新潟市長選挙は現職の篠田氏が当選 9万5301票に込められた意思を受け止める謙虚さが必要

11月9日に新潟市の市長選挙が終わりました。現職が3期12年という公約を破って立候補したこと、BRTなどが主な争点となったような気がします。結果は篠田氏が9万5301票での4選を決めました。知名度の点から現職有利の声は聞こえましたが、新人2人が吉田氏は8万8206票、斎藤氏は7万9851票と合計16万8057票を集め、現職の方針に待ったがかけられた形となりました。

 

まず、今回の選挙戦で気になったのが、投票率の低さです。前回に比べ10%近く上がったという報道もありましたが、40.57%。10人に約6人は投票に行っていない計算になります。全有権者数が65万8862人ですので、有権者のうち14.4%しか当選した篠田氏を支持していないことになります。

 

新潟日報より

新潟日報より

BRT問題をはじめとして、市長の方針に「反対」であるとの声がよく聞かれましたが、これだけ多くの市民が投票に行っていない現実を見ると、政治家と有権者の信頼関係が崩れてしまっているのではないかと感じました。

有権者は、どの政治家がトップに立ったとしても、「結果は変わらないであろう」という諦めの境地にあるのではないでしょうか。政治学でいう有効性感覚がないといえます。一方、政治家側も、自分たちに関心を持ってもらえる有権者にのみ政策を訴える。結果、双方はお互いを求めなくなってしまってきているのではないでしょうか。

 

「BRTの問題については95%が誤解で、説明可能だと思います。」

 

市長が当選後に話された言葉です。政治家と有権者の間に信頼関係があれば、こういった発言は生まれなかったはずです。過去を嘆いても何も変わりません。今すべきは、市民の声に素直に耳を傾け、話を聴くことです。そこが関係再構築の第一歩になるはずです。

28の挑戦 小柳 さとし