新潟市議会12月定例会が閉会 ひまわりクラブ指定管理について議案取り下げ
12月6日から開会していた12月定例会が12月22日に閉会しました。
物価高騰等に対応する国の補正予算が成立したことを受けて提案された新潟市の補正予算約35億円は可決しました。
一方で、今回は来年度4月からの市の所有施設についての指定管理者についての議案も上程され、審議されました。特に議論があったのが「ひまわりクラブ」についての議案です。結果的に市執行部が議決する段階で取り下げとなりました。
地元中小企業を育成する視点
地元の業者以外が候補者として選定されたことについて、異議をとなえる会派、指定管理制度自体について反対する会派がありました。異議をとなえる会派は、地元の中小企業について加点する対応がされていなかったことを問題視。
私もその点について調べてみました。すると、指定管理者についての指針(ガイドライン)が自治体によって若干違いがあり、近年は地元企業について加点する仕組み、管理実績に基づきインセンティブを与える仕組みなどが導入されていることがわかりました。
新潟市は利用料金性を導入するなど、指定管理の自由度を上げる取り組みを始めていましたが、地元中小企業への加点、管理実績に基づきインセンティブについてはまだ導入されていませんでした。
地元企業育成と子どもの居場所確保のバランス
一方で、他政令市で地元加点についてガイドラインに記載されている横浜市、神戸市について調べてみると、「原則」加点する旨記載があります。対象となるサービスによって地元要件を加えるか否かは、各所管課が判断するということを意味します。
放課後児童クラブに類似する行政サービスについて、横浜市、神戸市ともに地元要件をいれず公募を実施していました。福祉サービス、子育て支援については、地元企業育成という視点ではなく、「子どもの居場所確保」という目的を第一に考えていることがわかります。地元企業育成の視点がなかったことを持って手続きに瑕疵があったとは言えないのではないでしょうか。
手続きに問題はあったのか
今回の事例は、8月に指定管理者について公募が実施されており、その際に募集要項が示され、事業者は募集要項を見た上で応募しています。そしてその募集要項にはプレゼンテーションの点数内訳も記載されいます。そこに地元への加点について記載がなかった以上、今回の公募手続きについては瑕疵がなかったと言えます。
採点については、第三者である選定評価者が評価項目について検討し、その評価項目に基づき採点が実施されています。そのようにして公平性を担保し、候補者を選定しています。
遡って変更することは、行政の公平性を損ねると判断し、私は上程された議案の指定管理者について問題なしと判断しました。
ガイドライン改訂の必要性
もちろん、今の指定管理者についての指針が十分とは言えません。そもそも、応募事業者が減ってきており、競争性を確保しサービス水準を上げるという指定管理者制度の仕組みが機能しづらくなっています。今回問題となった地元事業者への加点、事業者の創意工夫を発揮しやすくするインセンティブ制度など、改善が必要な点も多くあります。
今後提案し改善を図っていきたいと思います。