平成28年12月定例議会 議事録

小柳聡 民主にいがたの小柳聡です。通告に従い,窓口サービスのあるべき姿,子ども・子育て支援担当部長,国民文化祭の3点について順次お伺いします。
まず,窓口サービスのあり方についてです。
市民の皆さんとふだん接していて,さまざまなお声,要望をいただいています。子育て施設の問題,地域の問題,市政全般の問題,その中で意外と多いのが窓口サービスの問題です。市民の皆さんにとって,市役所の職員と接する機会はそんなに多くありません。市民の皆さんにとっての市役所のイメージは,窓口で接した職員の方のイメージででき上がってしまうことがよくあります。
市長は,14年前,民間企業から新潟市長へ就任された後,日本一の窓口をつくるという決意を持ち,中央区,東区の両区役所では窓口業務改革を実施されました。また,継続的に窓口サービスのレベル向上を図る仕組みも導入し,今日まで改善を実施し,市政世論調査等の結果を見ますと,その成果は着実に出ているものと評価しています。
また,来年夏の移転を考えている新中央区役所でも新潟市内で初めて総合窓口を実施し,市民の皆さんにとって利便性の高い親切な窓口を目指すとしています。市民目線に立った取り組みであり,今後もさらなる拡充が望まれます。
そこで,この窓口サービスのあり方について議論する前に,どういった窓口サービスを目指しているのか,窓口サービスの位置づけ,あるべき姿についてどう考えているのか,まずお聞かせください。

○議長(高橋三義) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 小柳聡議員の御質問にお答えします。
市民サービスの最前線となる各区役所を初めとする窓口は,職員の市民に寄り添った接遇はもちろんのこと,来庁者の利便性を考えた窓口であることが重要です。このため,複数の課にまたがっている業務を1つのフロアに集約することで手続の簡素化を行うなど,窓口のワンストップ化に努めています。
また,来庁者が目的に応じ,早くわかりやすく,そして正確な手続が行えるよう,来庁された方ができるだけ待たない,書かない,歩かない窓口を目指し,申請書を統合するなどの業務改善に取り組んでいます。
今後マイナンバー制度の浸透に伴い,窓口業務の変化も想定されるため,窓口の利用者数や利用サービスの変動なども注視しながら,本市の窓口サービスのあり方について検討を重ね,改善していきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今市長から窓口サービスのあるべき姿ということで御発言がありました。ワンストップ化も含めて検討していくということでしたが,しかし現状,幾つか問題点もあると思いますので,次にその問題点について議論していきたいと思います。
今回北区役所の新築移転に関し,今の区役所のどこが問題で,どんな区役所が望ましいのかというのを子育て世代を中心に約9,000世帯に地元の青年会議所がアンケートを実施しています。その中で幾つか課題が見えてきました。1つ目が,さっき市長が言われたところですが,窓口での手続のわかりにくさです。手続に来た人が動くのではなく,職員体制を変えることで対応する総合窓口化が今後求められるのではないでしょうか。2つ目は,土日,開庁時間の延長,いわゆる開庁時間の問題です。働き方の多様化に伴い,時間内に役所に行けない現役世代の方が多くいます。3つ目の問題点として,プライバシー対応が挙げられます。現状では,聞かれたくないことも隣のカウンターの人に筒抜けになってしまっています。手続を例えばプライバシー保護のレベルに分類して,レベルに応じて場所を考えるべきではないでしょうか。以上3つの問題点があることがアンケート結果から見えてきましたが,これは北区に限ったことではなく,全市的な問題点ではないでしょうか。
現状の問題点について,市長の見解をお伺いします。

