新潟市議会令和2年9月定例会が閉会〜今こそ必要なこと〜

新潟市議会令和2年9月定例会が閉会しました。今回提案された議案は17議案。

一般会計予算を 約34億円増額補正する(総額約4,866億円)などの各会計予算が賛成多数で承認されました。

ほとんどが国の地方創生臨時交付金を活用しての施策である点は6月定例会と同様ですが、6月とは状況が違い、緊急性のある施策から長期的な影響を見込んでの対策が増えてきました。

例えば市役所のテレワークを進めるための事業に約5億円が計上されています。私は総務常任委員会にて、

「場所を選ばず働くことは、子育て、介護など、職員の多様な生活状況に応じた働き方、暮らし方の実現を意味し、個人の生き方により選択と深みをもたらすものである。

そのための環境整備として、今回「テレワーク環境整備事業」が予算計上されている。既存の仕事のやり方をベースに、テレワークに代替可能な仕事を洗い出すだけでは、効果は限定的であり、真に多様な働き方の実現には至らない。今までの仕事のやり方を大胆に見直すことが必要である。

現在、全部署でテレワーク代替可能な業務についての洗い出しをしていると承知しているが、単なる既存業務のテレワークへの業務代替に留まらず、「職員が直接顔を合わせる価値を見出すべき業務」と「効率性を重視すべき業務」との割り振りなど、業務の抜本的な見直しにつながることを通じて、市職員の仕事の成果が上がり、市民に喜ばれるような改革を望む。

実現まで課題が多くあることも承知しているが、具体的にどういった分野でいつまでにテレワーク対応にするなどの工程表の作成など、実効性を伴った施策になることも望む。」

と意見要望を述べました。前に戻るのではなく、価値観の転換に応じた施策を打ち出すこと、それを通じて新たな価値を創造することがこれからの街づくりにつながると考えます。決して簡単なことではありませんが、経済の緊急措置的な施策と同様に、先を見据えた施策についてもしっかりと提案していきたいと思います。

また、今後数年間に及ぶであろう経済への影響について、いくつかの数値を指標としながら、施策が有効に機能しているかどうかについてモニタリングする体制も必要です。

一方で、改革をより一層進めることも、今後の税収減を見越せば当然必要です。公共施設の再編、区のあり方などの聖域に踏み込む覚悟も、そう遠くない将来に必要とされると私は思います。

区のあり方、再編に取り組む前提として、地域ごとの街づくり、本庁を通さなければ決まらない現在の体制を変える事、つまりは分権型の街づくりを次のステージに進めることが必要です。自治協議会、コミュニティ協議会など、篠田市政が作った土台が、制度疲労を起こしていない?担い手の集中、高齢化。市民協働の街づくりが新潟市の特徴であったはずですが、この2年間手が付けられてこなった分野でもあります。

言い換えれば、市長がこの分野について明確な方向性を持ち合わせていないがために、新潟市の特徴が失われることにつながりかねません。私は、自治会に加え、民間企業を地域の担い手とすること、地域の街づくりの重要な担い手とすることが必要だと考えます。自主財源の確保と併せ、取り組まなければいけません。

加えて、市民1人あたりの市税収入は政令市20市の中で18番目の低さで、財政力指数も低い数値になっています。国のお金に頼ってばかりいた、今までの陳情型のやり方に限界がきているのかもしれません。市民が豊かな暮らしを実現できるためのしなやかな社会経済体制をつくることが、大きな課題であります。

公共工事に頼っていて、東京に流出している雇用が戻ってくるでしょうか?公共工事の必要性は認めつつ、他の業種でお金が稼げるようにする方向性を示すことが今、求められています。

人口減少は止まりません。若者の流出、それ以上に社会減少(出生数ー死亡数)が進み、東京から地方への分散化の恩恵をただ待つだけでは、到底社会構造上の問題に対処していく事はできません。次の世代にどのような街を残していくのか?

課題は山積しています。しかし、こういった状況だからこそ、しっかりと足下を見つめ、地域の皆さんとコミュニケーションをとることが重要です。市長の任期も間も無く折り返しを迎えるようですが、今やるべきこと、取り組む必要がある項目について、今後はより議会の場を通じて私なりの問題提起していきたいと考えています。