平成27年12月定例会 本会議
◆小柳聡 民主にいがたの小柳聡です。皆様お疲れのところかと思いますので,コンパクトに実のある議論をしていきたいと思います。
今回は,新潟市の財政状況を踏まえ,財産経営,民間活力の推進をテーマに質問していきます。
今後ますます厳しくなるであろう新潟市の財政状況を背景に,本年7月に新潟市財産経営推進計画が策定されました。今後の庁舎整備,公共施設の多機能化,複合化,さらには公共施設の跡地等への民間活力の推進等,人口減少社会を前提とし,持続可能な新潟市にしていくためにどう向き合っていくのかが今問われています。このテーマについて議論していく一例として,現在庁舎の新築移転が検討されている北区役所の新庁舎整備を例に挙げ,議論していきたいと思います。
まず,北区役所新庁舎整備の現状について確認させてください。北区役所の新庁舎整備については,平成19年度から議論が開始され,それから約7年が経過しようとしています。その間,自治協議会での議論,庁内での検討とさまざまなプロセスを経てきていると思いますが,現状についての認識をお伺いします。
◎市長(篠田昭) 小柳聡議員の御質問にお答えします。
北区役所新庁舎整備については,これまで平成19年の新潟市区役所整備検討委員会で北区役所の整備が方向づけられて以降,庁内での検討や北区自治協議会での検討などのプロセスを積み上げながら整備位置を絞り込んできました。また,平成24年5月に北区自治協議会から提出された要請書では,新庁舎は移転新築とすること,整備位置は北区の地域拠点がふさわしいという内容でした。
現区役所庁舎の跡地利用については,平成25年度の特色ある区づくり事業の自治協議会提案事業として現庁舎周辺のまちづくりについて検討していただき,葛塚中心部まちづくり構想という形でまとめていただきました。
今年度は,これまでの検討を踏まえ,北区自治協議会で特別部会を設置いただき,整備候補位置として豊栄駅北側の民有地と南側の市有地の2つのエリアに絞り込んだ意見書を先日受け取りました。あわせて,広く区民の意見をお聞きするため,区民説明会や出前説明会も実施しています。
これらの意見を踏まえて庁内で総合的に検討し,市として整備位置の方針を決定した上で議会に御報告させていただきたいと思っています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 ただいま区民への説明を行っているというお話がありましたので,次に区民への説明,意見聴取の現状についてお伺いします。
自治協議会では特別部会を設置し,大変御苦労いただき,先ほどの市長の答弁にもありましたが,意見書を市長に提出いただきました。しかし,それをもって地域住民の声,利用者の声が十分に反映されたと考えるかどうか判断するには注意が必要です。自治協議会に参加し,意見を述べることができる方は一握りです。自治協議会に含まれない一般市民の方々に対してどのように状況を説明し,意見を反映させていくかが重要です。今までどのような体制で区民説明を実施してきたのか,またどういった意見が出ているのか御答弁お願いします。
◎北区長(飯野晋) これまで北区自治協議会において議論を重ねていただきましたが,より広く区民の意見をお聞きするために区民説明会や出前説明会を開催してきました。
区民説明会は,10月24日に北地区と豊栄地区で開催し,合わせて約100人の参加がありました。また,出前説明会は私と担当職員が出向き,庁舎整備の検討経過や北区自治協議会で検討された論点,視点を説明しながら意見聴取を行ってきました。これまで地域コミュニティ協議会や女性で構成される団体など9団体から申し込みがあり,合計約270名の参加がありました。このほかにも商工会などの経済団体との意見交換を行っています。
意見としては,防災の観点から高速道路や消防署などが近い場所がいい,敷地が広く発展性のある場所がいい,現庁舎周辺の商店街への影響が少ない場所がいい,経済性に配慮し,行政機能がコンパクトにまとまる場所がいい,将来のまちづくりを見据えた場所がいいなど,さまざまな意見が出ています。これらの意見は新庁舎整備位置決定の重要な判断材料としていきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 今具体的に区民説明会100人,そして出前説明会で270人という数の御答弁がありました。この数が十分なのかどうか,これは議論が必要だと思いますが,次の質問項目に移りたいと思います。
今さまざまな意見が出ているというお話もありましたが,区役所整備は防災拠点としての機能とあわせて地域の一体感の醸成が欠かせない施設だと思います。旧新潟市と旧豊栄市,もとは2つの自治体が一緒になって約10年。その2つの地域の一体感を醸成できるような施設であるべきとの意見が自治協議会でも出てきていますし,区役所が作成した説明資料にも記載されています。しかしながら,現時点では逆の現象が発生しています。立地をめぐり地域が二分されているのです。私も幾つかの地域の説明会に参加しましたが,地域によって意見が割れている現状があるのは事実だと感じました。ある程度仕方のないことかもしれませんが,残念ながら現在は一体感醸成とは遠い現実です。先日の新潟日報にも本来市が位置を提案すべきだったのに,自治協議会で二者択一になってしまった。合併後の一体感醸成どころか北地区と豊栄地区の溝を広げることになるのではないかと今後を心配した声が紹介されています。この現状についてどのように受けとめますでしょうか。
◎北区長(飯野晋) 本市としても,この新庁舎整備によって地域が二分されるようなことはあってはならないことだと思っています。