○議長(高橋三義) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 毎年行っている市民窓口アンケートでは,窓口職員の対応が丁寧であった,親身に話を聞いてもらえたなどよい評価もいただいている一方で,窓口での手続方法や庁舎の案内表示がわかりにくい,プライバシーの配慮が不十分であるなどの御意見や土日の窓口開庁あるいは時間延長について御要望があります。
このため,区役所によっては,区の状況に合わせ,書類の書き方や手続について御案内する職員の配置やどなたでも見やすい案内表示に努め,またプライバシー保護についても窓口カウンターに仕切り板を設置するなど,窓口改善を進めるとともに,住民の異動が多い3月末から4月にかけて,窓口時間の延長や土日開庁も行ってきました。
今後窓口を改修する場合には,新潟市行政改革プラン2015に掲げているICT技術の活用を含め,市民の皆様からの御意見やマイナンバー制度の影響なども踏まえて検討していきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今ほどの御答弁の中で,課題の解決の一つの方法としてICTの活用が考えられるという話がありましたので,次に移りたいと思います。
ICTの活用を考えてみますと,例えば空港のチェックインカウンターを思い浮かべてみてください。以前は,人が対応していたと思いますが,今ではネットで予約ができ,スマートフォンのQRコードをかざして搭乗手続も可能です。結果的に,手続時間が短縮され,利用者にとっては利便性が格段に上がりました。また,航空会社にとっても窓口カウンターの人員を削減でき,必要な部署に人員を回すことができています。
また,最近は物にインターネットを接続するIoTも進んでいます。例えば自動車にインターネットが接続されるとどうなるでしょうか。急ブレーキ箇所をビッグデータとして集計して,市内の急ブレーキ多発箇所を分析することができ,結果的に交通安全施策にも活用するといった利用の方法も考えられます。
きょうは,窓口でのサービス,特に多い証明書発行について,ICTを活用することで市民の方にどういった利便性がもたらされるのか,証明書のコンビニ交付を事例に考えてみたいと思います。
横浜市では,新潟市に先立ち,窓口サービス,特に証明書発行サービスのあり方についての検討会議を平成22年に開催し,5つの点が提言されています。1つ目は,証明書の発行数自体が減少しているということです。横浜市は,13年間で30%減少しています。新潟市も調べてみましたところ,10年間で約14%減少しています。2つ目として,人口規模が縮小しているにもかかわらず同じやり方を続けていては,コストがふえ過ぎて行政サービスが成り立たなくなる,いわゆる費用対効果の視点です。3つ目として,利用者がどのようなサービスを求めているのかの視点。4つ目として,ニーズの多様化,時間が制約される現役世代,時間の自由はきくが,移動がつらくなってくる高齢者。5つ目として,こういった消費者のニーズの多様化に伴い,民間では新たなサービスが誕生しているという点です。
本市でも,先ほど市長からも,今後マイナンバーを契機に窓口業務量の変化が出てくる可能性があるというお話がありました。つまり横浜市の提言書の言葉をかりれば,証明書発行数の減少,ニーズの多様化に対する新たなサービスとして,マイナンバーを活用した住民票等証明書のコンビニ交付が考えられることになります。
実は,このコンビニでの証明書の発行は全国的に広がっているサービスです。政令市でコンビニ交付を実施していない,また実施時期が決まっていないのは,政令市20市中,新潟市を含めて4市のみです。一方,導入していない新潟市以外の3政令市では,例えば証明書の自動交付機を導入するなどして,開庁時間以外の対応を実施しています。新潟県では,三条市等4市で実施され,全国では平成28年度中に約6,000万人ができるようになる。言ってしまえば日本の半分程度の方がマイナンバーカードを活用したコンビニ交付サービスが利用可能になると言われています。
コンビニ交付のメリットとしては,発行可能場所数の増加,証明書の発行可能時間帯の拡大が挙げられます。新潟市内の役所の数は区役所,出張所,連絡所で合計数が32ですが,私の調べでは少なくとも新潟市内のコンビニは290以上あり,行政機関の空白地域を埋める可能性も考えられます。また,曜日に関係なく午前6時半から夜11時まで発行が可能で,市民にとって大変メリットが大きいということで多くの自治体で導入が進んでいると理解しています。
こういった点を踏まえ,新潟市でも市民の利便性向上のため,証明書のコンビニ交付導入を進めるべきだと考えますが,いかがお考えでしょうか。

