平成30年2月定例会本会議 議事録

◆小柳聡 民主にいがたの小柳聡です。通告に従いまして,一問一答形式で質問します。
初めに,1,区役所地域課と総務課の合併は分権型のまちづくりに寄与するかについて伺います。
政令市に移行し,間もなく12年目に入りますが,今回の定例会で分権型政令市を取り上げている議員が5人いるように,分権型のまちづくりは財政難という状況から岐路を迎えています。
平成30年度を迎えるに当たり,119億円の財源不足に注目が集まり,行財政改革の名のもと,全事務事業の見直し,組織改正が実施されました。その中に区役所改革として,区役所の地域課と総務課の統合があります。不断の行財政改革は,持続可能なまちづくりを進める上で必要不可欠なことです。しかし,目的を見失ってはいけません。市民一人ひとりが主役の分権型のまちづくりを実現するための手段,そして分権型のまちづくりが今後も継続していくための改革でなくてはいけません。分権型政令市を標榜する本市にあって,この組織改正に注目が集まっています。この改革が区民目線での組織改革なのか,財源捻出のための組織改正ではないのか,区民はこの問題を不安に思っています。合併地域から選出された議員の一人として,この点は議場でしっかり確認しなければなりません。
そこで(1)として,この2課の統合の経緯について,どういう経緯で課の統合になったのか。そしてなぜこのタイミングになったのか,見解を求めます。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 小柳聡議員の御質問にお答えします。
本市では分権型政令市を標榜し,市民に身近な区役所を市政のメーンステージと位置づけ,特色あるまちづくりを進めるために,さまざまな権限や機能を持たせた区役所を設置し,大きな区役所の実現に取り組んできました。
区役所の地域課は,区自治協議会を初め,区政の協働のパートナーであるコミュニティ協議会の支援,文化・スポーツイベントの実施や区政の広報など,地域に密着した業務を行っており,大きな区役所を実現するために重要な役割を担ってきたと認識しています。また,区役所の総務課においても,コミュニティ協議会が主体となって活動している地域防災や防犯活動などの窓口を所管しており,地域課と総務課が連携しながら,コミュニティ協議会と協働したまちづくりに取り組んできました。
今回の組織改正は,区のあり方検討委員会の意見も踏まえ,当面,現行の8区体制を維持しつつ,持続可能なまちづくりを進めていくため,区役所を含めた市役所内部の組織,定員の適正化にスピード感を持って取り組む必要があり,その第一歩として,管内人口やコミュニティ協議会の数など,規模の違いから,まず5つの区で地域課と総務課の統合を行ったものです。
統合により,さらなる連携強化が図られ,職員の柔軟な協力体制が構築されるといった組織力の向上につながるメリットもあり,残る3つの区でも可能と判断できれば,組織の統合を考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 行財政改革の中での定員の適正化の一環というお話でしたが,今回,北区,江南区,秋葉区,南区,西蒲区では課長5人がポストとして減るという形になるわけですが,実際,これによってどれぐらいの財源捻出が可能なのでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 平均的な給与での計算になりますが,課長5名分の年収で換算しますと約4,000万円の削減効果となります。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 約4,000万円ということで,もう一点確認ですが,今回5区でまず進め,これがうまくいけば,残りの中央区,東区,西区の3区についても同じ形で地域課と総務課を統合するような組織改正を検討しているということでよろしいでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) そのとおりです。地域という意識を持って区職員も取り組んでいると思うのですが,さらに徹底を図るためにも,今回の統合が有効であると考えています。しっかり検証した上で,ほかの3区でも可能という判断ができれば統合したいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 次の質問に移ります。今ほど定員の適正化といった観点から,まず試験的に5区で導入すると,今後,残りの3区にも広げていくという話がありましたが,この2課の統合を受けて,地元紙では,市民生活に密着した2課が統合されれば住民サービスにとって痛手になるといった住民の方の声が掲載されています。特に合併地域の区民は遠い区役所を恐れています。組織改正による住民サービスへの影響は本当にないのでしょうか。地域のニーズに対応するため,今までより地域課の体制を縮小することは,この10年進めてきた分権型のまちづくりを後退させてしまうというおそれを持っている区民もいます。
(2)として,マンパワーの減少はないのか,しっかり体制は確保できるのか,この点について改めて伺います。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 区役所地域課と総務課の統合による効果としては,さまざまなイベントなどの事業や選挙・統計業務といった一時的な繁忙期においても,組織の規模が大きくなることで職員の協力体制がとりやすくなり,課題解決に向け柔軟な対応が可能になるとともに,業務量の平準化や時間外勤務の縮減も図られ,働き方改革にも寄与できるものにしていきたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 今,業務時間の話もありましたが,今回,区役所ではグループ制を導入するということで,より組織が柔軟に課題に対応できるような体制が構築されると伺っています。こういった区民の不安の声には必ずしっかりと応えていただきたいということを申し上げまして,次の質問に移ります。