今回実施しました区民説明会や出前説明会では,地域が二分されたというよりも,参加者の皆様方が北区の将来を考えた上で,2つの整備候補位置に対してどちらかの意見に立場を明確化していただいたものと受けとめています。
出された意見の中には,将来のまちづくりや超高齢社会に対応した行政サービスの提供のあり方など,北区全体に対する意見も多くあり,これからの北区まちづくりにつながる有意義な意見だと思っています。
新庁舎整備位置の決定後も区民の一体感醸成が図られるような庁舎としていくために,これからの北区まちづくりとあわせて具体的な機能などについて区民の皆様方とまた一緒に検討していきたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 私も同じような意見です。区役所の建設というのはまちづくりの今後を決める非常に大きな機会ですので,できるだけ多くの住民にかかわっていただき,今後しっかりそれを生かしていただきたいと思います。
それに関連してですが,次の項目に移ります。
地域住民の中では,立地場所決定までのプロセスが見えにくいという声もよく耳にします。私が参加した説明会で必ず聞かれることが最終的に決定するのは誰なのですかという質問です。区役所が実施している住民説明会でも行政が指針を説明するのではなく,自治協議会で議論されている内容を行政が説明している状況です。すなわち区役所,行政としての指針が見えにくくなっているため,自治協議会が立地場所を決定しているのではないかと感じている住民の方も実際少なくないようです。しかしながら,立地をめぐって今意見が分かれているため,自治協議会が誤った方向性を出すのではないかと厳しい見方をする方も出てきています。
一方,自治協議会の委員さんは手弁当で本当に一生懸命御議論いただき,意見書を市に提出した経緯もあり,批判の矛先が自治協議会に向かうのは本当に悲しいことだと思います。この点についての見解をお願いします。
◎北区長(飯野晋) 北区役所新庁舎整備の位置の決定については,北区自治協議会が決めるものではなく,本市が決定することとなります。このことについては,先日行った北区の地域ミーティングにおいて,市長からも位置決定などの大きな判断を行うのは自治協議会ではなく市の執行部と市議会しかないと説明しています。この位置決定のプロセスについて十分周知されていない状況であれば反省すべきと考えていますが,区民説明会や出前説明会では位置決定プロセスを説明していますし,北区自治協議会委員の皆様方からも御理解いただいているところです。
自治協議会には多様な意見を調整する役割がありますが,北区役所新庁舎整備位置の検討についても2カ所に絞り込んでいただくとともに,重要な論点についてまとめていただいたところです。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 1点確認させていただきたいのですが,今自治協議会は地域の多様な声を反映させる機能があると答弁があったのですが,実際に今区役所を利用されている方の声も把握されていると思うのですが,例えば利用者数やどれぐらいの頻度で区役所を利用するのか,区役所までどういう移動手段で来ているのか,そういったデータは今お持ちでしょうか。
◎北区長(飯野晋) 今までの検討経過の中で平成21年12月にパブリックコメントを行って,そこでの声を聞いています。それから,この自治協議会での検討とあわせて,ことし7月に行いました区長と語る会,区政懇談会の中でも説明していろいろ声を聞いているところです。
それから,利用者の交通手段のデータは今のところ持ち合わせていないのですが,検討の中では,区役所までの移動手段として徒歩,公共交通,車とあると思うのですが,例えば徒歩の場合には区役所から1キロ圏内をまず一つのエリアとして考えて,新しい区役所になった場合に市街地がどれだけカバーされるかといった検討,分析は行っています。バスについては最寄りの路線バスや区バス,住民バス,JRといったところからの距離の比較はしています。車については接続する都市計画道路や駐車場といったところを検討の指標として分析したところです。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 次の項目に移らせていただきます。
なぜ今のような質問をさせていただいたかといいますと,住民の方の中にはデータがまだ不十分ではないかと,自治協議会は何をしているのだと,そういう声を出す方もいらっしゃるのです。それは自治協議会がやるべきことではなくて,私は行政がやるべきことだと考えています。
西区では,同じように自治協議会が区役所の場所についての検討を実施していましたが,自治協議会が自治協議会委員以外の住民の声,いわゆる利用者の声を意見書に反映させるべく自治会を通じて西区全世帯を対象としたアンケートを実施しています。西区自治協議会が非常に苦労を重ねた結果だと思いますが,こういったケースは例外的な成功だと考えるべきだと思います。
北区自治協議会も西区同様に大変御苦労されています。先ほども申し上げましたが,自治協議会が利用者の声を十分に反映していないのではないかといった批判の矛先が自治協議会に向かうのはおかしな話だと思っています。
しかし,今回の事例を今後に生かすことは可能です。今後他の区で起きてくるであろう庁舎移転など,区民全体にかかわる問題については,自治協議会に依存するのではなく,行政自身がまずしっかり方針を示し,早い段階から責任を持って住民の声を幅広く聞くようにするなどして自治協議会の役割を限定する。結果的にそうすることが地域住民,自治協議会,双方にとっていいのではないかと今回私は感じましたが,その点についてはいかがお考えでしょうか。
