拠点化は,新潟のまちづくりにとっても非常に重要な点です。立地自治体である本市には,まちづくりの観点から新潟空港のあるべき姿について発信していくという主導的な役割が求められるのではないかと考えますが,いかがでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 大勝都市政策部長。
〔大勝孝雄都市政策部長 登壇〕

◎都市政策部長(大勝孝雄) 新潟空港は,本市が進める防災・救援首都など,拠点性を高める社会基盤の一つになり得るものと認識しており,首都直下型地震などの際のリダンダンシー機能を発揮するためにも,引き続き機能強化が必要と思っていますが,その中でも国管理ということで,国や県に対し,しっかり機能強化を働きかけていきたいと思っています。
また,空港利用者をふやすため,県や関係機関と連携しながら,市としてもさまざまな取り組みを行うことで路線の新規就航,増便に結びつけていくなど,拠点化の向上に努めていきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今,新潟空港アクセス改善協議会が県主導で開催されて,年内に方向性が示されるということですが,そこで終わりではなくて,そもそも空港がどうあるべきなのか,そして利用促進についてどうあるべきなのかといった点で,ぜひ市長にもリーダーシップを発揮していただきたいということを申し上げまして,次のテーマに移ります。
3,県外出身学生に対する新潟市内の企業への就職支援についてです。
これからする質問は,大学の夏休みの間,私のところにインターンシップとして参加してくれている学生からのアイデアをもとに作成した質問です。彼は新潟県外の出身で,大学進学を機に本市に来てくれました。彼が感じる県外学生への対応,思うところについて,ぜひお聞きいただければと思います。きっかけは,新潟は県外学生に優しくないという話を聞いたことからでした。
(1),県外出身学生の卒業後の県外流出についての認識についてお伺いします。
現在,新潟市内の大学にも数多くの県外出身の学生がいますが,彼らの就職状況を見ると,県外へ就職する割合が高くなっています。新潟県内の大学生の約4割を占める新潟大学の例を見てみますと,平成26年度は903人の県外出身の学生のうち,県内に就職した学生は156人,割合にして17.2%,平成27年度には877人の学生のうち140人で15.9%と,せっかく進学を機に県外から新潟に来てくれた学生が,新潟に就職せず県外へ就職,つまりは流出していることがわかります。こういった状況について,どのように認識されていますでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 渡辺経済部長。
〔渡辺東一経済部長 登壇〕

