9月定例議会にて一般質問「新潟市集中改革プランは聖域を設けるのか?」

本日9月定例議会にて一般質問の機会をいただき、登壇し中原市長と議論しました。質問した内容、私の主張は以下の通りです。

一番のポイントは、集中改革を行う本気度です。同じく財政難の新潟県は、普通建設費を10%以上削減する内容を示しています。一方、新潟市は普通建設費についてはほとんど触れていません。聖域を設けず、本気で財政改革を行う新潟県と、市長給与の減額という一時的なパフォーマンスで本質的な部分に切り込まない新潟市。その点について厳しく追及しました。最後には、市長から「新年度予算に併せて検討する」との答弁を引き出しました。

以下、回答については、後日追記させていただきます。

1、新潟市集中改革プランの素案について

(1)評価について

・3年間で14億円=今までの削減額―2019年8億円、2018年44億円を見ると、毎年の行革効果額と比較し、そう大きな金額ではない。

→どのあたりがスピードアップしたのか?強化されたのか?素案についての市長自身の評価は?

(削減額14億円の中身)

・3年間で14億円の削減額のうち、約11億円が人件費の削減によるもの。

・つまり、新たに事務事業見直しによる削減は約3億円のみ

・約11億円の人件費削減の内容は市役所職員の人員削減

・篠田市政時代の2018年に策定された「新潟市定員配置計画2018」では2019年度から2023年度までの市役所職員の人員削減数が設定されていた。

(2019年40人、2020年55人、2021年55人)

この人数を金額換算し、人員削減効果とうたっているのが「集中改革プラン」の実態で、目新しいものではない。

篠田市政時代の行政改革と何が変わったのか?どうスピードアップしたのか?この点についてはどう評価するか?

中原市長自身の視点―見直し内容の妥当性)

・「就学援助制度」「放課後児童クラブの利用者負担のあり方」

この2つについては制度変更の是非が市議会でも議論になった。人口減少問題がこれだけ問題になっている中、教育、子育て支援の事業費を減らすことが中原市長自身の視点なのか?

 

(普通建設費の抑制)

・新潟県行財政改革行動計画(案)では普通建設費も例外なく削減することが明記されている。花角知事も聖域なく改革すると議会で発言。

例)補助事業―令和元年度当初予算の90%以内

単独事業―令和元年度当初予算の90%以内

→市長の給与カットなどの話はあったが、建設事業費についてはない。

集中改革を本気でやる気概があるのであれば、その場しのぎの給与カットではなく、多額の予算が投下されている建設事業費の見直しも例外なく進めるべきではないか?

(人件費削減効果の妥当性)

・14億円の削減額のうち約11億円を占めるのが人件費削減。この数字は本当に実態を伴ったもので実現可能なのか?―10年間の削減しか書いておらず3年間の削減額が書いてないものがある。

例1)学校調理業務を民間委託―97人を10年間で削減(退職見込み)

=今までも2014年から組合と交渉しながら毎年2校程度委託してきていたのを今後も継続(集中改革だから新規で削減に取り組む訳ではない

→10年間で32校を新規で委託とあるが合意できているのか?

例2)用務員業務の見直しー85人を10年間で削減(退職見込み)

=退職者分を補充せず事務委託することで用務員の人員を削減する内容

去年組合と交渉→合意できず→今年度は委託できず削減することができなかった→用務員さんの組合と合意を得ている内容なのか?

(3)歳入確保のための入湯税徴収について

入湯税―温泉等を利用する入湯客に課される税で、環境衛生施設、鉱泉源の保護管理、観光の振興に要する費用にあてるための目的税

(入湯税の課税基準)

・専ら日帰り温泉施設で1000円以下は免税

・宿泊できる施設で日帰りプランの場合は課税対象になる

(データー入湯客)

平成24年度ー14万人、平成28年度ー16万人

入湯税は2000万円程度。今後外国人観光客の増加も考えられ、収入はしっかり確保する必要あり

→入湯税は自己申告で行政がチャックする機能なし。公平性の確保はどうか?しっかり徴収できているか?