○議長(高橋三義) 野島市民生活部長。
〔野島晶子市民生活部長 登壇〕

◎市民生活部長(野島晶子) 住民票の写しなどのコンビニ交付については,マイナンバー制度の施行を契機として導入する自治体がふえていると認識しています。
コンビニ交付は,証明書の交付場所や取扱時間が拡大されるなど,市民の利便性の向上に寄与するとともに,窓口での証明書発行事務の削減につながることが期待される一方,システムの改修が必要となります。
本市においては,平成30年1月の稼働を予定しています次期住民記録システムの構築作業とあわせ,コンビニ交付の導入についても現在検討を進めているところです。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 部長も効果はかなり認識していただいて,平成30年1月をめどに検討というお話でしたが,課題として1つは費用がかかってくるというところ,もう一つは,マイナンバーが前提となってくるというところだと思います。特にマイナンバーありきのシステムですので,マイナンバーの交付申請が進まないとなかなか効果が出てこないものになると思うのですが,世代ごとに申請率に偏りといいますか,特徴があるのかお聞かせください。

○議長(高橋三義) 野島市民生活部長。
〔野島晶子市民生活部長 登壇〕

◎市民生活部長(野島晶子) 本市においてマイナンバーカードの交付を受けた方は,議員がおっしゃったとおり,60歳代が最も多く,70歳代,50歳代と続き,比較的若い世代では手にされている方が少ないのが現状です。実際30歳代,40歳代でカードを申し込んだ方は,その年代の5%程度。そのうち実際に窓口で受け取った方はその中の6割程度。さらに,20歳代については,それよりも低い割合でしか受け取っていただいていないのが現在の状況です。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 もう一点伺いたいのですが,さっき課題としてコストとマイナンバー交付申請が必要だという話のコストですが,導入して効果を出すためには,実際にシステムが稼働したときに窓口ではなくてコンビニ交付を使ってもらう必要もあると思うのですが,その点はいかがお考えでしょうか。

○議長(高橋三義) 野島市民生活部長。
〔野島晶子市民生活部長 登壇〕

◎市民生活部長(野島晶子) コンビニ交付を導入したとしても,議員おっしゃるとおり,使っていただかなければかけたお金の分が回収できないこともありますので,システムを新たに改修するのではなく,次期住民記録システムの構築に合わせて改築することがまず1つのコスト減。それから,窓口を利用する方がコンビニに流れていくことを促すことがさらにコスト減につながると思っていますので,若い世代についてもマイナンバーカードをまずは手にしていただくことを,これから促すように努力していきたいと思います。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今ほど確認させていただいた中で,先ほど30代,40代の交付率が大体5%ぐらいだという話があったのですが,窓口サービスの時間延長を望む現役世代,とりわけ子育て世代とマイナンバーカードを申請していない層が一致していることが答弁で明らかになりました。つまり窓口サービスの時間延長を望む層に対して,マイナンバーカードを申請していただき,コンビニ交付システムを導入することでこういった方たちの声をしっかり酌んで問題を解決することが可能だと思います。
問題は,やはりマイナンバーカードをどう普及するかだと思います。国では,今後マイナンバーカードと他のカードとの一元化を進める方向性も出しています。
ある人は,マイナンバーカードのことを例えて高速道路のようなものだと評しています。全てがつながってようやく利便性が享受できるという意味でその方は言われたそうです。
カードの普及が市民サービス向上の条件であり,窓口サービスの時間延長を望む層とマイナンバーカードを申請していない層が一致していることを踏まえて今後どのように取り組むか,考えをお聞かせください。

