平成29年6月定例議会 議事録

小柳聡 民主にいがたの小柳聡です。通告に従いまして,一問一答形式で質問をさせていただきます。
まず1,病児保育を初めとする子ども・子育て支援のあり方についてです。
人口減少への対応が自治体の最重要課題である昨今,全国の自治体が競い合うように子ども・子育て支援に力を入れています。本市も今年度からこども未来部を設置し,組織横断的に対応を始めました。そんな中,本市ではこの4月に12年ぶりに待機児童が発生し,注目されました。待機児童発生の要因として,地域によっては足りない部分があったということがこの数字にあらわれた。今後もっと厳しくなるだろうと,市長は記者会見で厳しい見通しを示しています。
そこで(1),現時点での保育園入園状況,今後の取り組みについてお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 小柳聡議員の御質問にお答えします。
保育園の入園については,保育園などの整備によって,この10年間で約5,000人の定員を拡充しましたが,ゼロ歳・1歳児の入園希望が年々増加しており,本年4月においては2名の児童が待機児童となりました。6月時点では待機児童は解消されていますが,保護者が希望される保育園に入園できていない児童もいます。
今後の年度途中入園においても,特に低年齢児は希望する園での入園が難しい状況が見込まれますが,個々の家庭の状況を詳しく確認し,保護者に寄り添う姿勢で丁寧に対応していきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 寄り添って対応していくという話がありました。先日,伊藤健太郎議員からも問題提起がありましたが,国で待機児童ゼロを目指すプランが3年先送りされたということで,どうしても子育ての問題が政争の具にされてしまったのかなという印象を持ってしまった方も多いのかと思います。やはり本市としては,基礎自治体として,政争の具にするのではなく,着実に寄り添って対応いただきたいと思いますが,いかがでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 大変な思いをされているお母さん,お父さん,あるいは御家族の方の気持ちをしっかりと受けとめて,むしろ潜在的待機児童を掘り起こして対応していくつもりで取り組むことが重要だと思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 丁寧に対応いただくという市長の決意をいただきました。
次に(2),病児保育についてです。
先日,伊藤健太郎議員も取り上げましたが,病児保育の必要性が今高まっているということです。特に子供の減少は深刻な課題です。具体的な数字で見てみると,その深刻さは一層わかります。総人口は国立社会保障・人口問題研究所の数値に比べ上振れだったということで,市長も安堵したという発言もありましたが,内容を見てみますと,ゼロ歳から2歳の人口は5年前と比べて約7.2%減少していて,中でも北区,江南区などといったベッドタウンでは10%以上減少していると。これは非常に深刻な事態です。一方,共働き比率は政令市トップで,40%を超えています。子供の減少の一因として,働きながら子育てする環境が不十分なことが考えられます。こういった点について,公としてどうサポートしていくのかが大きな課題であり,その一つとして病児保育の問題が挙げられます。
本市では現在,5つの区に9つの施設があります。利用には事前登録が必要です。その登録状況を調べてみました。登録は生後6カ月から小学校6年生までできるのですが,登録者のうちゼロ歳から2歳の割合が全体の70%を占めています。つまり,ゼロ歳から2歳の子供のうち,どれぐらいの子供たちがこの病児保育の利用のために登録しているかを見ることで,およその登録状況が見えてきます。病児保育のない区,北区,南区,西蒲区ですが,この3区では大体平均して登録率が5%少しとなっています。一方,病児保育のある区ではこの登録率が大体15%ということで,設置している区は未設置区に比べて約3倍の登録率という状況です。しかし,ニーズがないから登録していないわけでは決してありません。江南区では,平成24年から平成25年にかけて登録者が約3倍に増加しました。これは,江南区内に病児保育施設が設置されたことが大きな要因と考えられます。設置さえされれば登録者がふえるということが数字の上でも明らかになっています。
本市の子ども・子育て支援事業計画では,施設の設置により,例えば北区では3.6倍,南区では7.8倍,そして西蒲区では20倍に利用者が増加すると想定されています。やはり私は市内全ての行政区に設置されることが望ましいと考えます。
これらのことを踏まえ,(2),病児保育の位置づけ,現状,不足状況についての認識をお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 山口こども未来部長。
〔山口誠二こども未来部長 登壇〕

◎こども未来部長(山口誠二) 病児保育は,病気や病気回復期の児童で保育園などの集団保育が困難な場合,一時的にその児童の容体を見ながら保育を行うもので,保護者の子育てと就労の両立を支援するとともに,児童が病気のときであっても育ちの支援を行うものです。
本市では現在,医療機関併設型の病児保育施設を9施設設置していますが,北区,南区,西蒲区については,これまで設置に向けた取り組みを行っているところですが,設置できていないといった現状です。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 次に(3),平成28年9月定例会の際に,不足している地域に対して,設置に向けてどう取り組んでいくのですかという私の質問に対して,医師会などに働きかけ,医療機関併設型を基本として整備を図っていきたいという御答弁がありました。それから約1年が経過しました。本市の計画では,平成31年度までには全ての行政区に最低1施設ずつ設置する旨の記載があります。このスケジュールでいきますと,今年度,ある程度めどをつけるぐらいのスピード感が求められてきます。
そこでアとして,南区,西蒲区,北区の未設置区では,医療機関に対してこの1年間,具体的にどのように働きかけを行ってきたのでしょうか。また,担当は各区の健康福祉課なのか,それとも保育課なのか,御答弁をお願いします。