◎北区長(飯野晋) 自治協議会は,新潟市区自治協議会条例において,市民と市が協働して地域のまちづくりその他の課題に取り組み,住民自治の推進を図るために設置されると規定されているとおり,地域と行政をつなぐ協働のかなめです。このたびの新庁舎整備においては,北区自治協議会に対して新庁舎整備候補位置について意見聴取を行いたい旨を事前に説明して,新庁舎整備特別部会を設置していただき,整備候補位置を2カ所に絞り込んでいただきました。
なお,先ほども答弁させていただきましたが,早い段階の区民からの意見聴取については,ことし7月に開催した区長と語る会の中でも区の全ての地区で新庁舎整備に関する説明を行うなど,広く区民の皆様方に説明して意見をお聞きしてきたところです。
それから,平成21年度にパブリックコメントを行って,211件の意見をいただいているところです。
これら自治協議会の意見や区民の意見をしっかり受けとめて,整備位置決定の重要な判断材料にしていきたいと考えています。
新庁舎整備位置決定後の基本構想策定についても自治協議会の役割と市の役割を明確にして,相互に連携を図りながら区民の皆様とともにつくり上げていきたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 今ほど役割を明確にしてという区長の答弁がありましたので,今後はしっかり役割を明確にした上でそれを伝えることに重きを置いていただきたいと思います。
では,次に移ります。先ほど市長から今後の立地場所についてのスケジュールを伺いました。立地が決定する,基本構想ができ上がることは,終わりではなくスタートです。今北区は,なかなか一体感が保てていないと,2つに割れてしまった地域を一体感を持った地域にするためのスタートだと思っています。
今までは東区,西区,いわゆる旧新潟市内での庁舎整備でしたが,今後は合併した市町村を含む地域での庁舎整備,出張所整備などが考えられます。西蒲区,南区,いろいろ議論に上がっています。そうなれば整備場所について合意を得ることは今まで以上に困難を伴う可能性があります。今後のケースを考えた上でも今回の対応はリーディングケースになり得るものだと思っています。今回の件で禍根が残らないよう,行政には非常に難しい課題が突きつけられていると言えます。今後行うであろう住民への説明等,どのように対応されていくのか,今後の方針をお聞かせください。
◎北区長(飯野晋) 今年度の新庁舎整備位置決定後に基本構想を策定したいと考えています。この基本構想策定においても,自治協議会のみならず,有識者や地域住民による検討会議や住民説明会,パブリックコメントなどを実施してさまざまな意見を取り入れていきたいと考えています。
基本構想の策定に当たっては,単なるハード整備に関する検討だけではなく,北区全体のまちづくりも含めた検討を区民の皆様方と一体となって取り組んでいきます。
これからもより多くの区民の皆様としっかり意見交換しながら庁舎整備を進めることで,区民に愛され,未来につながる北区役所を整備していきたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 ただいま具体例として北区役所新庁舎整備の現状について確認させていただきました。
続いて,2,新潟市財産経営推進計画と新庁舎整備との関係性に移っていきたいと思います。
今回の庁舎建設は,単に建物を新築移転するという話ではありません。冒頭申し上げたように,庁舎整備は公共施設の今後の行方,多機能化,複合化を見据えた長期的な視点も必要になってきます。そこで,次に新潟市財産経営推進計画との関連性から議論をしていきたいと思います。
まず,本年7月に策定された新潟市財産経営推進計画の策定意図について教えてください。
◎市長(篠田昭) 本市の公共施設やインフラ資産は,その多くが高度経済成長期に整備が進められ,その後も人口の増加や市民ニーズなどに対応して整備を進めてきましたが,今後耐用年数の超過や老朽化により維持修繕,更新費用の増加が見込まれています。また,少子高齢化の進展による社会保障費の増大や労働人口の減少などに伴い,今後も厳しい財政状況が予想される中,公共施設をどのように維持していくか大きな課題となっています。
新潟市財産経営推進計画は,この課題に対応し,市有財産の効率的な管理,利活用を進めていくために策定しました。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 全市的な視点で今後の公共施設のあり方について地域別に地域合意を得ながら丁寧に進めていくと,こういうことだと思います。
この新潟市財産経営推進計画には4本柱があります。施設の最適化,つまり有効活用,施設の長寿命化,歳出の削減,歳入の確保の4つです。この4本柱の一つである施設の最適化の観点からは,公共施設の新築や増改築,建てかえについてはどのような方針が掲げられていますでしょうか。
◎市長(篠田昭) 財産経営推進計画では,施設の有効活用の最大化を図るため,施設の最適化を柱の一つとして掲げています。
施設の新築や増改築は,その後の管理運営費などの財政負担を増大させることから,慎重な判断を要するものであり,可能であれば既存施設の転用など,今ある施設の有効活用を図っていきます。また,建てかえの場合には,多機能化,複合化により管理運営の一元化,効率化などを進める方向です。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 そうしますと,多機能化,複合化の観点が必要になってくると思います。そういった視点で,先ほども申し上げましたが,地域別に公共施設のあり方について計画をつくる地域別実行計画,これについても新潟市財産経営推進計画内には記載があります。地域の公共施設の集約化,言ってしまえば数,配置を決めるわけですから,地域住民の合意を進めていく大変難しい計画になると思いますが,この計画はどういったタイミングで策定されるのでしょうか。
