北区役所新庁舎基本構想(案)が発表 疑問の残る複合化

昨日の新潟市議会総務常任委員会の協議会報告にて、北区役所新庁舎基本構想(案)が報告されました。内容について、簡単にまとめました。

 

  • 取壊を予定する施設

・北区役所本館

・北区役所分室

・北区役所車庫

・北区役所現場詰所

・北区役所公衆便所

→現庁舎新館に必要な駐車場を確保し、不要な土地は貸付、売却を基本とする。

 

・豊栄地区公民館

・葛塚コミュニティセンター

→新庁舎の駐車場やロータリーとして利用

 

  • 整備スケジュール

平成29年度―基本設計

平成30年度―実施設計

平成31~32年度―建設工事

平成33~34年度―現庁舎新館の改修等

 

  • 複合化

豊栄地区公民館

・貸館機能の一部(大講堂、研修室3室)

・事務室機能

 

  • 現庁舎新館へ移転する機能

・葛塚コミュニティセンター(全機能)

・貸館機能の一部

 

  • 北区役所独自の取組

・交流機能

→交流スペース、子どもふれあい広場、フリースペース(飲食等可能)

・近隣施設との一体性

→図書館、さわやかセンター、文化会館と区役所を連携させる

 

<ポイントについて>

(1)複合化について

当初、博物館の展示機能、コミュニティセンターも複合化の検討対象になっていましたが、抜けています。博物館については、収蔵、展示は一体のものでなければならないとの意見から、対象外になっており、納得できるところがあります。

一方、コミュニティセンターについては、十分な説明がありませんでした。現庁舎新館をどのような場所にするべきかは、地域の課題といえます。その合意形成は不十分であり、地域をどうするかのエリアマネジメントの視点が必要です。この点については、熟慮を求めたいと考えています。

また、公民館についても疑問が残ります。区役所新庁舎に公民館機能が入ることは、周辺の公共施設の親和性、市民の利便性を考えても納得のできるものです。今、社会教育の必要性が改めて見直されており、この移転を契機にいっそう活発になることが期待されています。疑問のあるのは、公民館機能(貸館機能の一部)を、コミュニティセンターと一緒に現庁舎新館に移すというプランです。公民館の貸館機能とコミュニティセンターの貸館機能が新館には同居することになります。利用する市民感覚からすると、非常に不可解です。なんのために公民館の貸館機能を分割させるのでしょうか?市民からすると、公民館の部屋、コミュニティセンターの部屋というくくりは二の次であり、「その場所にあるその料金の部屋を使いたい」というのが本音です。意図なく市民を混乱させる可能性もありますし、管理側からしても迷惑な話です。私は、公民館の貸館機能は、新庁舎にまとめてしまうべきだと考えます。

 

 

(2)交流スペースについて

区役所は職員のための執務スペースであると同時に、区民が集う場でもあります。人が集うことによって、様々なものが生まれてきます。現在、コワーキングスペースなどが利用されているのも、人がその場所に集うことに価値がおかれていることによります。今回、子どもが集う場、子育て世代が集う場を、設置する案を出したことは、非常に大きな決断だったと思います。

一般社団法人にいがた北青年会議所が今年発表した提言書にも、(1)子どもがおもいっきり遊べるスペース、(2)飲食などができるフリースペースを、子育て世代が求めていることが、記載されています。こういったスペースを設けることが、これからを担う世代を大事にしていくという、北区からの大きなメッセージになると考えます。東区役所などの好事例が市内の役所にもありますので、参考にして頂き、「子育てをするなら北区」という拠点にしてもらえればと思います。

現時点では、あくまで市役所が作成した案の段階です。これから市民への説明、意見公募手続きを得て正式な基本構想が策定されることになりますので、上記の点を中心に行政側に意見を述べていきたいと考えています。

視察

前の記事

新潟から世界へ