○副議長(阿部松雄) 山口こども未来部長。
〔山口誠二こども未来部長 登壇〕

◎こども未来部長(山口誠二) 病児保育施設が未設置の区については,これまでも医療機関への直接訪問や医師会への働きかけなど,区と連携しながら施設の設置に向けて取り組んできました。今後も未設置の3区の医療機関を訪問するなど,積極的な協議を行っていきたいと思っています。
病児保育施設については,さまざまな制限や課題があるので,その辺を詳細に説明する部分でこども未来部保育課が主体的に行っていますが,それぞれの地域の中でどこの医療機関が子ども・子育て支援に対して積極的であるかといった部分については区とも連携しますし,また医療機関については,これまで病児保育施設を開設している小児科の先生方に御紹介いただくなど,さまざまな取り組みをしているところです。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 直接医療機関を訪問されたり,協議をしているという話をいただきました。しかし,結果として3区ではまだ設置が進んでいないということです。設置できない要因として,医療機関併設型にこだわっていることが最も大きな要因ではないかと考えます。医療機関併設型で病児保育施設がなかなかふえていない,これ以上ふえないという現状を考えれば,例えば緊急対応が可能なことを条件に保育所併設型の病児保育施設も検討すべきではないでしょうか。子供の体調は急変することも考えられますから,リスク対応は考えなくてはいけません。
例えば宇都宮市では,2施設以上の協力医療機関を確保するという協定書を結ぶことを条件に,保育所併設型の病児保育施設を認めているという話でした。イとして,先日の伊藤健太郎議員の質問にもありましたが,設置要件の緩和についていかがお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 山口こども未来部長。
〔山口誠二こども未来部長 登壇〕

◎こども未来部長(山口誠二) 本市では,保護者の方が病気のお子さんを安心して預けていただけるよう,急な病状変化への対応も考慮して,医療機関併設型の施設を基本としています。御提案いただいた保育所併設型は,お子さんの急な病状変化への対応が難しいため,対象児童を病気回復期のお子さんに限定したり,医療機関との連携確保を設置要件とするなど,他都市の状況も研究する必要があります。
今年度は子ども・子育て支援事業計画の中間見直しを行うこととしています。その中で,保育所併設型の病児保育施設の設置についても,緊急的にといった考え方になるかもしれませんが,視野に入れて検討を行っていきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 検討を行っていくということですが,仮にこれから保育所併設型を設置する場合に,保育所の方に病児保育に対する理解,協力をしていただくことが欠かせません。今年度から,新潟県が病児保育の研修事業を実施する予定と聞いています。対象者は,病児保育を現在実施している事業者だけでなく,これから予定している保育所も対象になってくるということです。これから保育所併設型を設置することを念頭に入れるのであれば,保育所の方にもこういった研修があるという情報の提供があってもいいのではないでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 山口こども未来部長。
〔山口誠二こども未来部長 登壇〕

◎こども未来部長(山口誠二) ただいま議員から御紹介のありました,県が実施する病後児保育の研修について,私どもも承知しています。研修の中身は,病気のお子さんに対して保護者が適切なケアを行える看護方法といった部分を研修プログラムに取り入れていると聞いています。このような研修についても関係者の参加を促していきたいと考えております。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 設置に向けて,かなり前向きに取り組んでいくという決意を聞くことができました。今回の一般質問で部長は7回目の登場ということで,こども未来部ができて子ども・子育て支援,人口減少問題に対して多くの議員が関心を持ち,課題だと思っているというあらわれだと思います。ぜひ設置に向けて,今までと違った形で,スピード感を持って対応をお願いしたいと思います。ここから1年間が勝負だと思います。新潟県知事もこの病児保育に対してはかなり前向きで,積極的な姿勢を示しています。財政的な支援が国の補助メニューだけで足りないのであれば,県に対しても要望することも必要と考えています。
南区,西蒲区,北区の3区の子育て世代は,本当にこの病児保育を今か今かと待っています。改めて設置に向けての決意をお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 山口こども未来部長。
〔山口誠二こども未来部長 登壇〕