◎市長(篠田昭) 施設の多機能化,複合化については,どの程度の面積にどのような機能を持たせるかということについて,遅くとも整備する施設の基本設計の時期までに方針を固めておく必要がありますので,それ以前の段階で施設更新に向けた検討の始まる時期を捉え,地域別実行計画策定のための作業に着手します。
地域別実行計画は,ワークショップや広報紙の発行など,さまざまな手法を用いて地域住民との協働で策定を進めていきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 今ほど施設の更新を踏まえ行っていくということでしたが,(3)に移りますが,北区役所の新庁舎整備のタイミングもある種公共施設の新築,改築になるわけです。そうしますと,地域別実行計画を策定するタイミングになるかと考えられます。ただし考えなくてはならないのは,北区の庁舎整備については以前から検討されてきた経緯があるという点です。今回の北区役所の新庁舎整備に当たっては,この地域別実行計画の策定のタイミングなど,どのように内部で検討されてきたのでしょうか。
○議長(高橋三義) 朝妻財産活用担当部長。
〔朝妻 博財産活用担当部長 登壇〕
◎財産活用担当部長(朝妻博) さきに市長がお答えしましたとおり,北区役所整備については平成19年の区役所整備検討委員会で方向づけられて以降,庁内での検討や北区自治協議会での検討などプロセスを積み上げながら整備位置を絞り込んできました。この経過を踏まえて,北区における地域別実行計画の策定については,区役所新庁舎整備位置の決定後,地域に入り,ワークショップを実施して地域の御意見をお聞きしながら市として計画策定を進めていく予定としています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 北区の場合は候補地が決まってから地域別実行計画を策定するという話でしたが,庁舎の改築の際は地域別実行計画の策定のタイミングということが,新潟市財産経営推進計画内に記載があるわけですから,今後あるであろう例えば西蒲区,南区,その他の出張所などの改築があった際には,原則どおり地域の公共施設のあり方,配置などについて,まず地域別実行計画を策定し,その中で施設の機能についても議論すべきだと考えますが,その点についての見解をお伺いします。
○議長(高橋三義) 朝妻財産活用担当部長。
〔朝妻 博財産活用担当部長 登壇〕
◎財産活用担当部長(朝妻博) 区役所庁舎については,地域別実行計画が対象とする施設のうちの一つではありますが,区役所として備えるべき機能といった主要な整備方針については,地域別実行計画の計画単位である中学校区の範囲にとどまらず,区全体,市全体の検討の中で決定すべき重要なものであると考えています。このことから,地域別実行計画では,整備される新庁舎の多機能化,複合化の可能性を初めとした周辺地域にある身近な施設の効率化について検討することにしています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 では,このテーマ最後の質問に移ります。これまでの議論を踏まえ,北区の新庁舎整備については,地域別実行計画の策定は候補地が決まった後という答弁もありましたが,どの場所に決まるにしても多機能化,複合化の視点を踏まえて市長が立地場所を判断することになると考えますが,その点について,確認の意味も込め見解をお伺いします。
○議長(高橋三義) 朝妻財産活用担当部長。
〔朝妻 博財産活用担当部長 登壇〕
◎財産活用担当部長(朝妻博) 議員御指摘のとおり,位置がどちらであっても,区役所新庁舎整備に当たっては,庁舎の多機能化,複合化により利便性の向上やにぎわいの創出を図っていきたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 確認がとれましたので,続きまして3つ目のテーマに移りたいと思います。
庁舎整備,跡地利用についての民間活力の活用の視点からお伺いします。
この新庁舎をめぐる問題は,北区民だけの問題ではありません。区役所が住民への説明を行っている資料を拝見しましたが,建設に係る費用の試算が20億円,または26億円と非常に大きな金額であり,新潟市にとっても大きな投資です。また,今後公共施設の複合化,多機能化の視点を踏まえて集約化が進むことで,跡地が新潟市内の至るところで発生していくことも将来的には考えられます。新潟市の財政も,決算特別委員会でも監査委員から指摘があったとおり,決して安心できる状況ではありません。来年度の予算編成を考えたとき,今までのように基金を取り崩してという形での対応は難しくなってくることは容易に想像できます。
そういった視点を持ち合わせたとき,検討すべきは民間活力の活用ではないでしょうか。この分野は,新潟市財産経営推進計画,行政改革プラン2015,双方で触れている部分になりますので,あわせて議論していきたいと思います。
まず,1点目です。先ほど議論した新潟市財産経営推進計画についてですが,跡地に関しては,4本柱の1つである歳入の確保の観点から,「公共施設等の集約化や統廃合などを行う際に生じる跡地は,原則売却し,財源の確保に努めます」との記載が計画内にあります。具体的な例として,今回議論しています北区役所移転に伴い発生する跡地について,どのような扱いになるのか見解をお伺いします。