 

(4)行革インセンティブについて

「顕著な工夫による努力削減を実施した部署にメリットを還元する仕組み」として行革インセンティブの検討とあるが、具体的にどういったイメージか?

  

2、「にいがた都市交通戦略プラン」に基づく誰もが住み慣れた地域で安心して生活できるための交通施策について

(1)公共交通空白地域の現状認識について

公共交通空白地域・・バス停から300メートル、駅から500メートル以上ある地域

→新潟市は居住人口の10パーセントが公共交通空白地域=10%の地域に光をあてるのが重要。この点についてどう考えるか?

(2)高齢者ほど高い自動車依存の状況について

・自動車依存による市民の不満

「自家用車に頼らなければ移動しにくいと感じる市民の割合

2017年度–78%=相当な不満がある。

(高齢者ほど自動車依存)

・新潟市の移動する際の交通手段において、自動車がどれくらいの割合で使われているかを示す自動車分担率=5年間で2%上昇し71%に微増

・65~74歳では5年で6%上昇し74%、75歳以上では9%上昇の64%

=65歳以上の移動が大きく増加

→高齢者ほど自家用車に頼る生活になっており、今後さらに上昇することが予想される。どう対応していくのか?

(3)免許の自主返納の状況について

高齢者ほど自動車で移動することが増えてきており、今後高齢化の進展によりさらに増えていくことが予測される。

一方、高齢化の進展により、移動したいが、高齢のため運転に不安を覚え免許を返納する市民が今以上に増えることも想定される。

→免許の自主返納の件数推移はどうなっているか?

(4)自治会等の地域主導による取組について

にいがた都市交通戦略プランに「自治会等の地域主導による計画づくりや運営を推進する」と記載がある。

→地域主導による計画づくりとは?

(5)担当部署間の連携の必要性について

交通弱者等の市民の生活を守ることに対して、担当課がない。住み慣れた地域で安心して生活できる環境づくりは人口減少と並んで重要なテーマ。

「公共交通をどうするか?」ではなく、「生活を守るためにどうするか?」が住民側の視点。

免許返納は市民生活部(交通安全)だが、高齢者の見守り支援という意味では福祉部(高齢者への福祉)が所管。事業者が行う配色サービス、移動販売等の補助は商業振興課。一方、公共交通は都市政策部が所管。

市民の立場からすれば、自分たちの生活をどう守ってくれるかという問題だが、現状は縦割り行政の象徴のようなケース。

→この問題に一体的に対応するチームが必要ではないか?

・集中改革プランの素案にある今後の組織の見直しの中に課題解決型組織の設置として「権限、予算を備えた実行組織の設置」を目指す旨あり。まさに住み慣れた地域で安心して生活できるまちづくりは対象となるべきケース。

→検討を進め「交通弱者対策チーム」のようなものをモデル的に作り対応を強化すべきではないか?

3、拠点化により人が集うための施策について

「ハード面の整備」

ア バスタ新潟構想の概要・経緯について

国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会で「今後の「バスタプロジェクト」の展開に向けて」という資料の中で札幌、仙台、呉、大宮、長崎駅とともに新潟駅が検討箇所として提示された。バスタ新宿が有名

→南口が検討箇所として国土交通省の資料の中では示されていたが、この構想の概要はどのようなものなのか?またどういう経緯でこの構想が出来上がったのか?

イ 事業の必要性について

・新潟市は高速道路網が整備されており、高速道路を使えば、90分以内で越後湯沢、瀬波温泉、上越など県内各地まで行くことができる。観光拠点として新潟駅の高速バスターミナルを考えることで、福岡市のように新幹線、空港との連携により多くの観光客を迎える可能性が広がる。