◎こども未来部長(山口誠二) 病児保育施設については,冒頭申し上げましたとおり,保護者の方の就労支援や,病気中の子育て支援といった部分で重要な役割がありますし,また保護者の方々からも設置要望を多くいただいています。私どもも重要性は認識していますので,医療機関の協力を得るといった課題もありますが,前向きに進めていきたいと思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 次に(4),お迎え型病児保育について議論したいと思います。
ある保護者の方から,保育所で急な発熱があった場合,仕事を抜けられず困ったことがあるという悩みを伺ったことがあります。こういった悩みに対して,お迎え型の病児保育があります。お迎え型の病児保育とは,保育中にお子さんが体調を崩し,保護者がどうしても迎えに行けない場合に,専任の看護師が同行してかかりつけ医で受診した後,保護者が迎えに来るまで病児保育室でも預かるといったサービスのことです。
全国では,板橋区が平成21年から開所しています。国も昨年度から補助制度を開始し,この補助制度導入後は,お隣の富山市,福井市,宇都宮市といった,いずれも本市と同様に共働き比率の高い,ある程度の大都市で導入が進んでいます。板橋区,宇都宮市に,同じ会派の宇野耕哉議員と話を伺いに行ってきました。宇都宮市の担当職員からは,保護者から非常に好評で,安心して働くことができるという声が多く寄せられていると伺いました。また,国もしっかり補助金の制度整備をしていることもあって,財政的な面でも導入しやすかったといった話も伺いました。
一方,実際の利用率は決して高くはありません。宇都宮市の担当者も,登録はあるが,利用は実際のところ月1件程度,登録することで安心感を与えられれば事業として成功なのだとおっしゃっていました。
本来であれば,熱を出したとき親が休める,保護者が休める,早退できるというのが理想です。しかし,現実には周りの目や雇用環境等でできず,悩んでいる方が多くいます。そして,最も大切なことは子供の安心,安全です。一人ひとりの子供にいち早く適した医療や保育ができる環境づくりをしていくことが重要だと,お迎え型病児保育を実施している板橋区医師会病院の院長が述べています。
こういった声に応えるために,本市でもお迎え型の病児保育の仕組みを取り入れる必要があるのではないかと考えますが,いかがでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 山口こども未来部長。
〔山口誠二こども未来部長 登壇〕

◎こども未来部長(山口誠二) 他都市において,お迎え型病児保育が実施されていることについては認識しています。板橋区,富山市,福井市,宇都宮市について,保育課でも研究していますが,制度は保護者の方に安心感を与える一方で,さまざまな課題があって,登録や利用が伸びていないといったこともお聞きしています。
実施に当たっては,医療行為に関する保護者合意とか,やはり小さいお子さんですので,迎えに来た職員に非常に不安を抱くといった課題があるということも聞いています。今後とも先行都市の事例を研究するなど,導入の可能性について検討していきたいと考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 御答弁いただいたように,やはりお子さんに不安感を与えてしまうという課題が挙がります。子供にとっては,面識のない看護師の方が迎えに来るので,当然といえば当然かと思います。また,セキュリティーの問題も課題として挙がっています。これは板橋区,宇都宮市でも同様のことをおっしゃっていました。
そこで,例えばファミリー・サポート・センターにこの仕組みを活用すれば,知らない人が迎えに来るということに対してのお子さんの不安感は消えるのではないでしょうか。本市のファミリー・サポート・センターにこの仕組みを活用して,お迎え型病児保育を実施できないでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 山口こども未来部長。
〔山口誠二こども未来部長 登壇〕

◎こども未来部長(山口誠二) 議員御提案のファミリー・サポート・センターの活用についても選択肢の一つということで,検討していきたいと考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 ぜひ積極的な検討をお願いします。やはり医師会の皆さんに御協力いただかないとなかなか実現できない事業になりますので,協力体制の構築も含めて,ぜひ前向きにお願いします。
次に(5),保護者の就労支援として,預けるだけの病児保育ではなく,例えば病気の子供への栄養面でのサポートや,保護者へ監護について教える教育的な役割など,今後,病児保育以外の役割が求められてきます。こういった病児保育のいわゆる子ども・子育てステーションとしての役割について,本市としてどのように考え,取り組むお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 山口こども未来部長。
〔山口誠二こども未来部長 登壇〕

◎こども未来部長(山口誠二) 子ども・子育て支援施策の一つとして,病児保育施設で相談業務が受けられる体制は効果的と考えています。先ほど議員からもお話がありましたが,今年度,県が実施する病児保育事業者向けの研修会に病児保育施設の職員に出席いただき,また子供,子育て家庭にフィードバックしていくということで,保育施設が一層子供・子育て支援の場となるよう促していきたいと思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 病児保育については,数の不足もそうですが,これからは質も同時に求められてくると思いますので,その点についてもぜひお願いします。
次に,子ども・子育て支援のための地域医療体制の整備及び今後の住宅地の整備のあり方についてです。
今まで保育園や病児保育について議論してきました。ただ,地域で人口減少という課題に対応する,それに立ち向かっていく,また人口を維持していくためには,地域に産科や小児科が必要です。しかし,現実には産科の偏在や不足が発生しており,例えば南区と北区の2つの区では,分娩可能な産科がありません。病児保育もない状況です。この状況でどう地域で産み育てていくのでしょうか。
また,優良な住宅が十分供給されているかという問題もあります。本市の第1回持続可能な都市づくり懇談会の資料で,建築年70年前までを対象とした居住状況についての調査が公表されました。簡単に言えば,どの家に何歳の人たちが住んでいるか,何年間住んでいるのかを調査した資料です。その資料の中では,次の2つのことがまとめられています。1,20代後半から30代後半で家を新築し,子供と一緒に暮らしていることが観察される。2,子供は20代になると親元以外の居住地についての選択の幅を広げ,以下同様のサイクルで新築物件に居住し,子供をもうける循環が推認されるとあります。
つまり,子育て世代が居住する場として新たな住宅地があれば,子供を産み育てていくサイクルが回っていくということを意味します。裏を返せば,人口が減少している地域では,保育を初めとする子育て環境の整備状況だけでなく,優良な住宅が十分になく,新築物件に居住して子供をもうける循環がうまく回っていないのではないかということが考えられます。
(6),子ども・子育て支援のための地域医療体制の整備及び今後の住宅地の整備のあり方について,今の点を踏まえ,いかがお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 山口こども未来部長。
〔山口誠二こども未来部長 登壇〕

