障がい福祉施設における新型コロナウイルス感染を踏まえての要望書を市長に提出

この度新潟市内で障がい者福祉施設における新型コロナウイルスの感染が確認されました。主な原因として、障がい福祉サービスの特徴とも言える一人の利用者が複数の事業所のサービスを利用しているということ、マスクの着用が困難な利用者が多くいること、また市として、その特徴を踏まえた対策の準備が不十分であったことが考えられます。私も事業者の方からお話を伺い、原因の追求とサービス継続のための支援策の必要性を痛感しました。同僚の青木学議員と意見交換をする中で、要望書の提出が必要だとの結論に至り、私が所属する会派(民主にいがた)と市民ネットにいがた(青木学代表)で、共同して要望書を提出しました。

今後実態調査をするとの回答を頂きました。私からはできるだけきめ細やかな対応を求めました。

1 感染拡大防止に向けた情報提供と連携体制の早急な構築について

(1) ある事業所で利用者、あるいは学校で児童生徒に感染者が出た場合、その利用者のサービス利用状況を把握している障がい福祉課と保健所とで情報共有を図り、速やかにその利用者が利用している他の事業所に情報を伝え、関係事業所において適切な対応を取ってもらう仕組みを早急に構築されたい。

(2)  今回の案件では、情報が錯そうし、各事業所が対応に苦慮したと聞いている。私たちとしては、市の初動が遅れたという認識を持っているが、市として、このように感染が拡大した原因をよく検証し、その内容を事業所、利用者、保護者に説明する必要がある。

またその検証を踏まえ、できるだけ速やかに事業所側と協議の場を設け、障がいサービスの現場の実情を深く理解した上で、一層緊密な連携の下、効果的な感染防止体制を構築するよう求める。

2 運営面への支援について

障がい福祉サービスを提供している事業所は、比較的小規模な所が多い。濃厚接触者と認定された職員は、2週間自宅待機しなければならない。保健所から休業要請は出されないものの、実際にはその間、代替えの職員をサービス提供に充てることができるだけの余裕のある事業所は無く、ほとんどの所が2週間休業の措置を取らざるを得なかった。

電話による相談や状況確認など、報酬につながる一定の代替え措置は用意されているが、そもそもその対応をできるだけの職員もおらず、また仮にできたとしても通常の運営のごくわずかな収入にしかならないものである。こうした障がい福祉事業所の実態と今回の休業に伴う影響を調査し、必要な支援を検討するよう要望する。

3 ワクチン接種について

障がい者やその家族、施設職員は優先接種の対象に位置付けられている。しかし取り分け重度の障がい者が一般の個人病院や集団接種会場で接種を受けることは難しい。そのため保護者からは、本人が通っている事業所で接種できるようにしてほしいとの要望が上がっている。

一方、事業所としては、医師や看護師、会場などを手配できず苦慮している所も多いと聞く。

そこで市として、早急に希望のある事業所に対し、医師や看護師などを斡旋できるようにし、速やかに利用者等がワクチンを接種できる体制を構築するよう求める。

4 本人と家族への支援について

(1) 重度の障がいがあり、一人では隔離、治療対応ができない人に対し、受け入れ可能な医療機関を確保するとともに、家族の付き添いを含め、介助体制が確保されるよう求める。

(2) 障がい者の保護者、家族が感染し、隔離、治療対応が必要となった場合、障がい者本人が安心して過ごせる環境(ショートステイ等)を確保されたい。