◎経済部長(渡辺東一) 議員御指摘のとおり,県外出身者の市内就職の割合は非常に低くなっていまして,平成28年度の新潟大学の就職状況においても,県外出身者のうち県内に就職した割合は16.7%となっています。
このため本市では,市内の学生向けに地元就職を促進するため,本市,ハローワーク新潟,新潟商工会議所及び約350社の民間企業で構成する新潟市雇用促進協議会による合同企業説明会や,県との共催による保護者のための就職応援講座を開催しています。
また,企業ガイドブックにいがたを発行し,地元企業の採用情報を伝えるとともに,新潟市学生就活相談デスクを設置し,地元就職に関するあらゆる相談に対応するほか,地元企業への就労意識の醸成を図るため,市内企業及び地元大学と連携して,企業が提出したテーマを学生が検討するワークショップ形式の1dayトライアルワークを実施しています。
今後も,本市の魅力ある企業を知ってもらう取り組みを強化し,地元就職へつなげていけるよう,国,県など関係機関と連携して取り組んでいきたいと思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 状況を認識して,さまざまな取り組みをされているということは理解しました。しかし,なかなか結果が出ていないということで,次に,私からの提案ということで,大学1・2年生対象のインターンシップを促進してはいかがかということです。
就職に伴う人口流出を食いとめるには,まず,学生に新潟での就職を考えてもらうきっかけをつくることが重要です。この点,仕事内容,職場の雰囲気を知るために,インターンシップが非常に有効です。ある民間会社が行った調査によりますと,第1志望の企業で働きたいと思ったタイミングについて,インターンシップに参加したときと答える学生が最も多かったという結果も出ています。ただ,インターンシップの参加時期は大学3年のときが最も多くなっており,希望のインターンシップ先が首都圏など新潟県外の場合も多くあります。インターンシップは全学年が対象ですが,やはり大学3年生の参加が多く,ある調査によれば,1・2年生の参加は全体の3%程度であったという報告もあります。
大学3年生で企業を選択するときに,首都圏の企業と同じ土俵で新潟の企業を見れば,初任給や業種の豊富さから,新潟の企業にとって不利に働いてしまうことは容易に想像できます。インターンシップを通じて,新潟の企業を大学1・2年生の早い段階から知ることができれば,県外から新潟に来てくれた学生が定住してくれる可能性も高まるわけです。ひいては,人口減少に歯どめをかけることにつながるということも考えられます。そういった意味で,新潟の企業を知り,就職先として考えてもらうには,大学1・2年生対象のインターンシップを積極的に進めるというのも一つではないでしょうか。
また,実施する企業,学生への行政からの支援も必要です。先ほどの御答弁にもありましたが,新潟県ではUターン,Iターンの促進を目的として,首都圏に在住している新潟出身の学生たちに対しては,交通費の支援とか,さまざまなことを行っていますが,新潟県内の大学に通う県外出身の学生に焦点を当てた施策がなかなかないというのも実情です。卒業後も新潟に残ってもらうためにどうするべきかを考えるべきではないでしょうか。
(2)として,大学1・2年生を対象としたインターンシップを促進すべきではないかと考えますが,いかがでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 渡辺経済部長。
〔渡辺東一経済部長 登壇〕

◎経済部長(渡辺東一) 本市では,UIJターン就職を考える,主に首都圏の大学3年生などを対象に,首都圏において本市や市内企業などに関するセミナーを開催するほか,市内企業への短期滞在型インターンシップを行い,市内企業の魅力や本市で働くことのよさを認識し,市内就労への選択肢を広げていただく取り組みを行っています。また,県が実施しているインターンシップ事業においても,本市にある参加企業の募集や周知について,共同で取り組んでいます。
人口流出や早期離職の抑制を図る上で,インターンシップなどを通じて市内企業と学生の接点をふやすことは効果的であると認識しており,議員御指摘の大学1・2年生の時期のインターンシップへの参加について,今後,積極的に呼びかけていくとともに,ワークショップなどを通した企業との接点づくりにも取り組んでいきたいと考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 前向きな御答弁ありがとうございます。この提案については,私のところに来ている学生,大学2年生ですが,こういうことをしたらどうだという若者の提案ですので,ぜひ前向きに捉えていただきたいと思います。
私,何度かインターンシップを行っているのですが,毎回,大学3年生が私のところに来てくれます。なぜか県外出身の学生が多いのですが,皆さん県外にまた戻ってしまうと。地元ではなく東京に行くということもかなり多く,ちょっと悲しい実情もありますので,ぜひ大学1・2年生の早い段階ということに注目して進めていただければと思います。
では,最後の項目4,キッズウィークについてに移ります。
この問題については最初でも少し触れましたが,国と地方自治体の関係を見直して,国の制度に左右されない,自治体本位のまちづくりが必要であるとの観点から,現場の声を聞かずにトップダウンで進めてしまっているのではないかということの具体例として,キッズウィークを議論していきたいと思います。
まず(1),国から本市への要請状況及び制度への評価についてです。
国は本年6月に,経済財政運営と改革の基本方針2017を発表しました。その中には,観光・旅行消費を活性化させるためキッズウィークを設定することが盛り込まれており,2018年度からの導入を目指すとあります。キッズウィークとは,夏休みなど学校の長期休業の一部を別の時期に移し,親にも一緒に休暇をとるよう促すもので,夏休み以外に長期休暇をとることによる大型連休の分散化などを狙った制度です。昔から議論はありましたが,急に来年度からの導入が決まったことに私も大変驚きました。
残念ながら,世間での評判は芳しくありません。インターネット大手のヤフーによる,約17万人を対象としたインターネット調査では,キッズウィークの実施について,賛成と答えている方はわずか2割にとどまっています。そもそもこの制度がわからないというのが多くの方の実感ではないでしょうか。
まだ詳細も見えていない中,国は9月8日に,学校教育法施行令の一部を改正する政令を決定しました。しかし,決定が遅過ぎました。制度開始まであと半年です。学校が授業計画を立てることを考えると,残された時間は三,四カ月しかありません。
そこで,現時点で国からどういった情報が来ており,教育委員会に対して要請があるのか。また,このキッズウィークという制度についてどのように評価されているのかお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 前田教育長。
〔前田秀子教育長 登壇〕