◎こども未来部長(山口誠二) 安心して子供を産み育てるには,産婦人科を初めとする医療提供体制は重要と考えています。
本市における分娩を取り扱っている医療施設は,本年3月現在,病院で7施設,診療所で10施設となっていますが,中央区に集中しており,北区,南区,そして秋葉区には施設がない状況です。現在,新潟県が産科医の確保事業に取り組んでおり,本市としても,新潟市医師会とともに県との連携を深め,総合的な地域医療体制整備に努めていきたいと考えています。
また,今後の住宅地の整備のあり方についてですが,新潟市都市計画マスタープランにおいて,これまでの人口増加や経済成長を前提とした市街地拡大や都市基盤整備から方向性を転換し,今後の人口減少,少子高齢化などの社会情勢の変化を見据え,持続的に発展する都市づくりを進めていくこととしています。
住宅地を初めとした新たな市街地開発については,現在の市街地規模を維持することを基本としながら,開発の必要性や位置,規模の妥当性,良好な開発としての整備水準,事業実施の確実性などを見きわめながら,市全体や各区の持続的な発展につながる質の高いものに限定しています。また,既成市街地では,子育て世帯に対し,子育てしやすい広さを有する空き家への住みかえや,親世帯との同居などに必要な住宅リフォームを支援することで,子育てしやすい住環境の整備に努めていきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今ほど御答弁の中で,既成市街地については,子育て世代の空き家への居住支援という話がありましたが,先ほどのデータをもとにすれば,この70年間で,新築の物件に移っているという子育て世代のニーズは変わっていないという実情があります。
例えば北区では,平成27年度の1年間で北区から市外への転出を調べてみたところ506人ありました。理由の1番は住宅で,3割近くを占めていました。つまり,北区に優良な住宅地が不足していて,その他の子育て環境も踏まえて北区外に移り住んでしまっていたという,非常に残念な結果だと思います。
持続可能なまちづくりは非常に重要なことだと思いますが,維持するためのお金と税収とのバランスも見なくてはいけません。きょう午前中の串田修平議員の質問にもありましたが,江南区まちづくり協議会による宅地開発の要望や豊栄駅の北側の市街化調整区域の開発の問題,そしてことしの2月定例会の代表質問でもありましたが,大形駅前の開発等,この議会でもさまざまな話が挙がっています。税収が確保できるものについてはしっかり進めていくべきではないでしょうか。
また,今後計画されている新たな工業団地の話もあります。当然,工業団地ができれば新たな住宅地が必要になります。職住近接での優良な住宅地は,働く人,雇用主の双方にとってメリットになります。そういった観点から,今後の子育て世代の住宅ニーズに対応して,優良な住宅地が必要であればしっかりつくっていくということについて,どのようにお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 山口こども未来部長。
〔山口誠二こども未来部長 登壇〕

◎こども未来部長(山口誠二) 今後も子育てしやすい町といった観点は重要な視点と考えていますし,持続可能なまちづくりという観点でも,そういった趣旨のもとで進めていきたいと考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 これから人口が減少していくというのは確かなことですが,移住ばかりに力を入れるのではなく,今いる方々,子育て世代がしっかりお子さんを産んで育てられる環境の構築のために,住宅地のあり方についても考えていただきたいと思います。
次に2,自治協議会の今後のあり方についてです。
2月定例会にて,分権型政令市としての10年の歩みについて議論をさせていただきましたが,協働のかなめである区自治協議会については議論ができませんでした。私は区自治協議会を評価するという立場から,委員の皆さんに敬意を表し,議論したいと思います。
区自治協議会は,分権型政令市の肝とも言える機関です。当初の地域課題を自分たちで協議する場から,この10年間で事業の実施主体へと役割を変えてきました。しかし,そこで問題になるのが,地域の課題を議論し,しっかり吸い上げるという本来の役割を十分に果たせているかどうかという点です。地域課題をしっかり吸い上げ,その対応策に予算がつき,そして地域が変われば,区自治協議会が今以上に市民に求められる存在になることは間違いありません。
広報紙発行による認知度向上対策も必要なことだとは思いますが,やはり中身の改革が何よりも重要ではないでしょうか。これからの区自治協議会を考える上で,この10年間について評価,検証をする必要があります。
そこで(1),10年間の評価,課題認識についてお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 野島市民生活部長。
〔野島晶子市民生活部長 登壇〕