○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕

◎総務部長(井崎規之) マイナンバーカードについては,公的身分証明書となるほか,住民票のコンビニ交付などに活用できる機能を持ち,申請者に無料で交付しています。今後は,マイナンバーカードを利用して自宅のパソコンなどから一人ひとりのマイナンバーに関する情報を確認できるようになるほか,国では子育て分野などさまざまな行政手続がワンストップで行える機能も順次検討が進められています。
これらカードのメリットについて,ホームページによる情報発信を初め,若い世代や子育て世代にも取得していただけるよう,引き続き広報に努めるとともに,カードの利用範囲の拡大など市民の利便性向上につながる効果的なサービスを検討していきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今までICTによる市民への効果ということで,今回コンビニ交付を例に議論させていただきました。この話をしますと,そういった手続が苦手な人,特に高齢の方にメリットがないではないかという話になりそうですが,決してそうではありません。ICT化により必要な人員を必要な場所に割くことができて,行政サービスレベルを今まで以上に向上させる,これが本来の目的です。ICTは,あくまで手段だと私は考えています。相手のニーズに合わせて,例えば移動がしづらい高齢者などには直接訪問するなど,今まで以上に職員の方がどんどん地域に出ていって,地域との顔の見える関係性を構築することがICT化によって可能になるのではないでしょうか。
公募区長の検証の際にも,地域との顔の見える関係性,地域との信頼関係が1つポイントになりました。区長ではなく,行政の職員の方が今まで以上にそういった関係を築けるようになるのが理想だと考えています。そういった環境づくりのためのICTの利活用であることを申し上げさせていただき,次に移らせていただきます。
次は,ICT化による働く人への効果についてです。
今回は,ICTを活用した働く人への効果の一例としてテレワークを取り上げて議論していきます。
テレワークとは,テレ,離れたところと,ワーク,働くをあわせた造語で,職員が職場にいなくても仕事ができる体制のことで,いわゆる在宅勤務制度と呼ばれたりもします。育児,介護等,職員の状況に応じて活躍できる職場,社会の実現につながることが期待されます。
総務省もテレワークを推進しており,テレワークの効果として,少子高齢化対策の推進,ワーク・ライフ・バランスの実現,地域活性化の推進,有能,多様な人材の確保,紙,通勤・移動時間や交通費のコスト削減などが挙げられています。今の働き方では,出産,育児,介護と仕事の二者選択を迫る状況があり,そういった状況を緩和することも期待されています。例えば厚生労働省の雇用動向調査によりますと,2000年の介護離職者は3万8,000人でしたが,2014年には8万8,000人に急増しています。こうした状況も加わり,労働力人口の減少が進んでおり,テレワーク導入により在宅での勤務,多様な働き方が認められれば,労働力人口減少のカバーに寄与することも考えられます。
以上の点を踏まえ,テレワークについて本市としてどのようにお考えか,見解をお聞かせください。

○議長(高橋三義) 渡辺経済部長。
〔渡辺東一経済部長 登壇〕

◎経済部長(渡辺東一) テレワークはICTを活用し,場所や時間にとらわれない柔軟な働き方であり,仕事と家庭の両立などワーク・ライフ・バランスの実現や業務効率化に資する多様な働き方の一つとされています。
国においては,テレワークの普及促進に向けた機運の醸成を図るとともに,専門相談員による個別企業への対応のほか,在宅勤務モデルの類型化による好事例の周知やテレワーク採用企業の通信機器導入に対する補助など,財政的にも支援しています。
現在国の働き方改革実現会議において,テレワークなど柔軟な働き方のあり方を含め,さまざまなテーマについて議論されていることから,本市としては今後の国の動向を注視しつつ,多様な働き方を支援していくとともに,国,県など関係機関と連携して男女ともに仕事と家庭が両立できる職場の環境づくりに努めていきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 次に,テレワーク推進のための本市の今後の対応についてです。
テレワークは,実はさまざまなところで導入が進んでいます。総務省では,実際に導入した職員の声として,セキュリティーは問題ないと,通勤時間帯,昼休みを育児,家事に使える,すぐに自宅で作業を始められる,子育てしながら働き続けられるなどの好意的な声が上がっています。
自治体でも具体的な動きがあります。広島県では,グーグルと連携し,どこでもワークというプロジェクトを推進しています。平成24年度からテレワークを導入し,ことしからは管理職を対象に取り組み,平成31年度から全職員でのどこでもワークを実現することで,具体的な計画の策定,数値目標をつくっています。
また,その実施報告書の中で,在宅勤務によって業務に支障が出ると感じていた30%の職員が導入後は2%に減ったなどという実績も報告されています。
千葉市でも職員へのテレワークを導入しています。
民間企業でも積極的な導入が進んでいます。「日経WOMAN」2015年の女性が活躍する会社100では,上位10社中6社が在宅勤務制度を導入しています。
新潟市でも多様な働き方が認められ,多様な生き方が尊重されるといった社会実現のため,イクボス宣言も結構ですが,もう一歩踏み込んで,自治体自身の対応,自治体による企業の支援など,具体的な対応が必要ではないでしょうか。見解をお伺いします。

