会派での視察~京都市を訪ねて~パブリックコメントの多さに驚く

先日は、会派(議会内でのグループ)で京都市に視察に行ってきました。 視察内容は、堺市と同じく自転車の交通政策。

京都は学生の街、観光都市ということもあり、自転車施策の課題はずばり、(1)放置自転車対策(2)観光との融和性の2点です。

京都市には、自転車施策を担当する部署があります。転車に関係する部署がいくつかの部署にまたがっているケースが多く、なかなか施策が進まないというケースが多くある中、京都市はそういった意味で「京都市建設局自転車政策推進室」という部署があり、20名の方がいるとのことで、整備が進んでいるという印象を受けました。

 

京都市は、「京都市自転車総合計画」を平成12年度から10カ年で進めており、その改訂版の計画が、平成22年度から新たに10カ年でスタートしたところですが、中間の見直しとして、新たに「京都新自転車計画」を策定し、自転車施策を進めているとのことでした。

京都特有の「場所がない」という条件での自転車専用道の整備、駐輪場の整備など、困難な状況に対して、行政として積極的に関与していこうという意思を感じました。

一番印象に残ったのは、「京都新自転車計画」を策定する際のパブリックコメントの多さです。

その数”562”。前回の計画が56とのことでしたので、約10倍です。

行政と市民との協働のなのもとはじまった、このパブリックコメントですが、意見の数は数えるほどというのが一般的なケース。形式的なものになってしまっているところは、大きな問題点です。「意見がでない」ではなくて、どう意見してもらえるかが行政に問われていますが、この京都市の事例は大変参考になりました。

話を伺うと、特設キャンペーンサイトを開設し、計画の愛称を募集したとのことです。意見頂いた方の中から抽選で、自転車があたるという仕掛けをしたとのことです。結果、サイトからのパブリックコメントが全体の80%。当然サイト経由でくる意見なので、30代以下が47.2%という、自転車を実際に使用している若者からの意見を多く集めることに集中しています。

ターゲットを若者にすれば、当然手法もかわってくることを理解した上での施策。画一的なアリバイ作りのパブリックコメントを変えるために、とても勉強になりました。今後の議会活動で、是非その点を行政に求めていきたいと思います。

 

小柳 聡