地域課と総務課の統合をきっかけに,これからさらに大きな区役所につなげていくというようなお話がありました。区民にとって頼れる,大きな区役所が求められているわけです。では,この大きな区役所とは一体何なのか。12月定例会で市長ともお話しさせていただきましたが,ただ人数が多いとか,規模が大きいといった区役所ではなく,住民主体のまちづくりが進みやすく,そういった環境や体制が整っている区役所が大きな区役所なのではないかと私は考えています。
また,自治協議会の役割がこれから変わっていくことも考えられます。今,区自治協議会のあり方検討委員会の中で,今まで自治協議会の中では報告事項が多かったということについて,より地域ごとの課題について協議できるような場にしていこうではないかという議論がなされていると伺っています。そうなれば当然,今まで区自治協議会の事務局を担っていた地域課も,今までの本庁の報告事項を調整する役割から,より地域に入り込んだ運営が求められ,今まで以上に機能強化が求められるのだろうと思います。
(3)として,住民により近い大きな区役所にするために,今後,区役所にどういったことが求められるとお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 地域の皆様の声に耳を傾け,その声を区政に反映させることは,最も身近な行政窓口である区役所の大きな役割の一つと認識しています。
区役所がこれまで以上に地域に寄り添い,持続可能で特色あるまちづくりを進めていくためには,裁量権が少ない分野は本庁に集約するなどの効率化や,専門性確保の観点から業務を点検し,区役所と本庁の役割分担を再整理する必要があると考えています。区役所の裁量権がかなりのウエートを占めている部分については,できる限り裁量権を区役所に置くことが大きな区役所につながると考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 これからは裁量権の少ない,大きいで区役所と本庁の役割分担を整理するという御答弁がありましたが,今まで大きな区役所というと,権限,財源をできるだけ区役所に移していきましょうという流れでした。そういった中で,北区では新産業の創出として,大体4年間で4,000万円をかけて事業を行ってきたわけです。この事業のきっかけは,北区内でなかなか雇用の場がなく,雇用の創出が必要だというところから議論がスタートしたと聞いています。しかし,こういった産業政策は,各区で取り組むものではなくて,市全体で総力を挙げて取り組まなければならない問題なのではないかと思います。航空機産業,これたまたま場所は西蒲区と南区ですが,経済部が主導してやっているわけです。こういったところも踏まえながら,再整理が必要だと思いますが,どのようにお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 産業政策や企業立地,新たな工業の核を立地するようなことについては,工業団地の早期準備などは全市的な観点として全庁で考えていき,市役所が司令塔になる必要があると思っています。また,西蒲区と南区の航空機の共同工場ですが,多様なものづくりの力を持っている三条,燕とも近い将来,連携していきたいということも考え,あそこが立地適地だと判断しました。
北区の事業については,長い海岸線を持ち,保安林の整備などに人的パワーでは限界があるということで,今,開発中のロボットで作業ができるようになると,良好な森林環境に改善できるということも含め,地域性も配慮して北区の事業としました。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 いろいろな課題はあると思いますが,例えば今回のロボット開発なんかになりますと,本当はかなり多額の費用が必要なはずですが,今回,市としては4,000万円しか出ていないと。そこでどれだけの雇用が創出できるか。やはりある程度の金額をかけないと雇用創出はできないと思いますので,本庁でやること,区でやるべきことの役割分担を,もう一度しっかり精査していただきたいと思います。
では,次の(4),区役所改革の今後の展望について伺います。
先ほど市長の御答弁の中にも,大きな区役所のために,しっかりと地域におりていって区民の皆さんの話を聞くという体制をとることが重要だという話がありました。これから大きな区役所,小さな市役所ということを考えたときに,今の財政状況を考えれば,考え方の転換が必要なのではないかと考えています。人件費の抑制が求められている中で,今以上に8区の人員を厚くして仕事の内容をふやすということは,お金の面を考えると限界が出てくるだろうと思います。そうではなくて,できるだけ区役所の職員が地域におりていって,しっかりと要望を聞く。そしてそれをすぐ本庁に伝えて,しっかり市政が変わっていくということであれば,区民は恐らく市役所,区役所が近くになったねという評価をすると私は思っています。
市長は2019年中に区役所改革の方向性を出すと話されていますが,残された任期でどのあたりまで対応するとお考えでしょうか。予算編成に当たって執行部が作成した資料の中には,他の政令市と比較して人件費が高い要因として,区役所と出張所が多く設置されている,各区役所に農業部門が設置されている,公民館が多く設置されているといった具体的な記載があります。公立の保育園については既に一定の方向性が示されていますが,次期行政改革プランではどのあたりまで具体的に記載するとお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 今年度より区役所改革担当の部長を配置し,各区役所や出張所との意見交換などを通して課題の洗い出しを行い,組織体制や業務の見直しを初めとした区役所改革に着手しました。
また,改革のスピードを上げるために,次期行政改革プランについて,9月をめどに策定し,その中で区役所改革を含めた行財政改革の方向性を示す予定です。