○議長(高橋三義) 井崎総務部長。
〔井崎規之総務部長 登壇〕

◎総務部長(井崎規之) 職員一人ひとりが能力を十分に発揮できる職場づくりを進めるため,業務の効率化や柔軟な勤務時間の運用など,多様な働き方を実施していくことは大切だと考えています。中でもテレワークについては,ワーク・ライフ・バランスの実現や育児や介護を担う職員の支援,通勤時間の短縮など,さまざまな効果が期待できます。
その一方で,基礎自治体の業務は住民の皆様と直接接することを前提とした業務が大半であることから,活用する業務内容の整理,セキュリティー対策などの課題もあると思っています。
既にテレワークを導入している千葉市や神戸市,試行実施の結果を検証中の横浜市や大阪市などの事例を参考にしながら,引き続き柔軟かつ多様な働き方について検討していきたいと思います。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 テレワークの質問ですが,平成27年2月定例会でもテレワークについて新潟市はどう考えますかという質問があり,その際に先進的に取り組む自治体での導入事例を参考にしながら柔軟に検討していくという答弁がありました。それから1年半近くたっています。また,働き方改革という国の大きな流れも出てきている中で,今回具体的な先進自治体の名前も挙がりましたので,ぜひ積極的に検討していただいて,今後テレワークを導入できるのかどうか,できるとしたらどの部分なのかを含めて,また次の際に御答弁いただければと思います。
次に,子ども・子育て支援担当部長についてです。
来年度から新設予定の子ども・子育て支援担当部長ですが,市長は公募部長へのコメントとして,「多岐にわたる子ども施策を横断的に担当し,安心して子どもを産み育てられるよう,総合的な子ども・子育て支援を強化する」と述べられています。恐らく今が不十分で,まだまだ改善の余地ありということでの子ども・子育て支援担当部長職の新設,公募だと理解しており,その点については積極的な市長の姿勢について大変評価しているところです。
今後このポスト設置が成功するかどうかを左右する大事な点は,どういった課題認識を持っているか,ここがぶれてしまうとうまくいくものもいかないのではないかと考えています。
そこで,(1)として,現状の課題認識について改めてお伺いします。

○議長(高橋三義) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 全国的に人口減少,超高齢・少子化が進展している中,福祉部においては子ども・子育て支援のほか,高齢者や障がい者,生活困窮者への支援など,大変幅広い対応が求められています。
子ども・子育て支援については,多様な保育サービスの提供や放課後児童クラブの充実,児童虐待防止など,従来からの施策に加え,子供の貧困対策の推進といった新たな課題への取り組みのほか,妊娠,出産,乳幼児期における母子保健やふれあいスクールなどの教育関連施策といったさまざまな部門との連携強化が重要と考えています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今のところでもう一点お伺いしたいのですが,募集要項の中で主な課題が3つ列挙されています。1つは保育園の問題と,そしてこども医療費助成の拡大の問題,今おっしゃった子供の貧困の問題と,かなり具体的に列挙されているのですが,そのほかの2つが,安心して地域で子育てできるという表記で,ややふんわりというか,具体的になっていないところがありますのでお伺いしたいのですが,先ほど参照させていただいた北区での地元の青年会議所のアンケートの中で,雨が降っても地域で遊べる場が不足しているという声がかなり上がっていると聞いています。新潟市内にも幾つか施設があり,調べてみましたが,例えば新潟市東区役所のわいわいひろば,また古町のNEXT21の5階の子育て応援ひろば等ありますが,わいわいひろばでは1日177人。どこに住んでいますかという調査を見てみますと,60%以上は実は東区外の住民の方が使われています。
最近新発田市でイクネスしばたができました。その中に乳幼児が安心して遊べる広い場所が準備されたのですが,1日大体250人,休日は400人近い方が利用していると。また,その中の25%は新発田市以外の方が使われているという状況です。
こういったデータを見ますと,やはりこういった場が慢性的に不足している。これは,新潟市だけの問題ではないと思うのですが,かなり不足していて,近隣の行政区までお子さんを連れて通っている状況が浮かんできたのですが,こういった点も子育て支援をめぐる課題の一つだと思いますが,市長はその点いかがお考えでしょうか。