◎教育長(前田秀子) 本年9月13日付で,学校休業日として新たに家庭及び地域における体験的な学習活動その他の学習活動のための休業日を加えるなど,一部を改正した学校教育法施行令が公布され,同日付で文部科学省から,改正の内容や留意事項とともに所管の学校に周知するよう通知がありました。
子供と保護者等がともに体験的な学習活動に参加することを通して,子供の心身の健全な発達を一層促進する環境を醸成するという趣旨は,重要なことと考えています。一方,本市においては,この趣旨を踏まえた取り組みについては,地域と学校パートナーシップ事業,大好きにいがた体験事業などにより,既にかなり実施されていると考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 趣旨は理解できるが,本市としてもある程度,一定の取り組みがあるという御答弁でした。
では次に(2),本市の準備状況についてお伺いしたいと思います。
キッズウィーク導入が決まった直後の報道では,全国を幾つかのブロックに分けて,地域ごとにキッズウィークを設定して連休をつくり,それによる渋滞緩和といったことにより経済活性化につながるのではないかというような話でした。しかし,最近の報道を聞く限り,自治体ごと,学校ごとの対応になるような話にトーンダウンしています。
新潟市内の学校の休みは,休業日として規則に定められており,65日以内とされています。一方,授業時間の確保のため,既に夏休みを短くしている例もあり,キッズウィークを設定するために夏休みを今以上に削り,削った分の休みを別の時期に移すことは,実務上難しいと考えられます。
7月23日の日本経済新聞では,「導入に向けた課題は多い。まず,教育への影響が懸念される。夏休みなどの一部をずらすことになれば,学校は授業や部活動のスケジュールの組み替えを迫られる。8月下旬から授業を再開する場合,暑さで勉強の能率が上がらない心配もあるだろう」と,実施に向けて厳しい指摘をしています。
しかし,スタートまで半年を切っており,何とか円滑なスタートをさせるためには早急な対応が必要です。本市としては,国からの情報をもとに,現時点でどのような準備をしているのでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 前田教育長。
〔前田秀子教育長 登壇〕

◎教育長(前田秀子) ただいま議員のお話のとおり,本市においては,休業日については年間65日を超えない範囲内で,学校によって日数や期間が異なっています。また,授業日数を確保するために夏休みや冬休みの期間を短くする学校が以前から多くなっており,さらには学習指導要領改訂によって,小学校では授業時数や授業日数をふやす必要も生じていることから,ほとんどの学校で,長期休業日を今より削減したりするのは難しいと思っています。
教育委員会としては,通知を受けまして,その周知を各学校に行っていますが,今のところ,それ以上何か準備しているということはありません。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 確認ですが,国の制度の趣旨はよくわかるけれども,本市の学校の実態には合っていないので,新潟市内の学校での導入は難しいという理解でよろしいでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 前田教育長。
〔前田秀子教育長 登壇〕