◎市民生活部長(野島晶子) 区自治協議会は,平成19年の政令市移行に際し,区民の皆様と市との協働のかなめとして設置したもので,これまで地域課題の解決やまちづくりに熱心に取り組んでいただいてきました。さらに近年では,議員がおっしゃったとおり,区自治協議会提案事業の実施や広報紙の発行など,当初はなかった役割も積極的に担っていただくなど,本市の住民自治の推進に大きな役割を果たしていただいています。
一方で,自治協の役割の多様化や,幅広い世代の参画がなかなか進まないなどの課題も見えてきました。このことから,5期10年の節目に自治協のこれまでの活動を振り返り,今後のあり方や方向性を検討するため,今年度,区自治協議会のあり方検討委員会を設置することにしています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 区自治協議会のあり方検討委員会をこれから設置するということですが,どういった論点で議論していくのか,また今後のスケジュール感についてお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 野島市民生活部長。
〔野島晶子市民生活部長 登壇〕

◎市民生活部長(野島晶子) 検討委員会では,自治協の役割や任務,委員の任期,構成,区づくり予算,若年層や女性のさらなる参画などを論点として,あり方について御検討いただきます。委員の構成は,各区自治協会長経験者,有識者及び公募委員で,今年度3回の開催を予定しています。また,検討委員会だけでなく,市議会や現役の自治協委員の皆様からも丁寧に御意見をお聞きしながら,平成31年度の委員改選に向け検討を進めていきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今ほど議会でも議論するという話がありましたので,次に(2),自治協の課題について私が考えること,また過去の自治協の会長がおっしゃっていたこと,また市民の皆さんからの意見をもとに,幾つかの課題について議論したいと思います。
まずア,行政からの報告のあり方についてです。
これは,自治協議会への行政からの報告が,既成事実づくり,アリバイづくりになっているのではないかという指摘です。実際,自治協議会への報告をもって住民への説明が終わっていると疑われるケースが多くあり,また一部では自治協議会ではなく行政報告会と言っていい状況もあるのではないでしょうか。
自治協議会は地域代表とよく言われますが,これはあくまで地域の声の縮図,サンプル的な意味合いでの代表です。さまざまな立場の人がいるので,意見を聞けば代表的な意見が返ってくるという意味での代表制はありますが,行政から自治協に報告して納得してもらったからといって,それが市民からの同意を得たという意味での代表制はありません。
地域代表の意味を混同して自治協議会を使っているということはないでしょうか。こういった点を踏まえ,行政から自治協への報告のあり方についていかがお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 野島市民生活部長。
〔野島晶子市民生活部長 登壇〕

◎市民生活部長(野島晶子) まさに今議員おっしゃられたとおり,自治協委員の皆様には,地域代表としての役割を担っていただいていることから,審議の内容や市からの報告事項を選出母体にフィードバックしていただくようお願いしています。
当然のことながら,住民の皆様に周知を図る必要があったり,理解を求める場合には,自治協に報告して終わりということではなく,その内容によって,必要な対象に適切な方法で行うべきと考えています。市からの報告が形式的なものにならないよう,今後も留意していきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 形式的なものにならないよう留意していくという御答弁がありましたが,そもそも,行政から自治協への報告は条例上規定されているものでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 野島市民生活部長。
〔野島晶子市民生活部長 登壇〕

◎市民生活部長(野島晶子) 条例上の規定というよりも,自治協委員の皆様には,地域の代表として,自治協での審議内容や市からの報告事項を地域や選出母体に持ち帰り,活動に生かしていただくことをお願いしています。市からの報告や資料配布については,地域などでの活動や,区役所と連携してまちづくりを進めていただくために必要な情報を提供しているものと考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 そういった考えがあるのかもしれませんが,私が傍聴させていただいた自治協議会では,何回か行政からの報告がありました。しかし,議会で説明するのと同じ資料を使って,同じ口調で説明されています。自治協の皆さんがあの短時間で専門的な言葉を理解することができるでしょうか。フィードバックして何か形になるでしょうか。もし本当にそういった意味で自治協の皆さんに情報提供したいということであれば,わかってもらえる工夫も必要ではないでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 野島市民生活部長。
〔野島晶子市民生活部長 登壇〕

◎市民生活部長(野島晶子) 今ほど申し上げましたように,市からの報告は,地域,それから選出母体にきちんと持ち帰っていただくことが大変大きな目的ですので,それが果たされるように,今後,市からの情報提供のあり方についても工夫していきたいと思います。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 ぜひわかりやすい工夫をお願いします。自治協議会は毎月ありますが,例えば我々議会より先に自治協に情報が提供されるということも起こっています。そこら辺の線引きは難しいと思いますが,自治協の皆さんにしっかりと趣旨を伝えていただいて,ただの報告にならないように,ぜひお願いします。
次にイ,自治協議会提案事業について,特に役割分担についてです。
自治協議会は,地域課題について協議する機能,また合併建設計画などの計画の進捗を確認するといった場から,自治協提案事業の実施主体としての性格が強くなってきました。自治協提案事業は,主に全体会後の部会で議論されています。部会の多くの時間が自治協提案事業に使われてしまっており,本来の地域課題について時間を割くことができていないといった実情はないでしょうか。限られた自治協のメンバーに地域課題の協議,事業の実施全てをお願いするのは無理があると言わざるを得ないのではないでしょうか。
事業の実施は,自分たちでするのではなく,例えばコミュニティ協議会,NPO等の地域の団体にお願いするという役割分担も可能ですが,現状,こういった役割分担が不明確になっており,全部自治協議会の委員の皆さんがしょってしまっているという状況です。
こういった点も踏まえ,自治協提案事業についてどのように評価されますでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 野島市民生活部長。
〔野島晶子市民生活部長 登壇〕