○議長(高橋三義) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 今議員が御指摘されたように,新潟市は冬が厳しい部分がありますので,屋内で安心して遊べる場所を求めている声は強いと思っています。
新発田市の施設のお話もありました。4分の1は新発田市民外と。その中にかなりの新潟市民の方もいると認識しており,また阿賀野市でも同様な傾向がありますので,そういう部分を今後強化するとともに,今新潟市内にある施設の情報がどこまで伝わっているか,またそういう子供の施設の対応力,ソフト面が主ですが,まだばらついている状況があると。これをもっといいレベルに合わせていかないと若い保護者の方の満足度がなかなか上がらないということで,今子ども・子育て施設のソフト面の充実も図らせていただいているという状況です。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今回の子ども・子育て支援担当部長新設ですが,一番大事なことは,市長もおっしゃっているとおり,市民,とりわけ子育て世代にとってどのような効果を実感してもらえるか,この点ではないでしょうか。
募集要項内の部長の役割として,多岐にわたる子供施策を横断的に担当し,安心して子供を産み育てられるよう,総合的な子ども・子育て支援を強化するとしています。これでは,市民の方がこれを受け取ったとき,新潟市に子ども・子育て支援担当部長ができてどうなるのか,イメージできるかというと,そうではないと感じています。
今回選考過程には,論文のテーマとして課題解決のための新たな取り組みなどを提案というのも挙げられています。まだ選考過程ですので,詳しいことは言えないとは思いますが,市長は記者会見の中で,今回4名の方から応募があって,庁内から1名,庁外から3名,また主婦のような方も応募されていると伺っています。いずれにしろ皆さん非常にいろいろな思いを持って,また具体的なプランを持っていただいて今回御応募いただいていることに私も一議員として大変ありがたいと思う次第です。
そこで,市民の皆さんがわかるように,とりわけ子育て世代にとって今回の子ども・子育て支援担当部長新設にどういう効果があるのか,期待してもらえるのかを市長の口からいただければと思います。

○議長(高橋三義) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) にいがた未来ビジョンでは,子供を安心して産み育てられる町の実現に向け,妊娠,出産,子育ての一貫した支援など,子ども・子育て支援施策を最重要課題の一つと位置づけています。
子ども・子育て支援は,福祉だけでなく,教育,保健,雇用,住宅などさまざまな部門に関係があり,組織横断的な取り組みが必要です。子ども・子育て支援担当部長を新設し,子供施策を全庁的に見渡し,総合的にかかわることで,安心して子供を産み育てられるよう,子ども・子育て支援の強化につなげることが重要だと思います。
また,新潟市が子ども・子育てファーストなのだということを示す役割も果たしていただきたいと思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今市長の答弁で子ども・子育てファーストなのだという言葉が出てきましたので,ぜひ今後機会あるごとにそういったメッセージを発していただければ,よりメッセージが届き,皆さんから効果を実感してもらえるのではないかと思います。
そしてまた,子育てファーストのために大事なことは,いろいろな課題があって,今回効果を見込んで子ども・子育て支援担当部長ポストを新設するわけですが,どんなに優秀で熱意のある方にポストについていただいたとしても,その結果,市民が効果を実感できるかどうかは,1人の力ではなく,その方を支える体制がしっかり構築できているかの問題ではないでしょうか。
市長は,10月の記者会見で,子ども・子育て支援が一つの焦点になっているので,それをそこから取り出して新しく分担させることを考えていると述べられました。また,今ほどの御答弁でも全庁的なという言葉がありましたが,組織の具体的な形については,まだ触れられていないのかと感じています。
本市は,こども未来課,保育課,健康増進課,教育委員会など,子供,青少年に関する施策は複数の部にまたがっています。例えば放課後児童の健全育成では,ひまわりクラブはこども未来課所管ですが,ふれあいスクールは教育委員会の地域教育推進課です。また,ひまわりクラブの空き教室活用も学校との連携が必要になってきますし,そもそも子供にとっては同じ放課後の事業です。場合によっては,ひまわりクラブ,ふれあいスクールとの連携,一体化も検討する必要があります。
他都市の事例を見ますと,名古屋市では子ども青少年局を設置し,放課後児童クラブとふれあいスクールを同じ子ども青少年局の放課後事業推進室という形にしています。横浜市も同様の取り組みを行っており,結果,円滑な連携がとれていると伺っています。
新潟市にも部を持たない幾つかの担当部長が設置されています。今回の担当部長新設は,そういった形ではなく,しっかり下に課を持ち,職員を持ち,施策を実行できる体制の構築が募集要項にある総合的な子育て支援を強化する,また市長が先ほど述べられた子ども・子育てファーストにつながるのではないでしょうか。組織の話ですので,決まっていない部分,なかなか言いにくい部分あると思いますが,考え方についてお聞かせください。

