新潟市に新型コロナウイルス感染症への対応についての緊急要望を実施

本日、所属する会派の議員5人で、新潟市に緊急要望を実施し、副市長をはじめ保健衛生部長、経済部長、政策企画部長、教育長など今回の対応をいただいている部署の責任者の皆さんと意見交換をさせて頂きました。

要望事項は以下の通りです。

 

新型コロナウイルス対策に関する緊急要望書

2月29日、新潟市内における新型コロナウイルスによる感染者の確認以来、本市としても、市長を本部長とする対策本部を立ち上げ、感染拡大防止に向け、対策を講じられていることについて、理解し敬意を表するところです。

我が会派としても、市民の生命、健康に大きく関わる事態であると認識しており、協力できることは可能最大限協力するという姿勢であります。

対策は多岐に及ぶものと認識しておりますが、緊急に強化していただきたい対応等を中心にポイントを絞り要望いたしますが、感染拡大防止策については、

  • 電話だけでなく、FAX・メールなどでも相談できる体制の強化
  • PCR検査の実効を高めるための対策強化
  • マスク、消毒液の確保と医療・介護・学校・保育施設への優先供給に万全を期すこと
  • 介護施設等、高齢者関連施設における対策と支援策の強化

等にしっかりと取り組んで頂きたいと考えています。

一方先日、安倍総理より示された、小中高等学校・特別支援学校・幼稚園に対する、「一斉臨時休業要請」により、現場で発生している混乱や不安、休業によって発生する損失等に対する対応も強化して頂かなければなりませんし、経済への影響も深刻化・長期化する様相を呈しており、本市としても更なる支援策を講じることも極めて重要だと考えております。

つきましては下記について、緊急要望いたしますのでよろしくお願いいたします。

. 情報発信の強化について

現在、市民の皆さんは新型コロナウイルス感染症の拡大に大きな不安を抱えています。感染に関する情報が錯綜しているため、過度な不安を抱いてしまっている市民も多くいます。また、市長の市民に向けたメッセージが非常に弱いことも、市民の間に不安を増長する一因となっています。

不安を安心に変えるためには、市民目線での情報発信、リスクコミニケーションが不可欠です。届けたい相手方に届くよう適切なタイミング、適切な方法で情報を発信することで、市民の皆さんが安心感を感じてもらえるような情報発信を求めます。

(1)新潟県と新潟市の情報発信一元化

現在、市管轄の保健所で新型コロナウイルスが発生した場合は市が記者会見、県管轄の保健所で発生した場合は県が記者会見を実施しています。しかし、市管轄のケースの場合でも、濃厚接触者が新潟市内を訪れているケースも発生をしており、県と新潟市の境界を超えて感染は拡大しています。県、市がそれぞれ五月雨式に情報発信することで、受け手の市民は非常にわかりにくくなっているのが現状です。市民がより理解しやすいよう、新潟県と新潟市の情報発信一元化を求めます。

(2)市民目線で伝わる広報の強化

現在、新潟市の情報発信手段は新潟市ホームページ、YouTubeでの記者会見動画のアップ、新潟市広報課Facebookなどで実施されていますが、例えば約9,000人がフォローしている新潟市危機管理防災局のTwitterアカウントでは情報発信されていません。また、いずれの情報発信も行政的な視点からの発信になっており、視覚的に非常にわかりにくく、加えて報道対応についても記載がないため、市民は新聞、テレビなど二次情報に頼っているのが現状です。

例えば東京都は特設サイトを開設し、1日単位の陽性件数、陽性者の属性、相談件数などについてグラフ化し視覚的にわかりやすくなっています。また、千葉市では市政だより臨時号を出し、市民への正しい情報発信に努めています。現在の発生状況、発生地域、回復状況などについて、現状を市民にわかりやすく伝えることで、過敏な反応を避けることができます。

アナログ媒体はもとより、新聞購読者、テレビ視聴者が減少している昨今において、デジタル情報をいかにわかりやすく発信していくかは非常に重要であり、市民の安心に寄与するスピード感のある適切な発信を求めます。

2. 学校休校に伴う対応について

政府の新型コロナウイルス感染症への対応で、急な学校休校の要請を受けた各学校は対応に追われ、学校現場や児童・生徒の家庭も混乱を極めています。また、保育ニーズに応えるためという理由で、保育園と放課後児童クラブへは原則開所を求めたことから、学童保育は通常の春休みと同様に開所時間を早めるなど柔軟な対応をしています。しかし、あまりにも唐突な要請だったことから準備のないまま行われることになり、こちらも混乱をきたしています。

国の支援がはっきりしないことから、本市独自の支援制度の早期創設が求められます。また、国の賃金補償制度の対象とならない方へのセーフティネットの必要性を訴えます。

(1)未履修科目への対応

新型コロナウイルスの感染拡大で学校が休校となってしまったことにより、3月に学習予定となっていた単元の未履修の状況が発生し、学習が不十分なまま進級、進学を迎えることに不安を持っている児童・生徒、保護者は多いです。小中学校とも新学期初めに未履修分の授業を行うことになろうかと思いますが、早いタイミングでそういった代替措置を児童・生徒、保護者へ周知していく必要があります。また、教育サービスを提供する民間企業から休校中の学びを止めない支援策が次々と発表されています。こうした個人向けサービスの情報を児童・生徒や保護者に対して的確に発信するとともに、学校単位で利用する学校向けサービスの活用も周知する必要があります。