今後,外部有識者会議の意見を伺い,市民や議会の皆様とも意見交換をしながら,取り組みを具体化させていきたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 9月をめどにという時期的な言及がありましたが,市長から先週の答弁で区の数について,合区したメリットやデメリットも示していきたいとの答弁がありました。例えば,大阪市の試算を見てみますと,何区体制で,ここの区とここの区を一緒にしたときにこれぐらいのコストがかかるよという具体的なシミュレーションがなされた上で費用についての記載があり,メリットやデメリットがわかる形になっていますが,市長としては,9月ごろに示すときに,そういった合区案的なところまで含めてお考えなのか伺います。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 先日お答えしたように,大阪市の改革に加えて,浜松市がことしじゅうにかなり大きな改革の方向性を示すという意向ですので,そこで出されるさまざまなデータも,活用できるものは大いに活用したいと考えています。
まず,本市としては,中央区と東区を合区した場合のメリット,デメリットを先行して示していきたいと考えています。さらに,今,浜松市が7区を3区にした場合,2区にした場合ということでデータを作成中のようですので,例えば簡単に8区を4区にしたらどういうメリットが出て,どういうデメリットが考えられるかということについても,外部有識者会議にどんどん資料をお出しして御議論いただきたいと思っています。9月をめどに策定する次期行政改革プランには,区はこうしたほうがいいということは示さない方向です。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 そうしますと,例えば8区が4区とか,いろいろなシミュレーションがあると思いますが,いつごろ我々市民に提示されるようなスケジュールでお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 先ほど申したように,中央区と東区の合区について先行して示し,あと一般的に8区を4区にした場合というようなことについては,それほど具体的なデータではありませんが,浜松市のものを準用するとこのぐらい経費の節減につながるというようなことは,夏ごろにはお示ししていきたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 そうしますと,例えば8区,4区という話がありましたが,住んでいる区民,特に合併地域の住民からしますと,その4区はどこなのかと,どことどこをそう考えているのかと,一般的な話といいながら,どうしても区民としてはそういう心配が出てくるわけですが,そのあたりはいかがお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 私が言うことかどうかわかりませんが,夏ごろになると恐らくこの秋の市長選挙の構図も明らかになってくるだろうと。我々は行政改革プランの中で,区の数を少なくした場合はこういうメリットやこういうデメリットがありますという一般的なことについてはお示ししたいと思いますが,それを踏まえてどうするかということは,恐らくそのころには次期市長選挙に立候補される方がさまざまな政策を練り上げていくと思いますので,私はそちらのほうが市民の関心を呼ぶのではないかと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 市長選の動向という話もありましたが,やはり119億円でかなり市民は不安感を持たれました。私たちの新潟市は大丈夫なのかと。そして,ここに来て合併地域を中心とした5区で課の統合があると。区の数が多いという指摘もあります。また,公民館が多いとか,農業部分も多いということも,合併地域があるから多くなっていると。これは本市の特徴の一つだと思いますが,捉え方によっては,合併地域の自分たちばかり何か取り上げられていて,もしかすると切り捨てられるのではないか,こんな不安の声も一部では聞こえてくるわけです。今,区の数の議論がありましたが,効率性ばかり重視して,区の数ありきで区の数をどうする,こうするということではなくて,何のために行財政改革をするのか,区の数を減らすのかどうなのか,そこが一番大事だと私は思います。市長は,分権型政令市を推し進めてこられた市長として,大合併の議論の重みを一番感じている市長だと思っています。特に合併地域の住民の皆さんには,市長から,合併地域も分権型政令市の理念でこれからもしっかりやっていくのだという丁寧なメッセージ,力強いお言葉があったほうがいいと思いますが,いかがでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) この分野が他政令市に比べて多いということはお示ししていますが,逆に言えば本市の特徴であり,強みにつながるという部分も多いと思います。その強みの部分と,持続可能にしていくという部分がどこで重なり合い,それが本市のいいところだと5年後,10年後も言っていただけるのか,しっかりと見きわめていくためのさまざまな資料,データについては積極的にお出ししていきたいと思っています。公民館は間違いなく多いわけですが,各地区にコミュニティセンターも配置されており,公民館とコミュニティセンターの役割についての議論もしっかりやっていく中で,単なる数をこうするという議論にならないように我々も気をつけていきたいと思います。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 どうしても行財政改革で数字の話になってしまいますと,先に数字がありきということで地域の方は不信感を持ってしまう場合もあります。何の目的なのか,そこが一番大切ですので,しっかり伝えていただきたいと思います。
次に2,住民サービス向上及び職員配置の適正化のためのAI活用についてです。
このテーマは,先日,小野清一郎議員が詳しく触れられましたので,私のほうでは簡潔にいきたいと思います。
私はAIの活用で,単に人を減らすのではなくて,対人サービスに人を回せるようになることが最も大きな効果だと考えています。機械に代替可能なものはAIに,余った人的資源は対人サービスの充実に回すことが,分権型のまちづくりをする上では重要です。また,当然ながら,長時間労働の是正にも使える可能性はあります。
新年度予算で事業見直しによるコストカットが行われましたが,短期的なカットだけではなく,中長期的な視点で歳出削減につながる技術に投資することも重要です。
そこで(1),AI活用についての考え方をまず伺います。