○議長(高橋三義) 篠田市長。
〔篠田 昭市長 登壇〕

◎市長(篠田昭) 子ども・子育て支援の担当部長の新設により,責任体制を一層明確化しながら,組織横断的な課題解決に取り組んでいきますが,それを支える組織体制についても当然検討していく必要があると考えています。子供部門の組織については,本市を除く全ての政令市で単独の局または部を設置しています。本市は,これまでの積み重ねとして子ども・子育て支援の土台がほかの大きな政令市に比べますとかなりしっかりしていたこと,さらに障がい福祉施策など福祉部門で一体的に取り組むメリットも大きかったことを考えて,部内での連携を深め,これまで一定の成果を上げてきたと自己評価しています。
今後妊娠,出産,子育ての切れ目のない支援を一層効果的に取り組んでいくため,担当部長を置き,これまで以上に関係部門との連携や情報共有を密にし,子育てを総合的に支援できる組織体制,今検討中ですが,これから詰めて,皆様方にお示しし,また御意見もいただいていきたいと思っています。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 わかりました。検討中ということですが,これから担当部長になられる方がその能力を遺憾なく発揮できる体制の構築をお願いして,最後の項目に移りたいと思います。
最後は,第34回国民文化祭・にいがた2019(仮称)開催についてです。
皆さん,国民文化祭を御存じでしょうか。国民文化祭とは,全国各地で国民一般の行っている文化活動を発表,競演し,交流する場の提供によって国民の文化活動への参加の機運を高め,新しい芸術,文化の創造を促すことを狙いとした祭典とされており,国体の文化版とイメージしていただければいいのではないでしょうか。
新潟県での開催は,今回が初めてです。市長は,文化について大変重きを置き,この14年の間,市政運営に当たられてきました。平成23年には,新潟市文化創造都市ビジョンを策定し,文化芸術の持つ創造性を生かしまちづくりを進め,市民が生き生きと暮らし,活性化する新潟市を目指すとしており,にいがた未来ビジョンでも創造交流都市を掲げています。
また,文化創造を進めてきたが,文化創造による交流人口の増加というところまでまだ明確に見えていないというあたりが気になって,それが4期目出馬する動機の一つでもあったと記者会見でも述べられています。
2018年は平昌冬季オリンピック,2019年は開港150周年,ラグビーのワールドカップ,2020年は東京オリンピック・パラリンピックということで,ビッグイベントがすごく連続しているところです。ただ,国民文化祭の話だけ市長の口からなかなか伺ったことがありません。開催の意義,本市への影響についてどのようにお考えかお聞かせください。