◎市長(篠田昭) 施設跡地を含めた未利用資産については,御指摘のとおり財源確保のため売却を原則としています。しかしながら,売却による処分が困難な場合は有償貸し付けでの活用を検討するなど,未利用地活用と歳入の確保を図っていきます。
お尋ねの北区役所跡地については,この原則に立ちつつ,今後,既に自治協議会提案事業において検討いただいている内容や地域の皆様の意見を踏まえ,跡地活用の方針を決定していきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 では,次に行政改革プラン2015の観点からお伺いします。
行政改革の視点からも民間活力の活用は求められています。行政改革プラン2015内にもPPP,官民パートナーシップ手法の導入推進という記載があります。今回の庁舎整備,跡地については,官民パートナーシップの観点からはどのようにお考えでしょうか。見解をお伺いします。
◎市長(篠田昭) 新潟市行政改革プラン2015では,行政の責任を確保しながら市民サービスの向上と経費の節減を図るため,事業効果の高い分野について民間活力を積極的に導入することとしており,施設の整備などについても同様に幅広い視点で手法を検討すべきと考えています。
御質問の北区役所の庁舎整備,跡地利用については,財産活用の視点とともに地域の皆様の意向をしっかり確認しながら,より効果的な手法を検討していきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 次に移ります。
行政としての視点で今まで議論してきたわけですが,今市長の御答弁にもありましたとおり,一番考えなくてはいけないのは地域の方々の声,その地域を今後どうしていくのか,この点だと思います。北区役所移転に伴い発生する跡地の利活用について,ワークショップもあったと記憶していますが,地域の課題認識を踏まえ,地域の方々から実際にどういった声が上がっているのか,認識をお伺いします。
◎北区長(飯野晋) 平成25年度の特色ある区づくり事業の自治協議会提案事業の中で,北区まちなか賑わい創出事業を実施し,移転新築後の北区役所跡地を含めたまちづくりの方策について検討していただきました。この事業で葛塚中心部まちづくり構想を作成していただきました。
本構想は,増加する高齢者と新潟医療福祉大学の若者のパワーをまちなか活性化に生かし,世代間交流や地域住民の交流を図りながら,さまざまな地域課題を解決していくという内容になっています。また,現在の新館棟を活用する具体的なプランとしては,高齢者向けの福祉施設や子育て支援センター,学生と地域住民をつなぐ学習施設,地域課題を解決するコミュニティビジネスの拠点とする案などが提案されています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 高齢者が安心して生活できる環境でしたり,子育てしやすい環境,またこの地域であれば学生が多くいるという他の地域にない追い風をどうまちづくりに生かしていくか,恐らくそういった認識からさまざまな議論がなされているのではないかと感じました。
次に移ります。行政の得意分野,民間が得意な分野,それぞれ強みを生かしていくべきという議論が行政改革の中ではありますが,今御答弁あった機能の中には行政より民間が得意としている分野もあります。しかし,民間企業がそういった事業に魅力を感じる,具体的にはビジネスが成り立つという判断がなければ民間企業が進出することは考えにくいでしょう。つまり市場性があるかどうかが大事になってくると思うのですが,その点について,先ほど上がってきた機能について認識をお持ちでしたら御答弁お願いします。
◎北区長(飯野晋) 跡地利用については,新庁舎整備位置の決定によって活用方法も変わっていくと考えています。整備位置が決定した後に,先ほど申し上げました北区まちなか賑わい創出事業での提案を踏まえ,跡地利用について検討していきます。
この地域は高齢者も多く,商店街の空き店舗や空き家が増加しています。一方で,近年は新潟医療福祉大学の学生向けアパートがふえており,多様な世代が居住する地域となっていることから,高齢者と若者の交流の場といったニーズもあると考えています。具体的な活用方法を決定していく過程で,市場性創出の調査を含めて民間活力の活用を検討していきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 では,次に移ります。
新潟市全体を考えたときに,今ほど議論もありました公民連携,中でも民間活力の一手法としてPFIという方法があります。民間にどこまで裁量があるかにより細かく分類も可能だと思いますが,これまでの新潟市の広義のPFIの導入実績を教えてください。
○議長(高橋三義) 高井総務部長。
〔高井昭一郎総務部長 登壇〕
◎総務部長(高井昭一郎) 本市におけるPFIなどの導入実績についてです。
市が資金調達を行い,民間の経営能力やノウハウを活用して施設の設計,建設,維持管理,運営を行うDBOと呼ばれる手法で,新田清掃センター新焼却場とアイスアリーナを整備しています。
主に建設事業などの大規模な事業を行う場合は,行財政運営の効率化,市民サービスの向上といった観点から,民間活力の導入も含め,さまざまな事業手法を比較検討するプロセスを経ることにより最も適したものを選択することとしています。比較検討に当たっては,施設整備に要する期間や管理運営を含めた長期間における経費なども考慮し,最適な手法を選択することとなります。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 長期的な視点で,支払いに対して最も価値の高いサービスを提供するバリュー・フォー・マネーという視点から最適な手法を選択した結果,今おっしゃった案件はPFI,中でもDBO,公設民営という方式を採用したとのお話でした。しかし,考えなくてはいけないのは,行政としてどこにお願いするのが最適なのか判断するわけですが,民間が手を挙げなければ,そもそも民間にお願いするという選択肢がなくなってしまい,結果的にバリュー・フォー・マネーの観点から最適な答えを選択できないという可能性があります。