○副議長(阿部松雄) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕

◎総務部長(井崎規之) AI技術は急速な進化が注目を集めており,住民サービスの向上と業務の生産性向上の両面で活用が期待されています。
本市としても,多様なICTの革新が進む中で,新しい技術の動向を把握し,官民を問わず広範囲での活用を目指すことが必要だと考えています。AIを含むさまざまなICTを,市民サービスの拡充や業務の効率化,そこから生み出される人員の再配置,長時間労働の是正など,行財政改革にも資するものとして適切に活用していきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 次に(2),AIなどを使って住民サービス向上へどう活用できるか伺います。
三菱総合研究所が,いろいろな自治体で実証実験を行っています。政令市の例でいいますと,川崎市ではAI職員というものがいて,住民が何か問い合わせをすると,簡単な問い合わせについてはAIが答えてくれて,難しいものについては実際に窓口につなぐということをしています。ごみの分別について,本市ではコールセンター方式でやったり,アプリを活用していると思いますが,横浜市では,こういったところにもAIが活用されています。
本市として,住民サービス向上へAIをどのように活用すると考えているのでしょうか,お聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕

◎総務部長(井崎規之) AIを活用した住民サービスの向上に向けた実証実験が全国の自治体で始まっていることは承知しています。本市においても,既存の技術では効率的に解決できない行政課題について,積極的に企業等と意見交換を行っているところです。
西蒲区巻地区で議員御指摘の三菱総合研究所が行う,AIを用いた対話型ご意見聞き取りサービスの実証実験においては,公共施設のあり方に関するアンケートにおいて,スマートフォンやパソコンなどを用いたAIとの対話により,市民意見を把握できるか検証が行われているところです。
今後も技術の発展を注視しつつ,課題解決に向けた民間との情報交換を積極的に実施し,住民サービスの向上及び行政の効率化に貢献する技術の導入について研究を続けていきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 この分野についてはぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
次に,こういったAIの活用によって,行政サービスだけでなく,職場内の業務の効率化や職員の適正配置につながるということも考えられます。先日,小野清一郎議員の質問にもありましたが,保育園の入園について,今は非常に難しい点数制度で,公平感を保つために自治体が非常に苦慮されていますが,さいたま市では,この作業が人手でやると大体50時間かかるところを,AIがやったところ数秒で終わってしまったと,また,人間がやるのと同等の結果が出たということです。こういった分野については,どんどんAIに移していったほうが,より人手を必要なところに動かせるという例も出始めています。
そこで(3)として,本市としてはこういった職員配置の適正化,業務の効率化について,どういった形でAIを活用しようとお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕

◎総務部長(井崎規之) 庁内の事務に対してもAIを活用することについては,業務の効率化や人員の再配置,長時間労働の是正など,行財政改革の観点からも有効だと考えています。
現在,具体的には総務部において,各所属から寄せられる給与や福利厚生の手続の問い合わせに対し,AIによって自動回答できないか実証実験を行うなど,総務事務の効率的な運用に向けた研究を進めているところです。今後も,技術の進歩に合わせて適切に活用できるよう研究していきたいと思っています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 長時間労働の是正の問題もかなり議場で取り上げられていますが,そういったところにも貢献する技術だと思いますので,今後も積極的な活用をお願いしまして,次の質問に移ります。
3,ボランティア(地域力,市民力)に頼り過ぎるまちづくりの課題についてです。
地域力,市民力の強さは本市の特徴,強みの一つでもあり,また分権型政令市の根幹になる部分です。市長が主導してきた全地域でのコミュニティ協議会の設置,それによる安心,安全のためのコミュニティ単位での自主防災などについては大きな成果ではないかと考えています。
その一方,ボランティア的なものに頼り過ぎ,担い手が同じような人たちに集中し,負担感が強くなっており,今後どのようにして継続させていくかが一つの大きな課題になっています。例を挙げれば,民生委員であったり,先週の一般質問で石附幸子議員が取り上げた子ども食堂や読み聞かせボランティア,また,きょう午前中に深谷成信議員が触れたコミュニティ協議会等々,本市では今,さまざまなものが市民力,地域力を生かしたボランティアの皆さんによって支えられています。
そこで今回は,市民の方から御意見を頂戴しましたふれあいスクールを例に考えていきたいと思います。
(1)のアとして,現状,課題についてです。
ふれあいスクールとは,小学校の施設を利用して,放課後の子供たちに安心,安全な遊び場を提供する事業で,子供たちは無料で参加することが可能です。見守ったり,一緒に活動するのは保護者や地域の方々です。一部の方には報酬が出ますが,大多数のボランティアである地域住民やPTAの役員には報酬がなく,地域のボランティアなしには活動が成り立たない現状があります。
また,ボランティアに頼っているため,どれぐらいふれあいスクールを行うのかといった頻度について,地域間格差が出始めてきています。ある地域の方からは,ボランティアを募集したいのでチラシをつくったけれども全然人が集まらないので,どうにかして市に人を出してほしいという,地域の子供を思う保護者の方からの切実な声も聞こえてきました。
そこで,まず現状と課題についてお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 前田教育長。
〔前田秀子教育長 登壇〕

◎教育長(前田秀子) ふれあいスクールは現在,67カ校で実施していますが,今年度は1月末現在で1校当たり平均39.4回開催され,子供の参加人数は延べ14万8,080人,1回の開催につき平均58.7人でした。また,ボランティアは1月末現在で延べ1万9,403人,1回の開催につき平均7.7人の方から参加いただいていることになります。平成28年度は平均7.6人でしたので,昨年度に比べ,ほぼ横ばいという状況になっています。
しかし,これは実施校全体の平均であり,議員お話しのとおり,ボランティアが集まらないことが原因でふれあいスクールの開催日数を減らした学校や,活動を縮小する学校もあり,必要なボランティアの確保が課題となっています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 実際にボランティアが不足して回数を減らしている事例もあると御答弁がありましたが,実際にそういった事例はどの程度あったのでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 前田教育長。
〔前田秀子教育長 登壇〕

◎教育長(前田秀子) 平成28年度と平成29年度の比較では,39校で開催日数が減少していますが,このうちの35校は,主に冬場の大雪やインフルエンザという理由によるもので,残りの4校がボランティア不足が原因ということです。このうち,今年度当初からふれあいスクールの開催日数を減らしたのが2校,今年度の途中で開催日数を減らしたのが2校と把握しています。
また,この減らした学校等からの聞き取りによりますと,ボランティアが不足している理由としては,なかなか地域やPTAの方から開催するのに十分な人数の方に参加していただくことができない,あるいはボランティアの方の高齢化によって参加される方が減ってきたということが挙げられています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 現在は4校かもしれませんが,これからもっと拡大していって,ほかの学校でも同じような問題を抱えることが当然考えられるわけです。
そこで,次にイとして,今後の対応についてはどのようにお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 前田教育長。
〔前田秀子教育長 登壇〕

◎教育長(前田秀子) ふれあいスクールのほとんどは,教育委員会と各校のPTAの共催で実施しています。地域の方とともに,PTAの皆さんが積極的にボランティアに参加できるよう,PTAを交えた研修会で好事例を紹介するとともに,各校で開催する運営委員会において,それぞれの実態に合わせた運営についての助言や支援をこれまで以上に行っていきたいと考えています。
また,市内の各大学や専門学校にボランティアの協力を依頼しているところですが,依頼する大学や専門学校の数をふやすとともに,学生に直接ふれあいスクールの意義を伝える工夫をするなどして,ボランティア不足に悩むふれあいスクールを支援していきたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 大学との連携というお話もありましたが,これからどんどん大きくなってくる課題ですので,早目の対応をお願いして,次の質問に移ります。
次に4,りゅーとぴあ開館20周年におけるNoismの役割についてです。
今までは,市民力,地域力を土台とした分権型政令市の課題と今後の展望について議論させていただきました。次は,にいがた未来ビジョンに掲げられる都市像,創造交流都市についてです。ここではNoism,そして次の質問5では氷上スポーツ,特に事前合宿受け入れで注目が集まっているフィギュアスケートを例に,現状と課題について議論していきたいと思います。
まず(1)として,Noismの成果と課題についてです。
あす,田村要介議員がこのNoismについて,私とは少し違った角度で,私より鋭く突っ込んで質問されるということですが,私は私なりの観点で,このNoismについては賛成といいますか,活動を評価するという立場から議論していきたいと思います。
Noismについては,年間約5,000万円が市からりゅーとぴあを通じてNoismに出ており,市のお金が入っているわけです。当然ながら,公金を投入する以上,市民に納得してもらえる使い方が必要です。そのためにも,現状と課題をはっきりさせて,市民の皆さんに納得いただく必要があると思います。
そこで,今までどんな成果があり,課題があると認識されているのかお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 中野文化スポーツ部長。
〔中野 力文化スポーツ部長 登壇〕