(2)小学校と放課後児童クラブの連携

このたび文部科学省は、教育委員会が教師に職務命令を出すことで、教師の身分のまま支援にあたれるという見解を改めて示しました。そして、市内の多くの小学校では子どもの健全育成のために体育館などの広い学校施設を放課後児童クラブが使用できるよう配慮しています。過密な放課後児童クラブに児童が多く集まることは、感染リスクを高めることから学校施設の活用は有効であると考えます。また、厚生労働省も児童同士の不要な接触を避けるため1メートル以上間隔を空けて活動することを推奨していることから、児童の居場所を分散させることは感染を回避させる効果もあります。しかし、多くの放課後児童クラブでは放課後児童支援員が不足しており、分散保育が難しい状況です。このことから支援員が不足する放課後児童クラブへの支援のため教員を派遣できる体制を構築する必要があります。放課後児童クラブの6割以上が学校の敷地内にあり、敷地外であってもほとんどが近隣にあることから、各学校の体育館やグラウンドを利用する際に教員が児童の見守りを行うことについては負担感が少なく、協力しやすいと考えます。

(3)児童・生徒へのメンタルヘルスケア

不登校が増えるのはゴールデンウィークや夏休みなどの長期休業明けです。また進級時など環境の変化による影響も関係していることが指摘されています。学年末直前というタイミングで学校が休校となり、変化に対応しきれていない児童・生徒が多数存在していることも推測されることから、児童・生徒へのメンタルヘルスケアに万全を期して臨む必要があります。

(4)市教育委員会から各学校への迅速で的確な対応

通知表を渡すタイミング、未履修分の学び直しへの対応、給食費の返金対応などの学校長が判断しづらいことについては、モデルケースや考え方などを市教育委員会から各学校へ迅速かつ適切な指針を提示する必要があります。

(5)放課後児童クラブの運営費への支援の拡充

小学校の臨時休業に伴い、国は午前中から運営する放課後児童クラブへ1日当たり10,200円を加算するとしていますが、それでは運営費が賄えないとの声が多く聞かれます。このことから人件費や光熱水費などの実費相当分をしっかりと精査し、国からの加算金では運営が成り立たない施設に本市独自の支援を行う必要があります。

(6)民設の放課後児童クラブへの支援の拡充

新型コロナウイルス感染症への罹患を心配し、放課後児童クラブを休所や退所する児童が増えており、利用料を返金する事例が多く発生しています。このことは本市より「家庭で過ごすことができる場合は、可能な範囲で協力いただくよう保護者へ説明し、依頼してください。」との要請に応えたことに起因しています。特に民設の放課後児童クラブでは、本市からの委託料と利用児童の保護者が支払う利用料で運営をしていることから、利用児童数が当初計画の段階と大幅に変わることは経営において死活問題です。民設の放課後児童クラブが運営を存続できない事態に発展すると本市が直営で設置する必要があり、混乱にますます拍車がかかります。このことから民設の放課後児童クラブが継続運営できるよう返金分を補償する支援が必要です。

(7)給食業者への補償

突然の休校決定を受け、給食の食材は発注のキャンセルが間に合わずに廃棄されるものが出たり、納入が止まったりしています。特に生産する牛乳の大半が給食用としている業者は危機的状況に陥っています。給食に食材を提供している業者への補償を国へ働きかけるとともに、本市独自の支援策が必要です。

(8)学校給食の食品ロス対策

学校休業に伴い、給食で使用するために購入した食材の余りが発生しています。そこで、各学校で出る食品ロスの量を把握し、有効に活用をするべきです。NPO法人フードバンクにいがたや新潟市社会福祉協議会等の団体と連携して、生活の厳しい世帯を中心に食材の提供を進めることを望みます。

3. 中小企業等への対応について

国内の感染者が増える中、相次ぐキャンセルや外出を控える人も増えていることから、飲食店への客足が遠のき、売上が下がったと悩む飲食店やそこで働く方々に影響が出ています。

その様な状況を救うため国や地方自治体によって支援制度が出ており、より多くの事業者や労働者が支援を受けれる環境作りを求めます。

(1)資金繰りの対応強化

制度融資には厳密な事業計画等の提出が必要となり、作成が難しく、専門家に依頼した場合には事業者の負担があり、また審査も通りにくい実情もあります。

認定業務にとどまらず事業計画などの申請書類作成支援を市が行うなど幅広い対応を求めます。

(2)日雇い労働者に対しての支援

様々な業界で働く、日雇い労働で生計を立てている方々は、支援制度から漏れてしまう可能性があります。無収入となり困窮状態に追い詰められることのないよう支援を求めます。

4. 施設の対応について

新型コロナウイルス感染の拡大を防止するためには、多くの人が集まる施設での対策が不可欠になります。特にクラスター対策は、先手を打って対策を講じるべきです。人が集まる風通しの悪い場所はクラスターが起こる可能性があることから、これ以上大規模な幹線を抑えるために、現時点でできる範囲での対策を講じることを望みます。

(1)公共施設について

市内で、様々な公共施設が休館しています。一方で、マリンピア日本海や新潟市美術館等の公共施設は依然営業を続けています。

オープンしている公共施設においては、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のために対策を徹底して行うことを求めます。また、休館を含めて今後の対応と対策も十分に検討をすることも求めます。

(2)民間施設について

スポーツクラブやライブハウス等のクラスター発生の可能性が高い民間施設に対して、対策を十分に取っていただくように積極的に要請をすることを求めます。