◎市民生活部長(野島晶子) 自治協提案事業は,自治協が把握する地域課題を直接解決する仕組みとして平成23年度に創設したもので,自治協委員は,事業の企画,実施,評価,改善の各過程において主体的にかかわることとしています。
地域課題の解決につながった例として,東区では平成28年度,前年度の提案事業,まちづくり実践塾で学んだことを生かし,研修会や情報伝達訓練を実施するなど,地域で活躍する防災リーダーの育成を行いました。
また,自治協提案事業は,コミ協などの地域団体と連携して実施することが可能となっており,西蒲区では平成27・28年度に,コミ協と連携して婚活の取り組みを行いました。移住モデル地区である越前浜地区や農家レストラン等をめぐるバスツアーを行い,複数のカップルが誕生しています。
その一方で,部会での議論が提案事業中心になっている,あるいは委員の負担感が増大しているといった御意見もいただいていますので,委員の提案事業へのかかわり方についても,区自治協議会のあり方検討委員会で改めて検討を進めていきたいと考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 次に,全体会の運営についてです。
今ほど自治協提案事業の答弁でもありましたが,やはり部会での議論が中心のためか,私の印象では自治協の全体会は委員の発言が余り多くなく,少し重苦しいような雰囲気です。部会で地域課題について十分議論ができていれば,全体会で意見が少なくても問題ないのかもしれませんが,現状の部会では,先ほど御答弁にもあったように,提案事業に多くの時間が割かれており,地域課題について十分できているとは言いがたい状況です。
過去の自治協会長の報告の中にも,全体会で意見がなかなか出てこないということで,かなり多くの区の会長がこれに課題意識を持っているとの報告もあります。全体会の形について,今の形にこだわらず,地域課題等について意見が出るよう,各区の実情に応じて変えていく必要があると思います。
こういった点も踏まえ,ウとして,全体会運営上の問題点についていかがお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 野島市民生活部長。
〔野島晶子市民生活部長 登壇〕

◎市民生活部長(野島晶子) 全体会での会議の雰囲気や発言の少なさなどについて,会長会議においても御意見をいただいており,運営上の課題の一つと認識しています。
その解決のため,座席レイアウトの見直しや出張開催など,独自の工夫をしている区もあります。また,中央区自治協では,昨年度,自治協みずからが委員に積極的な発言や情報共有を呼びかける文書をつくったほか,秋葉区自治協では,平成25年度,全体会の冒頭に,区内で実際に活動している方から話を聞く機会を設け,委員が発言しやすい雰囲気づくりに取り組んだ事例もあります。
これらのことは,各区の裁量の中で柔軟に工夫できる部分であり,御提案のワークショップ形式も含めて,今後も自治協委員の皆様と話し合いながら,審議がより活発化するように取り組んでいきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 次に(3),今後の自治協のあり方について議論をしたいと思います。
自治協議会は,分権型政令市の協働のかなめでもあります。今後は,一度原点に立ち戻り,地域課題について協議する場,仕組みの再強化が必要ではないでしょうか。また,地域コミュニティ関係の方々の任期の実質的な延長が行われましたが,将来を見据え,協働の担い手をふやすのであれば,より多くの人に自治協議会を経験してもらうほうがいいのではないでしょうか。
再任回数をふやすことは,担い手の広がりを考えれば逆効果といった側面もあります。今現在,地域コミュニティーの皆さんが少ない中でも一生懸命御活躍いただいていますが,地域コミュニティ協議会や自治会の人材不足,担い手の固定化という課題にも向き合わなければいけません。2年前の一般質問でも指摘しましたが,年齢の偏りにも対応しなければなりません。
これらを踏まえ,今後の自治協議会のあり方についていかがお考えでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 野島市民生活部長。
〔野島晶子市民生活部長 登壇〕