◎文化スポーツ部長(中野力) Noismは,2004年に演出振りつけ家,舞踊家の金森譲氏から,りゅーとぴあの舞踊部門芸術監督に就任いただく際に提案を受け,日本で唯一の劇場専属舞踊団として設立されました。これまで5期13年にわたって活動を続け,世界的な指揮者である小澤征爾氏と共演するなど,国内での活動はもとより,フランスを初め海外10カ国でも公演を行うなど,オリジナリティーの高い創造事業への積極的な取り組みが国内外で高く評価されており,りゅーとぴあが全国で15館のみが選ばれる文化庁の補助金を獲得している要因の一つと考えています。
オーディションで選ばれた舞踊家が国内外から本市に移り住んで活動しており,劇場での公演だけではなく,ダンスの未経験者でも参加可能なワークショップなどを開催しています。また,高等学校ダンス部員を対象としたワンデースクールや,研修生カンパニーのNoism2が中学校に出向いて公演を行うなど,踊り文化の普及,継承の活動にも取り組んできました。本市の高等学校ダンス部は,近年は全国大会での入賞を重ねており,高等学校ダンス部指導者からは,Noismを間近に見られるおかげとの声も聞かれます。
最近では,亀田縞のブランドPRにNoismメンバーがモデルとして参加するコラボレーションが実現するなど,地域の魅力発信にも寄与しています。
プロであるNoismには,高い完成度が求められるため,多くの練習時間の確保が必要です。また,質の高い公演を行うには予算も必要となります。今後は,限られた時間や予算の中で,より質の高い創作活動を行うとともに,アウトリーチ活動の充実など,これまで以上に市民の皆様の理解と支援をいただきながら,踊り文化の発展,向上に寄与してもらいたいと考えています。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 これまで以上に市民の皆さんの理解を得ながら活動を続けていきたいという答弁がありました。一方では,文化の事業になると,よく国内外から高く評価されているという言葉が出てくるのですが,市民にも同様に評価されないと,なかなか継続していかないというところも課題としてあると思います。
中学校に出向いて授業をされているという話がありましたが,ダンスというのは体を使った一つの表現の手法ですので,子供たちに実際に見てもらい経験し,体験してもらうことは非常に重要なことだと思いますが,実際にどの程度,中学校に出向いて公演をされているのか,実績等わかれば教えてください。

○副議長(阿部松雄) 中野文化スポーツ部長。
〔中野 力文化スポーツ部長 登壇〕

◎文化スポーツ部長(中野力) 中学校への出前公演については,昨年までの3年間で各区1校ずつの8校で行いました。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 Noismには練習時間が必要で,質を担保することが必要だということもわかりますが,3年で8校では,市民の皆さんに本当に十分還元できているのか,少し疑問が残るところです。
金森さんはインタビュー記事の中で,このNoismは市民に還元するための事業ではなく,Noismを通じて全国から人を集めることが一つの大きな意義なのだというお話をされていますが,我々新潟市民の税金を使っている以上,新潟市民,その中でも特にこれからの未来を担う子供たちにどう返していくかという視点も重要だと考えています。
その上で,次に(2),今後の展望についてです。
Noismは今まで5期13年継続してきたという話ですが,契約の更新があって,今まで続いてきたと伺っています。契約更新について,タイムスケジュールはどのようになっているのでしょうか。また,契約更新についてどのようにお考えでしょうか,お聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 中野文化スポーツ部長。
〔中野 力文化スポーツ部長 登壇〕