例えば横浜市は公民連携の専門部署をつくり,さまざまな分野で公民連携を推し進めています。この分野に関しては先進的な事例です。そんな横浜市が近年ある問題を抱えていたとのことでした。公民連携の視点から民間企業に事業の公募をしても,なかなか民間から手が挙がらないというのです。民間企業に聞いてみると,公募条件がそもそもビジネスが成立しにくい条件であり,手を挙げられなかったとのことでした。そこで,横浜市はある手法を選択しました。公募を出す前に事前に民間企業と対話を行い,より手を挙げやすい公募条件にする,いわゆるサウンディング型市場調査という手法です。平成23年度より導入して,現在まで約30件の実績があります。例えば横浜市役所の新庁舎低層部の商業機能のあり方,戸塚区役所庁舎移転後の跡地利活用などについて,民間事業者との対話により公民連携が進められています。
横浜市ほどの規模があり,また圧倒的に多くの企業が立地している首都圏で公募がなかった状況ですから,今後新潟市も同様の問題に遭遇する可能性は十分あると思います。そういった意味でも今後の公民連携の手法としてサウンディング型市場調査についても,今回の北区の事例を初め,新潟市の他の案件についても導入を積極的に検討していくべきではないかと考えますが,その点についてはいかがお考えでしょうか。
○議長(高橋三義) 高井総務部長。
〔高井昭一郎総務部長 登壇〕
◎総務部長(高井昭一郎) 保有資産活用など事業検討において,横浜市では民間事業者との対話手法としてサウンディング調査を実施しています。この手法により,予算をかけずに公平性,透明性を確保した上で,あらかじめ民間事業者の参入可能性の有無や資産活用のアイデアを把握できるといった効果が上げられています。
本市においても,土地や建物の有効利用方策の検討や公募条件を整理する際には,横浜市の例も参考にしながら,財政的メリットだけでなく,市民サービス向上の観点や施設の特性なども考慮し,本市に合った方策を検討していきたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 非常に前向きな御答弁をいただきました。
新潟市全体の視点と北区の個別の事例を見てきましたが,非常にいい話もありましたが,それを実行していくことが非常に重要だと思います。今回の北区の事例を考えますと,あくまで所管は北区役所総務課だと思いますが,財産経営,行政改革の視点から財産活用課,行政経営課がしっかりとタッグを組み,取り組むことが必要です。こういった部署間の連携を今後起きてくるであろう他の事例の参考になるようなものにすることが,今後の新潟市全体での民間活力の活用をより進めていくことにつながるはずです。今後の民間活力活用の推進体制についてお聞かせください。
◎北区長(飯野晋) 跡地や新庁舎については,これからの北区発展の拠点となることが重要と考えています。そのために,行政改革プランやPFI推進基本方針,財産経営推進計画などを踏まえ,民間活力を最大限活用した,より効果的な手法となるよう,財産活用課,行政経営課など本庁関係課としっかり連携して取り組んでいきたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 では,最後のテーマ,広報のあり方に移ります。
本年6月の定例会において私が広報に関する統括できる組織設置の必要性について質問したところ,地域・魅力創造部長より,市外,県外の皆様,市民の皆様,庁内に向けて戦略的に広報やプロモーションを進めていくための組織やプランについて,今後具体的に検討していきますと非常に前向きな御答弁がありました。あれから約半年が経過しようとしています。恐らく内部ではさまざまな検討が行われてきたと思いますが,現在の検討状況について,まず教えてください。
○議長(高橋三義) 高橋地域・魅力創造部長。
〔高橋建造地域・魅力創造部長 登壇〕
◎地域・魅力創造部長(高橋建造) 議員おっしゃるように,市の施策について,市民の皆様から理解を深めていただくとともに,本市の魅力を市内外に広く発信していくためには,戦略的なプロモーション,戦略的な広報を行うことが大切だと考えています。これを効果的に展開するための組織のあり方について現在,より充実したものとなるよう全庁的な組織改編の中で新年度に向けて検討を進めています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 全体的な状況をお伺いしましたので,ここからは今検討されている組織がどういった組織として位置づけられれば,より効果的な働きが可能なのかについて,あるべき姿について,2つの観点から議論していきたいと思います。
まず,1つ目の視点として,外への広報,シティプロモーションと組織との関係について考えていきたいと思います。
現在,首都圏を中心のターゲットにしてシティプロモーションが行われているわけですが,シティプロモーションについての本市の考え方について,まずお伺いします。
○議長(高橋三義) 斎藤観光・国際交流部長。
〔斎藤博子観光・国際交流部長 登壇〕