<県外路線―19路線>複数のバス会社あり

(1)大宮・東京線(2)京都・大阪線(3)仙台線 (4)名古屋線(5)長野線

(6)富山線(7)金沢線(8)郡山線(9)会津若松線(10)山形線

(11)高崎・前橋線

「夜行バス」

(1)東京線(2)仙台線(3)横浜線(4)TDL線(5)成田空港

(6)名古屋線(7)大阪・京都線(8)USJ線

<県内路線―8路線>

(1)巻潟東IC駐車場線(2)三条線、燕線(3)長岡線(4)上越線

(5)柏崎線(6)糸魚川線(7)十日町線(8)五泉・村松線

・一方、バスタ建設にあたっては財政負担についてはシビアに考えなければいけない。

例)奈良公園バスターミナル

『渋滞解消』にむけ約45億円かけバスターミナルを建設

利用者数は行政が想定した半数程度=慎重な需要予測、財政シミュレーションが必要

→新潟市の財政状況を踏まえた上で、必要性についてどう考えるか?

(収支見通し)

→国の直轄事業になるのか?財政難の中、市がどういう収支見通しでお金を出すか?

「ソフト面の整備」

ハード面の整備だけでなく、今あるものを活かして新潟に集ってきた人々、新潟に住む市民の利便性をいかに上げるかも考えなければいけない。今ある電車、バス、タクシー、レンタサイクルなどの交通手段をICTでつなぎ、利用しやすくするシステムが注目されている。

経済産業省、国土交通省が移動課題の解決及び地域活性化に挑戦する地域や企業を応援する新プロジェクト「スマートモビリティチャレンジ」を全国28の地域を選定し進めており、この度新潟市も選定された。

(2)スマートモビリティチャレンジによる市民の公共交通の利便性向上について

・日本ユニシス、新潟交通が実施

・2020年度から複数交通モードでの定額制および生活サービスと連携。

=電車、タクシー、バスを利用しても市内であれば定額料金?

地域ICカード「りゅーと」をアプリ化

→魅力的な内容が記載してあるが、具体的には何を実施することになる? 今後のスケジュール、展望は?

4、新潟市のAI人材育成について

日本では2020年までに37万人のIT人材が不足すると予測され、90%の職業で基本的なITスキルが必要とも言われている。

学習指導要領の改訂により2020年度から全ての小学校でプログラミング教育が必修化。

プログラミング教育は、新たな教科ではなく、算数や理科、総合的な学習の時間などの教科の中で実践される。 

(1)2020年度プログラミング教育必修化への準備状況について

今までプログラミング教育をしたことのない教職員が教えるので、準備が大変。→教職員への研修など児童・生徒に教えるためのソフト面の準備状況はどうか?

(2)「平成30年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」で明らかになった全国の中で新潟県が最も整備が遅れている無線LAN等の学校教室等でのハード面の整備状況について

 「平成30年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査 調査項目」

(1)教育用コンピューター1台あたりの児童生徒数

(2)無線LANの教室整備率

(3)インターネット接続率

(4)普通教室の大型掲示装置整備率

(5)統合型校務支援システム

 

(教育用コンピューターの整備)

→集中改革プランに「学校のコンピュータ予算削減」がある。機器の構成見直しで削減となっている。そもそもコンピューターの絶対数が足りていない現状だか、今後どのように教育用コンピューターを整備していくのか?

(参考)現状ではタブレットは23.4人/台となっており、とても自由に授業で使える状況にない。

無線LANの教室整備率)

・新潟県内の整備率は全国最下位で新潟市も低い水準。

・今後タブレットが普及していけば、今のインターネットの電波を飛ばす機械であるルーターを移動させるというやり方。

ルーター1台につき20人までしか接続できない。各学校にルーターは2つで40人まで対応可能=1クラス分しか対応できない。

プログラミング教育をやろうとしても、肝心の道具がなければ如何しようも無い。

→今後どのようなスケジュールで整備していくか?

(統合型校務支援システム)

導入効果が非常に高い。札幌市では導入により一年間で教員1人あたり103時間の削減、大阪市では224時間の削減と大きな効果を上げている。

他の政令市はほとんどが100%近い数値で整備が進んでいる。2022年度までに100%目標でありながら、新潟市はほぼ0%

→教職員の多忙化解消のため今後どのように整備を行なっていくか?