会派視察で札幌市のAI人材育成について学ぶ

会派視察の1つとして札幌市の経済観光局国際経済戦略室IT・クリエイティブ産業担当課の話を聞きに行ってきました。まず驚いたのが、担当課の名前です。新潟市にはIT推進担当課がありますが、あくまで総務部門(内部的なICTを推進)という位置付けです。札幌の場合は経済部局の中にICT、クリエイティブ産業部門が位置付けられています。聞けば、1980年代から当時の市長がICT推進を全国に先駆けて進めていた名残のようです。当時、札幌市の一角に汎用コンピューターを使える施設をつくり、北海道大学と連携し、起業が進み産業として大きく飛躍したとのことです。ハドソンなどもそういった当時のベンチャーの1つだったようです。

一方、現在はICT環境が他の都市、海外の都市との競争になり、札幌市の優位性がなくなってきているとのことでした。また、ICT人材は多くいるにも関わらず、大学、専門学校卒業を機に毎年2000人程度いる中で1割程度しか札幌で就職しない実情もあるようです。

 

そこで、札幌市ではICT教育に力を入れ、今後不足することが考えられているAI人材育成プログラムに力を入れいます。小学校からのプログラミング教育が来年度からスタートしますが、実際に現場ではどのように取り組めばいいのか混乱が広がっているとの話も聞きます。そういったところに、札幌が有する北海道大学の人材、優れた中小企業が現場に入ることで、可能性が広がってくると担当者の方は話されていました。

また、担当者の方があまりにもこの分野に明るく、民間との人事交流の一環かと質問してみました。しかし、人事交流ではなく、担当者が常に外に出て民間の現場の方と意見交換をしているからではないかとの話でした。この分野に限りませんが、先進的なケースには必ず現場感覚を持った担当者の方がいるようです。

新潟市でもICT人材は多くいますが、下請けのような仕事も多く、よりクリエイティブな仕事を求め東京に出て行ってしまう学生も多くいます。必要なインフラ整備はもちろんのこと、そういった人材が新潟で勝負できるような体制づくりを新潟市としても進めていかなければなりません。新潟市の場合は、産業としてのICT分野への担当部署が十分に整備されていません。そういった部署の設置から始め、産業としてAI分野を捉え動き始める必要を強く感じました。