◎市民生活部長(野島晶子) 自治協は,多様な意見を反映させるため,多くの人から委員についてもらうべきという考えがある一方で,地域課題を解決するためには,地域の代表や専門的な人材から継続して参加していただく必要もあると考えています。そのため,これまでも委員の再任回数制限の緩和など,さまざまな見直しを行いながら,自治協の活性化に向け取り組んできました。
議員御指摘のとおり,現在の自治協委員の平均年齢は60歳を超えており,依然として若年層の参加が少ないことは大きな課題と認識しています。自治協委員の主な選出母体であるコミ協などの地域団体の担い手も高齢化,固定化している状況にあることから,地域コミュニティー全体の新たな担い手をふやすことが市内全域で求められています。
今後も自治協,コミ協の周知に努めるとともに,公民館と連携したコミュニティ・コーディネーター養成講座や大学との連携などにより,地域の人材発掘・育成に取り組むことが自治協の活性化にもつながるものと考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 では,最後に3,北区役所新庁舎基本構想(案)及び今後の計画についてです。
6月10日のまちづくりトークin北区にて,市長から,北区役所の新庁舎整備については区長を中心にうまく進めていただいているとの御発言がありましたが,実情はそんなにうまく進んでいません。基本構想検討委員会が開かれ,意見書が市長に提出されたことは私たち議員も承知していますが,現状,今後の方針,スケジュール,区民の意見がどの程度反映されるものになるかなど,不明な点だけで,非常に不安な状態にあります。
一刻も早く建設することが必要だといった声がある一方,検討開始から10年もたってしまっており,無理に急ぐのではなく,区民,市民が納得のできる施設にしてほしいとの声が大きくなっています。これから先50年以上使う施設であり,そこに税金を投入するのであれば,北区民は当然ですが,新潟市全体としても丁寧に議論する必要があります。
こういった観点から,以下質問します。まず,(1)として,北区役所新庁舎基本構想(案)の位置づけについて,どういったものなのか,区民意見をどのように取り入れ,どの程度反映されたものなのかお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 飯野北区長。
〔飯野 晋北区長 登壇〕

◎北区長(飯野晋) 北区役所新庁舎基本構想(案)は,基本構想検討会議での意見や,財産経営推進計画に基づく葛塚地域の公共施設のこれからを考えるワークショップでの多機能化,複合化の検討内容,そして区民説明会での意見などを踏まえ,整備の基本的な方針や考え方を整理したものです。
例えば,北区郷土博物館の展示機能の複合化についての御意見をいただいたのですが,博物館利用者の声をお聞きする中で,博物館は展示機能だけではなくて,収蔵機能や調査・研究機能と一体でないといけないという中で,今回,新庁舎との複合化を行わないと判断したものもあります。これ以外には,基本構想案については区民が求める区役所機能を十分に反映させた内容となっています。
北区役所新庁舎整備においては,区民との協働を基本に進めてきました。今後とも区民と対話しながら,よりよい新庁舎としていきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今ほど区民との協働と,これからも区民と対話していくという話がありましたが,6月3日,基本構想(案)の区民説明会が豊栄地区公民館でありました。先着200名で参加者は10人です。果たしてこれが区民との協働の形なのでしょうか。改めてお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 飯野北区長。
〔飯野 晋北区長 登壇〕

◎北区長(飯野晋) 区民説明会をこの日と前日に2回開催して,基本構想(案)についての説明をしましたが,残念ながら,議員御指摘のとおり,参加者は少なかったところです。区だよりとか,いろいろなところでさまざまな周知をした結果ではありましたが,情報に接することができなかったのか,それとも我々の力不足で関心がなかなか高まらなかったところがあったのかもしれません。
今後もいろいろな機会を通じてしっかり情報提供するとともに,区民からの意見もいただきながら進めていきたいと思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 非常に苦しい御答弁でしたが,区長はよく区民と一緒,協働ということを御発言されています。その意味をもう一度かみしめて,体現していただきたいと思います。
次に(2),建物面積の妥当性に移ります。
この区民説明会の資料の中に,QアンドAという項目がありました。その一つに,建物の大きさはという問いがあり,答えとして,建物面積は約5,000平方メートルですという記載があります。延べ床面積を言われても,参加した区民はこれが広いのか狭いのか判断できません。必要な面積を積み上げていって全体の面積が出るのが基本的な姿かと思いますが,どういった用途の面積が必要だということの積み上げで5,000平方メートルになったのでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 飯野北区長。
〔飯野 晋北区長 登壇〕

◎北区長(飯野晋) 建築面積の妥当性,それからどういう積み上げかということですが,面積については,国土交通省の新営一般庁舎面積算定基準を採用しました。これとあわせて,中央区役所庁舎整備を参考にしながら,交流スペースなどを含む庁舎として4,300平方メートル,それから複合化します豊栄地区公民館の貸し館機能の一部と事務室機能として700平方メートルとし,これらを合わせておおむね全体で5,000平方メートルとしています。
整備を予定している交流スペースは,地域の一体感の醸成の場として,多目的に利用いただくということで,地域活動団体の発表の場,それから貸し出し利用ができるスペースとしての利用も考えています。また,この交流スペースの一部となる子どもふれあい広場については,子育て世代も気兼ねなく来られるように,区役所への申請時の待ち時間での子供の居場所となるスペースとしての活用を考えています。
子育て世代からは,この交流スペースに対するさまざまな意見をいただいています。新庁舎については,行政サービス機能を確保した上で,例えば子供を思い切り遊ばせたい,走らせたいというニーズも伺っていますが,こういったニーズには近接する豊栄児童センターを活用していただくなど,近隣施設との役割分担の中で交流スペースの機能を果たしていきたいと思っています。また,新庁舎における交流スペースの役割を踏まえ,その機能が最大限発揮されるように整備面積を確保していきたいと考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 庁舎の執務スペースについては,恐らくほかの基準である程度の面積は出てくると思います。そうなると,問題は交流スペースの子どもふれあい広場がどれぐらいの広さなのかということです。今,明確な御答弁はありませんでしたが,大体どれぐらいの広さを想定されているのでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 飯野北区長。
〔飯野 晋北区長 登壇〕