◎文化スポーツ部長(中野力) Noismは,これまで3年ごとに活動期間を定めて活動を続けており,第5期となる今期の活動期間は2019年8月までとなっています。
Noismはりゅーとぴあの専属舞踊団であるため,2019年9月以降の活動については,これまでの活動実績や成果を踏まえ,りゅーとぴあと協議を行い,来年度末までにNoismのあり方を検討していきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 来年度末までにあり方を検討していくということですが,ぜひ考えていただきたいのは,さっき私が指摘した子供たちへの還元,また今,本市は非常に財政が厳しいという中で,水と土の芸術祭についても自主財源の確保ということで公演の一部有料化という話がありました。Noismについても,当然そういった努力を求めていくことが必要だと思いますが,この点について,いかがお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 中野文化スポーツ部長。
〔中野 力文化スポーツ部長 登壇〕

◎文化スポーツ部長(中野力) りゅーとぴあでは,Noismの活動への支援を広く募集していまして,平成28年度は法人,個人合わせて約290万円の御支援をいただいたと伺っています。今後もりゅーとぴあと協力しながら,引き続き自主財源の確保に努めていきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 Noismの問題について,いろいろと議論させていただきましたが,文化事業は,こういった財政状況になるとどうしても注目を浴びてしまいます。これまで継続してきたというのが新潟にとって大きな力になっていて,これを継続していくことが必要だと思っています。しかし,お金あっての話ですので,やり方の問題はしっかり議論していかなくてはいけません。あす田村要介議員がさらに鋭く御質問されるということですので,私はこのあたりで終わらせていただき,最後の質問に移ります。
5,平昌2018冬季オリンピック競技大会のロシアからの選手の事前合宿受け入れの今後の生かし方についてです。
1月28日から2月18日まで,選手,コーチなどが滞在し,すばらしい成果を上げられました。本当にすばらしいことだと思います。私は事前合宿中,メドベージェワ選手とザギトワ選手に囲まれ,人生最高の瞬間と市長が本当にうれしそうな顔で発言されているのをテレビで拝見しました。しかし,事前合宿をしていただいて成果を出した,それでよかったじゃないかというわけにはいきません。ここでも市民の大切な税金を使っているわけですから,どれぐらいの費用をかけて効果があったのか,検証しなくてはなりません。
そこで(1)として,今回の成果,課題についてお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 中野文化スポーツ部長。
〔中野 力文化スポーツ部長 登壇〕

◎文化スポーツ部長(中野力) 平昌冬季オリンピック競技大会に向けたロシアからのフィギュアスケート選手の合宿には,選手13名,役員,コーチなど19名,合計32名の参加がありました。そして,大会では団体戦で銀メダル,女子シングルで金メダル・銀メダル獲得というすばらしい成績をおさめてくれました。
合宿期間中に開催された選手とのふれあい会には約100名,公開練習には2日間で700名を超える市民などが参加し,また長野オリンピックで金メダルを獲得したコーチと,今大会のペアに出場した選手によるワークショップには,地元クラブから約50名のジュニア選手が参加しました。世界最高レベルの技術に触れ合ったことにより,今後の大会で活躍することを期待しています。
また,この合宿により,地元の新聞やテレビだけでなく,全国ネットのニュースやワイドショーなど,延べ90社を超えるメディアに取り上げられ,ザギトワ選手からも,温かいもてなしを受け,練習環境もすばらしかったとの言葉をいただくなど,新潟の魅力やおもてなし,アイスアリーナのすばらしさを国内外に発信することができました。この成果を,現在行っている東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の合宿誘致活動につなげていきたいと考えています。
合宿を通じての課題としては,やむを得ずアイスアリーナの一般利用時間に制約が生じることから,長期にわたる施設の専用利用については,極力,一般利用者への影響を少なくするよう,事前周知の徹底などを図っていきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 今ほどの御答弁の中で,非常に全国的にも注目されたということで,新潟市,またアイスアリーナの名前がかなりメディアをにぎわせていました。今回,効果があったという評価もありますが,瞬間的には物すごく効果は出たと思うのですが,これを一過性のものではなく,今後につなげていくことが重要だと思います。
次に,今回の事前合宿を受け,市長から,新潟をフィギュアの聖地にしたいのだと,こんな発言もあったようです。2014年にアイスアリーナができて,今井遥選手が本市に拠点を移してくださいました。その秋には全日本ジュニア選手権が誘致され,フィギュアスケート熱が高まりました。今回も両選手がメダルをとり,その前には触れ合い教室だったり,子供たちに直接教えてくださったということで,今,同じように熱が高まっているのだと思います。そういった熱の高まりを今後のジュニア育成などに向けていくことも必要だと考えています。
そこで(2)として,フィギュアスケートの現状,今後の課題についてお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 中野文化スポーツ部長。
〔中野 力文化スポーツ部長 登壇〕