◎教育長(前田秀子) 各学校によって状況が違いますので,もし混乱なく取り組みをできるところがあればやっていただきたいとは思っていますが,現実として,ほとんどの学校で困難と考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 ほとんどの学校で困難ではないかという御所見もありましたが,いかんせん,国が先導している話ですので,本市としては,国からの情報をもとに粛々と準備することになろうかと思いますが,次に(3),今後の対応について,幾つか考えなくてはいけないことについて伺いたいと思います。
まず,スケジュールについてです。制度開始まで残り半年を切っており,子供たち,保護者の方々,現場の教職員の方々は制度を知らないという方がほとんどかもしれませんが,知っている方は不安を持っているかもしれません。今後の具体的な進め方,スケジュールはどうなっていますでしょうか。
次に,他の部署との連携も考えなくてはなりません。せっかく子供が休みになっても,親が一緒に休めなければ,本来期待していた効果は実現できません。実現のためには,教育委員会だけでなく,官民一体となっての対応が必要です。本市の有休取得率は,平成28年度ではまだ4割に満たないということで,これが飛躍的に上がるようなことがなければ,このキッズウィーク,なかなか期待していた効果は実現できないのではないでしょうか。国から教育委員会への通知の中にも,市長部局との連携,経済団体との連携という記載があったと思いますが,そのあたり,どのように考えていますでしょうか。
また最後に,この問題については,現場の子供たち,教職員の方への混乱がないように丁寧に進めていただきたいと。ここら辺を踏まえまして,今後の対応についてお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 前田教育長。
〔前田秀子教育長 登壇〕

◎教育長(前田秀子) 先ほど,各学校に周知を行ったと申し上げましたが,学校教育法施行令に体験的学習活動等休業日が例示されましたので,今後,本市の新潟市立学校管理運営に関する規則にも体験的学習活動等休業日を例示する予定です。
各学校では,各校の実態や地域の行事,特性に応じて,保護者や地域の方々,同じ中学校区の他校の意向などを踏まえ,この体験的学習活動等休業日を設定するかどうかも含めて検討し,次年度の年間予定を作成することになります。先ほど申し上げましたとおり,長期休業日を今よりも削減するのは困難と考えていますが,子供や教職員が混乱なく実施できる学校については,工夫して取り組んでほしいと考えています。
また,この制度の趣旨の達成には,議員おっしゃるとおり,官民一体となった対応が不可欠ですので,市長部局,経済団体との情報共有,連携も必要と考えています。
本市においては,地域と学校パートナーシップ事業など,この制度の趣旨を踏まえた活動にこれまでも取り組んでいますので,この制度の趣旨を踏まえた取り組みを一層推進していきたいと考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今の御答弁にもあったように,国が当初言っていた話からかなりトーンダウンして,自治体にとっては余りにも急な話ということもあって,なかなか対応が難しいというところも今回の質問で明らかになりました。
国は本年2月にも,経済活性化のためプレミアムフライデーを行いました。今回はキッズウィークと,次々と経済活性化のための施策を展開していますが,地域の実態に合っていないことをトップダウンで自治体に押しつけるために,上滑りが続いているのかなという印象を持つ次第です。
本来であれば,現場を知っている地方自治体から施策を立案し,障害があれば国に規制の緩和を求めるのが国と地方自治体のあるべき姿ではないでしょうか。最初に市長から,国はなかなか実態がわかっていないというような話もありましたが,今回あったキッズウィークのような実例,またプレミアムフライデーの問題なども含めて,国にしっかりと実情を理解した上で施策を実行していただきたいというふうに,指定都市市長会を通じてでも結構ですし,その他の場面でも結構ですが,ぜひ新潟市長から発言をしていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 御指摘のとおり,プレミアムフライデーも,本当に最終の金曜日でいいのかというようなことが,実施してから問題が蒸し返されていると。これは当然予測されていることでしたので,もう少し経済界を含めて,地方との意見交換をしっかりやってから制度を改革していただきたいと思うものが幾つかありますので,そういうものについても指定都市市長会でまとめて国に上げていきたいと思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 市長が一番御理解されていると思いますが,今後もこういった国のトップダウンの施策に左右されることなく,地に足をつけ,新潟の実態に即した施策を展開することこそが,地域の発展につながる唯一の道であるということを申し上げ,私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手)