◎観光・国際交流部長(斎藤博子) 現在のシティプロモーションについては,交流人口の拡大を主な目的として,本市の魅力であります食と花,港町文化などの観光資源を軸に国内外へのキャンペーンやセールスを行っているほか,さまざまな広報媒体を活用して情報発信するなど,観光プロモーションにより,行ってみたい町新潟を入り口として,住んでみたい町新潟につながるよう取り組んでいます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 今観光プロモーション中心に取り組まれているという御答弁がありました。
では,次に移ります。実際に今新潟市のシティプロモーションを担当している組織はどちらになるのでしょうか。
○議長(高橋三義) 斎藤観光・国際交流部長。
〔斎藤博子観光・国際交流部長 登壇〕
◎観光・国際交流部長(斎藤博子) 先ほどお答えしましたように,現在のシティプロモーションは交流人口の拡大を主な目的としていることから,観光・国際交流部観光政策課が担当しています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 観光政策課が担当しているというお話でしたが,観光政策課が担当するまでのシティプロモーション担当部署についての経緯等おわかりでしたら御答弁お願いします。
○議長(高橋三義) 斎藤観光・国際交流部長。
〔斎藤博子観光・国際交流部長 登壇〕
◎観光・国際交流部長(斎藤博子) シティプロモーションの所管については,政令指定都市移行を控え,全庁的なシティプロモーションの推進体制を確立するため,平成18年度にシティプロモーション推進課を当時の政策企画部門に設置しました。その後,平成21年度の大観光交流年を契機として,交流人口の拡大を主な目的としたシティプロモーションと観光施策を一体のものとして取り組むため,シティプロモーション推進課を交流推進課に改め,文化観光・スポーツ部の所管としました。平成22年度からは観光政策課がこれを引き継ぎまして,現在に至っています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 経緯については理解しました。
現在,新潟市では観光政策課が交流人口の拡大という視点からシティプロモーションを担当しているというお話でした。しかし,観光政策課以外にもシティプロモーションを新潟市として行っているのが現実ではないでしょうか。例えば新潟暮らし奨励課が作成したNGT48のメンバーが主演する新潟暮らしプロモーションムービーで,新潟暮らしの魅力をアピールすることも立派なシティプロモーションです。また,新潟の子育て環境の優位性を伝えていくことも立派なシティプロモーションです。新潟の魅力をどう伝えていくのか,それは一つの観点からではなく,さまざまな視点で新潟の魅力を市外,県外の方々に伝えていくことが必要です。
私は,先月末に福岡市の広報戦略室にお話を伺いに行ってきました。お話を伺う中で,最近メディア等,特にインターネット上で福岡という言葉がよく出てきている,その要因がわかりました。福岡市は,広報戦略室という広報全体を統括する部署を設置しています。その中に広報戦略課,広報課,報道課が設置されています。シティプロモーションは広報戦略課が担っています。これらの部署とは別に観光プロモーションの担当部署であるプロモーション推進課が設置されており,交流人口拡大のため,国内,国外に向けて福岡市,ひいては九州の魅力を観光プロモーションしています。広報戦略室は,広報全体の司令塔として福岡市としての魅力をどう伝えていくのか考え,シティプロモーションを実行し,各部署の行っている広報を補佐する働きをしているとのお話でした。
本市に設置される組織も観光プロモーションだけに特化した組織ではなく,よりシティプロモーション全体を統括するような,そんな組織であるべきだと考えますが,その点についての見解をお伺いします。
○議長(高橋三義) 斎藤観光・国際交流部長。
〔斎藤博子観光・国際交流部長 登壇〕
◎観光・国際交流部長(斎藤博子) 本市では,観光プロモーションのほか,御指摘のように新潟市での暮らしやすさや子育ての優位性,さらには文化,食の豊かさなど,行ってみたい町,住んでみたい町に結びつくようなプロモーションを各部署で行っています。しかしながら,人口減少,少子・超高齢社会を迎え,都市間競争が激しくなる中,今後は組織を横断した総合的かつ戦略的なシティプロモーションを行っていくことが重要であると認識しています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 では,次に各区での広報体制について移っていきたいと思います。
2つ目の視点として,各課,各区の広報と,これから検討されるであろう新組織の連携のあり方について議論していきたいと思います。
広報すべき資源がこの新潟市には多くある,これはもう間違いないと思います。また,各区,地域によっても魅力ある資源はさまざまです。この多様性こそが本市最大の魅力であると考えています。
そこで,まず現在の各課,各区の広報体制について現状をお聞かせください。
○議長(高橋三義) 高橋地域・魅力創造部長。
〔高橋建造地域・魅力創造部長 登壇〕
◎地域・魅力創造部長(高橋建造) 各課においては,事業の実施に当たって市報にいがたなどの広報紙やホームページに掲載するほか,ポスターやチラシにより効果的な広報に努めています。
ホームページについては,全ての部署に作成の担当者や責任者,管理者を置き,それぞれの部署がそれぞれの取り組みを独自に掲載できるよう体制を整えています。また,区役所では地域課に広報担当者を配置し,区役所だよりの発行や区ホームページの運用を行っています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 では,次に本庁に設置されています広報課の業務体制について教えてください。