◎北区長(飯野晋) 全体がおおむね5,000平米という中で,その中に確保しているということですが,近隣に,今事例を申し上げました豊栄児童センターが520平米ほどあります。それから北区文化会館,雨にぬれずに行けるよう施設連携をしたいと思っていますが,そこのホワイエが大体580平米あります。それから,豊栄図書館には子どもの本のへやとかおはなしのへや,そして10代が使えるティーンズコーナーなどがあります。さらに,施設連携するさわやか老人福祉センターには子育てサロンぴょんきちというところがありまして,これは子供を遊ばせられる120平米のサロンスペースとなっています。
今回,新庁舎につくる交流スペースと,近接する公共施設をうまく融合する形で役割分担をしながら,子供たちが自由に遊べるスペースを確保していきたいと考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 質問に答えていただけていないのですが,どれぐらいの広さをお考えなのでしょうか。

○副議長(阿部松雄) 飯野北区長。
〔飯野 晋北区長 登壇〕

◎北区長(飯野晋) これから基本設計に入っていくわけですが,そのスペースの中でどういった役割分担をしながら,それをどれだけ新庁舎の中に確保していけるのか,これはハードの整備だけではなくて,これから使っていただくさまざまな利用者にもいろいろ話を伺い,どういう使い方ができるのか,あるいはどういう企画をしていただけるのか,そこもあると思いますので,その中でこれから検討していきたいと思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 なかなか明確な数字が出てこないのですが,数字ではなく,どれぐらいの規模感かということを求めています。ちなみに,子どもふれあい広場,「広場」ですよね。広辞苑で「広場」の意味を調べますと,広々と開けた場所という定義です。中央区には子育て応援広場,先日,市長もリニューアルオープンの際に行ってこられて,広い場所でお子さんがいっぱい遊んでいる姿を拝見されたと思います。東区にはわいわい広場があります。まさかスーパーの隅の小さなスペースにはなりませんよね。

○副議長(阿部松雄) 飯野北区長。
〔飯野 晋北区長 登壇〕

◎北区長(飯野晋) 広さについては,今申し上げたとおり,役割分担というところもありますが,まず新庁舎はあくまで行政サービス機能を提供する場所であるということですので,例えば声であるとか,あるいは走るであるとか,その辺がどれだけ許容されるかまたどういったことが求められているのか,それが近接する施設の中でも実現できるのかどうかも含めて広さを考えていきたいと思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今回,北区内の保護者2,000人が広い場所が欲しいというアンケート結果が出ました。それを踏まえての区長の御答弁が今のお答えということでよろしいですか。

○副議長(阿部松雄) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 当然,市民の皆様の御意見をお伺いしますが,我々はあの一角に整備するということで,ほかの施設も有効活用できるということを加味して整備します。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今回の問題は,区民の求める声とそもそもの事業費の制約がある中で,どれだけ要望を実現できるかという問題が後回しにされていました。そこで(3),事業費についてどれぐらいをお考えなのかお聞かせください。

○副議長(阿部松雄) 飯野北区長。
〔飯野 晋北区長 登壇〕

◎北区長(飯野晋) 事業費については,整備位置検討時に,西区役所新館建設工事の請負単価を参考に,市の所有地で整備を行った場合を想定して,約20億円と積算していました。これは区役所庁舎の単機能で整備した場合の事業費になります。新庁舎整備に必要な面積や事業費については,豊栄地区公民館との複合化や外構工事などを考慮しながら,基本設計や実施設計を進める中で具体的な内容が決まってくることになります。そのほかに,現庁舎本館や現在の豊栄地区公民館の解体,それから残る現庁舎新館の改修などの経費が必要となります。
基本構想(案)では,区民ニーズが多い窓口部署の1階への配置や,雨天時でも容易に各施設間の移動が可能な設備としてのアーケードの整備,それから区役所会議室の夜間や土日での貸し出しの検討を行うこととしており,設計の段階でこれらも含めた使い勝手を考慮していきます。
整備面積おおむね5,000平方メートルという中で,区役所庁舎として必要とされる機能は果たされると考えていますが,レイアウト等については創意と工夫を加えて,さらなる利便性の向上に努めていきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○副議長(阿部松雄) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今回,20億円ではないという話もありましたが,これからのモデルになる区役所です。財産活用的な観点で適正化を図り,面積を少なくするのも結構なことですが,一方,税金を支払う市民の納得も重要です。利便性については,これからつくる区役所についても変にお金に制限をかけないで,必要なものはちゃんとつくることをお願いして,終わらせていただきます。(拍手)