○議長(高橋三義) 山口文化スポーツ部長。
〔山口誠二文化スポーツ部長 登壇〕

◎文化スポーツ部長(山口誠二) 国民文化祭は,文化庁と開催都道府県が共催し,音楽や伝統芸能といった文化芸術活動の成果を全国規模で披露する文化の祭典で,2019年に新潟県で初めて開催されることが内定しています。
県内各地で多彩な文化イベントが行われることで,芸術,文化団体の連携強化や伝統的文化の継承,復活,他地域との交流による文化活動の質の向上などが期待できます。
文化庁によれば,現在は音楽,舞踊,演劇などの舞台芸術が中心で,分野が限定的となっているため,今後は地域の特色を生かした総合的な文化の祭典として,文化財の活用や伝統芸能,食文化などを取り入れていくということです。
本市は,水と土の芸術祭やこれまで育んできた文化的な取り組みが評価され,2015年に東アジア文化都市に選定されるなど,文化庁との連携が深まっています。この文化祭においても,さらに連携を深め,地域の文化資源を最大限に生かしながら,国内外からの交流人口の拡大や本市の魅力発信につなげていきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 最後に今後の取り組みについてお伺いします。
泉田前知事は,2016年10月15日付の朝日新聞で,「国民文化祭は文化だけで独立するのでなく,広がりを持たせていきたいというのが宮田長官との共通の認識だった。世界に日本文化を発信する機会にするということで考えが一致した。経済や食にも広がるような文化祭を目指したい」と述べられています。
市長は,記者会見で,文化がまさに人を呼ぶことを実感いただけるようになってきた。さらに市民の誇りになるよう,文化創造の力を今後も伸ばしていく土台ができていると感じていると述べられています。
文化創造が経済にも波及することを体現しようと取り組んできた市長にあって,今後どのようにこの文化祭に取り組んでいくのかが,国民文化祭新潟県開催の成功のいかんを左右すると言っても過言ではないのではないかと感じています。あくまで主催は新潟県ですので,県との連携が重要ですが,場合によっては市長が県を引っ張るぐらいの思いも必要ではないかと考えています。今後の取り組みについてお聞かせください。

○議長(高橋三義) 山口文化スポーツ部長。
〔山口誠二文化スポーツ部長 登壇〕

◎文化スポーツ部長(山口誠二) 国民文化祭が開催される2019年は,新潟港開港150周年という記念すべき年であり,この記念すべき年を市民の皆様とともにお祝いするとともに,港町文化などの魅力を生かし,交流人口の拡大につなげる好機とし,また港町新潟の魅力あるまちづくりを進めていく新たなスタートとして迎えたいと考えています。
また,この年にはアジア地域で初となるラグビーワールドカップの日本での開催が決定しているほか,翌年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会も開催されることから,海外から多くの方が日本を訪れるとともに,全国各地ではこれらの方を呼び込むための文化プログラムが本格的に開催されていることが予想されます。
本市では,既にことし10月,日中韓3カ国共同によるBeSeTo演劇祭を東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が認める東京2020応援文化オリンピアードとして実施し,本市における文化プログラムをスタートさせています。
2018年に予定している水と土の芸術祭から2019年の国民文化祭,2020年の東京オリンピック・パラリンピックへと,連続性を持って文化プログラムを実施することにより,本市の文化の魅力を国内外へ最大限発信していきます。
小柳 聡議員 発言の許可を求む〕

○議長(高橋三義) 小柳聡議員。
小柳 聡議員 登壇〕

小柳聡 今部長から連続性を持たせていくという話がありましたので,そういった点に大変期待して,また文化庁の今回の新潟県開催の基本的な考え方の中に,地域の宝物に一層磨きをかけ,さらに魅力ある地域として未来へ発展する絶好の機会と考えていますという記述があります。地域の宝は何だと一言で言えないと思うのですが,私が市長に期待するところは,市長はこの14年間,恐らく誰よりも多く新潟市民の方と触れ合い,またいろいろな文化を,営みを感じてこられた面があると思いますので,そういったものもぜひ積極的に発信していただいて,このイベントが成功することをお祈りして,質問を終わらせていただきます。(拍手)