○議長(高橋三義) 高橋地域・魅力創造部長。
〔高橋建造地域・魅力創造部長 登壇〕
◎地域・魅力創造部長(高橋建造) 広報課では,企画係と広報係にそれぞれ5名の職員を配置し,これに課長,課長補佐を合わせ12名体制で広報業務に当たっています。
企画係では,市ホームページの管理運営や「にいがた暮らしのガイド」など情報誌の発行,報道機関対応を担当しており,広報係は市報にいがたの編集発行,広報テレビ・ラジオの業務を行っています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 ただいま各課,各区の体制,そして本庁の体制を確認させていただきました。
次に,各課や各区の広報と本庁の広報課との連携についてお伺いします。
新潟市のホームページにはイベントカレンダーなるものがあります。各区のイベントを一覧で見ることができ,新潟市の観光資源の多さに改めて驚かされます。市全体でそれぞれの日付にどういったイベントがあるのかを一覧で見ることができますが,そうしますと同じ日に複数のイベントが新潟市の至るところで実施されていることがわかります。これが何を意味するか。同じ日に市内別々の場所でさまざまな行事が行われる,言いかえればお客さんを奪い合っている可能性もあると見ることもできます。また,メディアへの露出を考えたとき,イベントの性格によっては同じ日に開催しないと,こういう判断も当然あると思いますが,その点の各課,各区と本庁の広報課との連携はどのように行われているのでしょうか。
○議長(高橋三義) 高橋地域・魅力創造部長。
〔高橋建造地域・魅力創造部長 登壇〕
◎地域・魅力創造部長(高橋建造) 事業の実施に当たっては,開催にふさわしい時期や講師の都合,また会場の確保を優先して開催日を決定するなどの事情がありますことから,現状では時に同日の開催となることもやむを得ないと考えています。
広報に関しては,市報と区役所だよりでは内容が重複しないよう,効果的に情報提供を行うよう努めています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 次に移ります。
福岡市もそうであったように,各課や各区の事業主体が広報の手法について新組織に相談する。例えば先ほど申し上げたようなイベントが重複するものについては,事業主体から相談されれば,別日程を提案してもらえる。新潟市が主催するイベントにかかわらず,新潟県や他の団体が企画するイベントも当然新潟市で行われるわけですから,そういった情報提供も行っていく。例えばプレスリリース。福岡市では年間2,000件ものプレスリリースの投げ入れが行われているわけですが,広報戦略室が各課や各区へ指導を行い,また相談があった際にはメディアに取り上げてもらえるような書き方の指導を行う。結果的にお金をかけずに以前よりメディア露出がふえたとのお話でした。そういったノウハウを集め,共有できるような体制の構築が新組織には求められているのではないでしょうか。この点について見解をお伺いします。
○議長(高橋三義) 高橋地域・魅力創造部長。
〔高橋建造地域・魅力創造部長 登壇〕
◎地域・魅力創造部長(高橋建造) 事業を担う課が広報紙掲載やパブリシティーなどの広報を行う際には,その手段,時期について広報課に相談が寄せられ,より効果的な発信ができるよう助言を行っています。その際,先ほど申し上げたようにイベントの開催日を含めた事業内容についての提案は行っていませんが,議員おっしゃるように,事業内容や目的によっては,それぞれの事業効果を高めるため立案段階からの情報を集めることは有効だと考えています。
体制の構築に当たっては,先ほど御紹介いただいた先進市の事例も参考にしながら,どのような仕組みが望ましいのか研究を進めていきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 これまで新組織設置について,観光プロモーションとの関係,各課,各区役所との連携の関係の2つの視点から議論させていただきました。
地方創生という言葉が昨年あたりから頻繁に使われ,インバウンドという言葉もよく使われるようになりました。今,地方自治体は生き残りをかけ,都市の魅力をあの手この手を使って発信しています。そういった中でいかに他都市との差別化を図り,情報を届けたい層に新潟市の魅力を伝えていくか,そして目まぐるしい環境の変化を受け,スピード感を持ってやっていくことが何より必要なことだろうと思います。
今ほど議論させていただいて,課題についてはかなり共通認識を得られたかと思いますが,そういった課題認識を踏まえ,新組織のあるべき姿,その後の方向性など,最後に御答弁いただければと思います。
○議長(高橋三義) 高橋地域・魅力創造部長。
〔高橋建造地域・魅力創造部長 登壇〕
◎地域・魅力創造部長(高橋建造) 本市が有している魅力や活力を効果的,効率的に発信していくためには,組織横断的な視点に立った戦略的な広報が必要と考えています。そのためには,組織の再構築を初め,職員一人ひとりが広報やシティプロモーション活動の主役であることを自覚し,各部門が企画立案する施策や事業はもちろん,市民や企業,関係団体の皆様とも連携して新潟の魅力の発信に取り組んでいきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕
◆小柳聡 今部長から組織横断という言葉を使っていただきました。組織が設置されて,そこに職員がどういった意識を持って動いていくか,これが何より重要だと思いますので,今後の動きに私も期待したいと思います。
以上で終わります。(拍手)