◎文化スポーツ部長(中野力) 本市では,フィギュアスケートに限らず,ジュニア層から氷上スポーツに親しむ場をつくるため,市内小学校の児童などを対象とした氷上スポーツ体験学習推進事業を実施してきました。制度利用者は,平成26年度では31校,1,431人でしたが,今年度の見込みでは54校,2,390人ほどに増加しています。
また,主に競技者が行うアイスアリーナの専用利用は,平成26年度の2万144人から,今年度の見込みで2万9,200人へと,約9,000人の増となっており,着実に利用がふえています。
今後,さらなる競技人口増を図るため,氷上スポーツ体験学習推進事業の一層の取り組みに加え,スポーツ施設屋内広告を活用した施設使用料の減免,本市在住で連盟,協会が指定する特別強化選手などを対象にした氷上スポーツ強化選手支援事業の弾力的な運用などを検討し,新潟から将来のオリンピック選手を輩出できるように,これらの事業を推進していきます。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 体験事業で非常にいろいろな方が参加されているということで,裾野が広がっているということだと思います。これは,地元にアイスリンクがあるからこその大きな成果だと思います。
一方,競技をしている方はかなりアイスリンクを使いますので,競技している方への支援で,先ほど答弁にもありましたが,氷上スポーツ強化選手支援事業があります。これはどういった方を助成するシステムになっているのか,再度答弁いただきたいのですが,お願いします。

○副議長(阿部松雄) 中野文化スポーツ部長。
〔中野 力文化スポーツ部長 登壇〕

◎文化スポーツ部長(中野力) この氷上スポーツ強化選手支援事業については,日本スケート連盟などの強化選手に指定された方が新潟を練習拠点として活動される場合に,アイスアリーナの使用料などについて助成する制度になっていまして,今井遥さんが強化指定選手に指定されている間は今井遥さんを支援していたということです。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 日本スケート連盟の強化指定選手を支えるシステムだという答弁ですが,実はここ1年,この助成を使っている方はいませんでした。今井選手もけがをされて,実は本市から支援がなかったという実情もあります。せっかく練習拠点を本市に移してくださって,アイスアリーナのオープンのときもすごく全国的に注目を浴びるようになったきっかけをつくっていただいた方に対して,市として少し冷たい対応だったのではないかと思っています。
市長からは,土曜日のアイスアリーナ4周年イベントの挨拶で,2022年の北京冬季オリンピックには,ぜひこの新潟からオリンピック選手を出したいのだという力強い御挨拶もありました。しかし,現状,新潟県関係の方では,その日本スケート連盟の強化指定になっている選手がいません。つまり,今のシステムでは,一生懸命やっている方でも本市として支える仕組みがないことになりますので,むしろ日本スケート連盟の強化指定選手になれるように支援する仕組みが必要だと思いますが,そのあたりはいかがでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 中野文化スポーツ部長。
〔中野 力文化スポーツ部長 登壇〕

◎文化スポーツ部長(中野力) 先ほども申し上げましたが,氷上スポーツ強化選手支援事業については,今議員がおっしゃられたような対応もできるだけできるように,弾力的な運用を検討していきたいと思います。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 ぜひ,新潟で一生懸命活動している選手に対する温かい支援の仕組みをつくっていただくように検討をお願いしたいと思います。
また,今井選手は,3月3日,新潟アサヒアレックスアイスアリーナ4周年イベントでエキシビジョンを最後に引退されました。引退された後は指導関係にも携わりたいというような趣旨のことをおっしゃっているという話です。本市に非常に貢献された方です。また,新潟市文化・スポーツコミッション親善大使としても御活躍いただきました。選手生活は終わりますが,もし指導者になって本市に残っていただければ,当然強い選手が出てくる基盤もできるわけです。ぜひここは積極的にかかわっていただきたいということ,また最後に,今井選手の功績への評価,お言葉がありましたらお願いします。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 今,御指摘があったように,今井選手については新潟市の文化・スポーツコミッション親善大使という形でも御活躍いただき,新潟アサヒアレックスアイスアリーナが脚光を浴びる端緒をつくっていただいたということで,非常に感謝しています。今井さんのこれからの御希望についてもしっかりと意見交換するよう担当には申し上げており,私どもも3月3日の最後の演技や,小さいころから一緒に鍛え合った仲ということで村上佳菜子さんから花束も贈呈いただきました。今井選手も大変感激していただいたということで,一旦の幕切れとしてはいい幕切れになったのではないかと思っています。次の幕があくかどうかは,今井選手のお気持ちをしっかり聞きながら考えていきたいと思います。
〔小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
〔小柳 聡議員 登壇〕

◆小柳聡 大きなイベントも結構ですが,こういった活躍している一人ひとりの方にしっかり焦点を当てていただいて,温かい市政を今後も進めていただくことをお願いして,質問を終わらせていただきます。(拍手)